京アニ版Kanonは本当に商業的にイマイチだったのかを検証してみる

 前回のKanonアニメのエントリを書いて以降、アニメDVDの売り上げ数とかを見ていると、面白いですね。京アニ作品の上位安定ぶりが凄まじすぎますw ハルヒは3万本以上とちょっと抜けてますが、らきすたにしても2万超、CLANNADAIRも2万〜2万3000本くらいなので、商業的には大成功していると見てもいいでしょう。一方でKanon。1万5000本と上記2作品に比べるとやはり少ない数字になっています。
 ただ、この数字だけを持ってしてKanonが失敗だった、と決め付けるのは早計です。と言うのも、この1万5000本だって、2006年当時、地上波で放送されたアニメ以外の売り上げ数ではトップですし、1万本越えない作品がほとんどの中ではかなりの成功といえます。が、京アニの他作品の売り上げからすれば…やはり見劣るのも事実ではあります。
 人によっては、Blu-ray Disc版待ちなんだ、と言う人もいますが、それはCLANNADに関しても言える事ですし、Kanonだけには当てはまらないかと思います。先に発売されたAIRは、現にどのくらい売れたかが全くわからない(ランキングには入ってない?)のですが…。まあ当時とはBD再生機の普及率が全く違うので、今発売されれば、目に見える数字で現れる可能性はありますけどね。
 あとは、この数字の差ですが、AIRとなら単純に1クールと1クールとの違い、CLANNADとなら、まだ3巻が発売された時点での数字ですので、今後客離れしていき、CLANNADも数字が下がっていく可能性はあります。が、3巻までの数字を比較してみても、Kanonよりは売れているみたいではありますけどね。
 ただ、この数字の差がイコールでアニメの面白さに繋がるかといえば、必ずしもそうでは無いでしょう。例えば、京アニハルヒらきすた、その他で言えばリリカルなのはなどは、アニメDVDランキングの上位だったりしますけど、DVDを買うほどの熱狂的なファンに支えられての数字とも言えます。何せ、1時間ちょっともあれば見れてしまうようなものに、ゲーム一本分のお金を注ぎ込むわけですから、相当にハマらないと出来ない芸当でしょう。しかも、毎月のローン返済のように発売されていくわけですから…。京アニの鍵作品は、鍵っ子たちの下支えも相当あったとは思いますし。TH2のアニメDVDの売り上げとかと比較すると…ファン数はたぶん互角かTH2のほうが多いはずなのに、売り上げは雲泥の差なんですが。
 とはいえ、原作への思い入れの強い作品とは違い、割とライトな感覚で楽しめるらきすたのDVDも相当売れていることから、「京アニとしては」Kanonはやや振るわなかった感はあるのかなあ、と結論付けてみます。
 ちなみにニコニコ動画などの動画サイトで視聴する人が増えた関係で、わざわざDVD買う人間が減るんじゃね?って思うかもしれませんが、案外DVDを買う人は、ニコ動で満足しない、とは書いておきます。それだと、CLANNADのDVDはもっと売り上げが減少しないとおかしいですからね。

 ちなみに、この前のエントリのコメント欄で指摘があったように、MOON PHASEさんのところでこの話題が挙がっていたのですが、このコメントを見た人が「どうやらKanonは不振らしい」というウワサを広げ、そして全体的に「京アニKanonで失敗したらしい」と言う話に繋がったんでは無いかと思います。まあ当たっていなくも無いのですが。地上波でリアルに放送されていたら、こういう結果にはならなかったかもしれませんし、AIRKanonで好評だったからこそ、京アニの鍵作品としては初めて、CLANNADで地上波枠が獲得できたのかもしれませんしね。
 衝撃だったAIRと、様々なメディアミックスとの相乗効果がありそうなCLANNAD。ちょうど谷間に入ってしまった感があったのも、売り上げに多少は影響したのかもしれませんね。ただ、一般のTVアニメDVDとしては、かなりの水準で売れていたことを改めて明記しておきます。