エロゲ版久遠の絆「久遠の絆 -THE ORIGIN-」の、オリジナル版との変更点まとめ

 このブログへの検索ワードでトップなのが「久遠の絆」というキーワードです。もう10年以上前のゲームなので知らないって方も多いでしょうし、エロゲでそういうタイトルが出ることで興味を持った方もいらっしゃるようです。
 個人的には、葉鍵ジャンルを知る前にプレイした、自分としては初めてのいわゆる「ビジュアルノベルゲーム」だったことと、めちゃくちゃハマったことで、ギャルゲオタになったキッカケになった作品なので、非常に思い入れの深いタイトルなんですが、それが10年以上経った今になってエロゲになるという、それが「久遠の絆 THE ORIGIN」なわけです。

FOGのページ<オリジナル版を出したFOG
XUSEのページ<エロゲ版をリリースするXUSE

 今更紹介記事を新たに書くのも面倒なので、過去に書いた布教記事でも載せておきます。

http://d.hatena.ne.jp/rikio0505/20100103/1262509557(エロゲ化発表直後に書いた記事)
http://d.hatena.ne.jp/rikio0505/20080711/1215787183(自分のルーツとなっているギャルゲ的な)

 さて、以下は今のところ自分が把握しているエロゲ版久遠の絆の情報と、そこからわかる改変内容を並べてみます。

【参考】
-----とりあえすセーブしとこうか-----』さんより(具体的な変更点など)
MA-SAブログ』さん(雑誌掲載の画像など)

■改変点

  • エロゲになった

 PS版から割と過激な表現やらエロ展開を彷彿とさせるシーンは多かったのですが、それを規制なく描いてしまう感じらしいです。オリジナルのPS版では、一部のCGやシーンが審査を通らず削除されたくらいだったのですが、それに加えてエロゲ展開をプラスさせるようです。どこまでエロ展開が増えるのかはまだわかりませんが、オリジナルでエロを想像させるようなシーンについては、恐らくエロゲ的な感じに書き換えられるのではないかと思います。
 

  • 「元禄編」変更、「幕末編」削除→「昭和編」に差し替え?

 エロゲ版久遠の絆発表時に原作メーカーのFOGの掲示板に書かれていたことですが、全4章のうち2章のシナリオを書いていた、現在は企画屋代表の小林且典氏はエロゲ化に反対していて、この企画からは降りたそうです。そして、小林氏が担当していた章2つはエロゲ版には入れないようにと申し入れたそうです。
 実際のところ、本当に削除されているのかどうかはわからないのですが、その話がそのまま通っているのだとしたら、原作であれば「現代編」「平安編」「元禄編」「幕末編」と4章あったものが、「現代編」と「平安編」の2つになってしまっていることになりますが、どうやら雑誌記事を見る限りでは、「元禄編」はCGをある程度生かしつつも話は書き換えられ、「幕末編」は「昭和編(戦時中?)」に置き換えられるようですね。
 ちなみに、原作では監督・メインライターをしていた加藤直樹氏が、今回のエロゲ版のシナリオを担当しているので、もし氏が全てのシナリオを書いているとしたら、クオリティの大幅ダウンということにはならないのかな、と思います。
 オリジナル版は、加藤氏と小林氏の息のあったシナリオが楽しかったこともあって残念ではあるのですが。

  • 平安編のシナリオ全面変更

 どうやら、平安編のシナリオが大幅に書き換えられるようです。具体的には、オリジナル版は竹取物語をモチーフにした話になっているんですが、エロゲ版では玉藻の前の物語になるそうです。
 これって実は、オリジナル版の当初のシナリオに戻る、ってことなんですよね。PSで出すのにあたり、最初は玉藻の前……つまりは平安時代末期の保元の乱の時代の話だったのです。ただ、どういう経緯かボツになってしまい、オリジナル版では竹取物語になったわけです。
 なぜボツになったのかは詳しくはわからないのですが、当時のPSでのソニーの倫理規定に引っかかったのではないかと考えています。というのも、玉藻の前って鳥羽上皇の寵愛を受けた女性だったという話ですし、保元の乱に繋がるということは、天皇家に直接つながる話なわけです。現在も天皇家というのは続いていますから、その部分が引っかかってアウトとなったのではないかと思っています。何せ鳥羽上皇をたぶらかしたとも言われているわけですし、天皇家を弱体化させた保元の乱とも絡められて描かれていることでもありますしね。
 久遠の絆の舞台設定は、藤原道長らが活躍した時代のように描かれていますが、平安京が荒廃した末期のような時代設定も描かれていることから、玉藻の前なシナリオに変わるのは、本来描くはずだった平安編になるということかもしれません。

wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%89%E8%97%BB%E5%89%8D

  • 追加CG(エロ)は別人?

 エロゲ版久遠の絆のスタッフクレジットのところで、原画が「TEAM KUON」となっていましたが、これはどういうことなんでしょうか?
 原作の原画は、全て岸上大策氏が手がけていました。エロゲ版の紹介記事を見ていても、見慣れた岸上氏の(原作の)CGがそのまま使われており、この部分は誰かが差し替えとかしたわけではなさそうです。
 しかしながら、新たに描かれた18禁CG絵はタッチが違うような……。まあ、もし岸上氏がそのままエロ絵も描いているのだとしたら、原画の欄にはそのまま岸上大策の名前があるはずです。なので、絵は別人が描いている可能性があります。だからこその「TEAM KUON」なんじゃないのか?と考えています。
 もうひとつの可能性は、岸上氏がエロの仕事を出来ない立場で、例え本人が手がけていたとしても名前を出せなかった……可能性もあります。声優さんに裏名義があったりするのと同じですね。この辺はインタビュー記事でははっきりと書いてませんでしたから、何とも言えない部分があります。
 久遠の絆の良さは、岸上大策氏の美しい女の子や醜い餓鬼などの絵にもあるだけに、別人が描いているのだとしたらかなり残念です。

  • 作曲家はいない

 音楽のところに「風水嵯峨」の文字がありますが、氏は数年前に亡くなっています。そのため、氏が音楽を書くことは出来ません。ただ、クレジットには氏の名前しか無かったということで、音楽の追加は無いのかな?と思ってます。エロゲ化でどこまで追加シーンがあるのかはわかりませんが、豊富な曲数があるのでその点は問題ないのでしょう。

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 こんな感じです。
 エロゲ化の際にはかなり揉めたという話もありますし、前向きな形ばかりではないエロゲ化ということできな臭い話も色々と聴いていますが、個人的には期待半分、不安半分という感じです。原作者が関わっていることから、第三者による原作レイプということにはならないとは思いますが、逆に原作メーカーによる自分の作品のレイプ、みたいなことにはなりかねないので……。
 今プレイしても、恐らくは良作のままだと思うくらいにいい作品なので、いい形で多くの人に触れてもらえたらなあとは思っていますが、どうなるでしょうか?

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