関西の男性向け同人誌即売会事情

 コミケネタだけだと、はっきり言って関東に住んでる人たち以上に情報を知りえる環境には無いので、とりあえず自分のホームである関西の事情とかを書いておきます。ちなみに関西とか他地方からだと、拡大集会とか参加できないし、コミケも日程によっては1日休むのが精一杯な感じですから。詳細な情報は、今となってはなかなか知りえる機会が少ないのが実情です。
 今の関西には、「こみっくトレジャー」と「ComicCommunication」の2イベントが、関西の男性向け同人野郎たちの受け皿になっています。このうち「こみっくトレジャー」は、コミックシティの赤ブーブー社のダミー?である青ブーブー社が主催で年2回、「ComiComi」は年1回ペースで開催されています。
 それ以前の男性向け同人誌即売会といえば、インテックス大阪でのコミックシティしかありませんでした。しかも、元々女性向けジャンルが強いイベントだったこともあり、男性向けスペースはかなり追いやられていた感じもあり、サークルが育つ環境はあまり無かったようにも思いました。
 しかしそんな中で生まれたのが、「は〜とふるDiary」というイベントでした。新大阪センイシティという、満了でも250スペース+入場制限がかかるような小規模会場をメインとしていたんですが、コーヒー・紅茶サービスなどの、一般もサークルも一息つけるようなサービスが充実していたり、イベントの代表者さんが各サークルを毎回回って挨拶してくれたりだとか、細かい気配りが行き届いた素晴らしいイベントでした。最初の頃は集まるサークル数もそれほどでもなかったのですが、終盤にはサークルスペースは抽選で落ちるところも多数(ウチも何度も落とされたことが…)、会場もキャパが大したことが無くて、建物をぐるっと一回り行列で取り囲むくらいまでかなり大繁盛しました。
 それに並行する形で始まったのが、「ComicCommunication(コミコミ)」でした。第1回から、久弥直樹氏の「Cork Board」などが参加して、会場は入場制限が掛かるなどの大混乱をきたすなど大繁盛(?!)。開催時期(6月。以前は10月にも)やイベント規模・男性向けオンリーなど性格から「関西のレヴォ」と呼ばれたりもしました(?)。関東から大手サークルも常時参加したりなど、それ以降はすっかり定着した感があります。
 しかしながら、それにつれて関西での男性向けジャンルのオンリーイベントが激減してしまいます。特に「は〜とふるDiary」が、主催者さんの上京とかで瓦解。それに並行してか、葉鍵系オンリーイベントも関西発のものが消滅してしまいました。
 それに替わる形で出てきたのが、「こみっくトレジャー」です。時期は前後するかもしれませんが、コミケの後、関西でのコミケ新刊売りイベントとして定着を狙ったようです。それに、赤ブーブー社のComic City大阪は繁盛してはいたんですが、男性向けジャンルに関してはかなり追いやられた感もありましたし、サークルも一般さんも数としては不満なものでした。しかしこの「こみトレ」は、毎回サークル参加者も一般参加者も増えていき、最初の頃は完全に「コミコミ」のほうが、大手サークル参加率も高いし一般参加者も多くて繁盛していたのですが、最近ではそれが逆転してしまい、サークル数はほぼ男性向け100%で1000を越え、一般参加者も1万人前後。企業やコスプレ参加者も多くて、プチコミケ状態になりつつあります。そして見逃せないのが、メイド隊によるコーヒーや紅茶などのサービスですし、会場内での音楽リクエストとかのイベント内イベントです。これらは、記憶が確かなら「は〜とふるDiary」から引き継がれたものだったりします。ボーイさん(BOSE:ボウズさん。頭に何か被ってますが坊主な方w)とか一緒ですしw また、男性向け一辺倒の中にも、鉄道サークルなどが混じっていたりしていて、結構楽しいイベントになっているように感じています。コミコミが年1回開催なので、関西の男性向けイベントはこの「こみトレ」を中心に回って行くことになるんでしょう。
 ちなみに、一時は絶滅寸前までになっていた男性向けのオンリーイベントも、リリカルなのは・東方のオンリーなどは大盛況で複数回開催されるなど活気も戻りつつあります。
 ただ一つ付け加えておきたいのが、コミケでの売れ行きと関西の各イベントでの売れ行きとは全く数字が異なることです。実数はコミケの半分くらいでしょうか…。そして、こみトレやKey系のオンリーイベントなどで自分のサークルに来てくれる人を見ていても、コミケでも来てくれた人ってのがいるんですよね。しかも複数。と言うことは、関東から遠征してくる人や、逆に関西からコミケに行って更に関西でも、と言う人がかなり多いようです。つまり、関西在住で関西のイベントだけに来る人ってのが案外少ないんですよ。コミケ新刊をこみトレで出しても、そんなに動かなかったりするんで。ですから大手サークルさんも、コミケ新刊以外にコピー本とかを持参してくることが多いんでしょう。
 これから関西のイベント事情はどうなるんでしょう? 僕らみたいな小手サークルでもコミケに遠征し、コミケの活況ぶりに当てられるような時代なんですから、そんなに明るいものは無いかもしれません。が、関西から出てきて、コミケに進出し、そして商業誌とかでなかなか売れるような作家になる人も以前はいたわけですから、それに続くような人が出てくる土壌が出来ればいいなあ、と思います。

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<追記>
 関係ないですが、関西の男性向け同人誌即売会の「コミコミ」「こみトレ」は、共に「オールジャンル」の看板を掲げているんですよね。何でなんでしょう? それに騙されて以前は、明らかに女性向けだろうと思われる、ジャンプ系の女性サークルさんが紛れていたりしていたんですが(今ではあまり見かけないですけどね)。