一貫性のあるキュゥべえと不可解なほむらの行動の理由とか〜魔法少女まどか★マギカ5話より

 さて、キュゥべえが一層悪役に見えてきたまどマギ5話でしたが、本当のところはどうなんでしょうか? ちょっと改めて考えてみました。

 キュゥべえ自身の行動は非常に一貫しているように見えます。彼の目的はただ、主人公であるまどかを魔法少女にしたい、この1点に尽きます。
 例えば、マミと近づけたのは偶然にも思えますが、孤独に戦うマミでまどかの同情を誘い、魔法少女に自発的になろうとまでするところまでは行きました。マミが殺された後は、まどかたち自身の命の危険と引き換えにどさくさ紛れに魔法少女にさせようとしていました。ので、ある程度マミを利用してのまどかの勧誘を行っていたと思われます。
 続いての手は、さやかでした。当初はまどかしか狙ってなかったはずですが、マミの死を間近で観たショックで魔法少女になるという気持ちから遠ざかったために作戦変更したのでしょう。親友であるさやかが魔法少女になることが、まどかを魔法少女に近づける……とはあまり繋がってこない気はするんですが、さやかに同行させたり、さやかの性格的な問題(勝気だったり友達想いだったり)から間違いなく今後ピンチになることを予想していて、そういう時にまどかを勧誘すれば……と考えているのは明らかでしょう。
 杏子を差し向けた(それを拒まなかった)のはかなりの荒っぽいやり方だとは思いますが、それもこれもまどかを魔法少女にさせるため、と考えると筋が通ってしまいますよね。さやかとは間違いなく対立しますし、さやかよりは強いでしょうし、さやかがピンチになれば当然まどかの選択肢に入りますしね。
 何故、キュゥべえはまどかにそこまでこだわるのかとか、素質の高いまどかが魔法少女になることが何に繋がるのかとか全然わからないのですが、もしそれで現実世界にプラスの結果が生まれるのなら、悪者とまでは言えないんじゃないかと思います。が、まどかを魔法少女にさせるためであれば、マミやさやか、杏子も利用しようとしているあたり、手段を選ばない性格的なものが透けて見えてくるようにも思います。あるいは単一的な考え方しかできない生き物なのかもしれませんが。まどかの魔法少女化を阻止するほむらとの対立点は明らかですよね。

 一方でほむらは、まどかをどうしても魔法少女にさせたくない、というのはわかるのですが、では何故キュゥべえを殺さないのでしょうか? どう考えても、魔法少女に勧誘するキュゥべえさえいなければ彼女としては安心な気がします。実際に1話では狙っていたわけですし。ただまどかと接触した後はそれをしなくなりましたし、キュゥべえ自身もほむらに対して危険性を感じていませんよね。
 ほむらがまどかとの接触を増やしたり、3話ではマミの代わりに魔女を倒そうとしたり/実際に倒したり、4話では実際に諦めさせたり、5話ではまどかが魔法少女になろうとした瞬間に現れたりと、まどかの身の危険や魔法少女になろうとする時にに置いてはほむらの行動も一貫しているようにも見えます。が、諸悪の根源であるはずのキュゥべえを排除することは止めてしまいました。ここが引っかかるんですよね、どうしても。
 ヒントとしてはいくつかは出ています。まずは、ほむらもどうやらキュゥべえと契約したっぽいところです。ただ当のキュゥべえが煮えきりません。契約したようなしてないような、とか、彼女はイレギュラーなんだ、とか。ただ、キュゥべえ自身がほむらを敵とは思っていない、というところは読み取れるんじゃないでしょうか?
 キュゥべえがまどかを魔法少女に仕向けるために手段を選んでいない感じがするのに、ほむらには何がなんでもまどかを魔法少女にさせたくないはずなのに、手段を選んでいない感じがしないのも引っかかります。そういえば、ほむら自身がキュゥべえにはあまり語りかけないんですよね。あれだけまどかには忠告してますし、マミにもほむらたちを巻き込むなとは言っているのにも関わらず、です。言っても無駄だとわかっているかのような……。
 また、ほむらがキュゥべえのことを悪く言わないのも引っかかる点ですよね。まどかに対しては、魔法少女がいかにマイナスなものでならないほうが良い、とはずっと言っているのに、明らかに胡散臭いキュゥべえの口車に乗せられることへの危険性についても何も言及しないんですよね。
 このことから推察されることが、キュゥべえを殺すことはほむらにとって何かマイナスがある」ということです。むしろそれしか考えられません。あとは、明かしたくない深い関係性があるのかとか。ほむらにとってキュゥべえが絶対悪ではないことも伺えると思います。

 なら、ほむらの存在はいったい何なんでしょうか? 魔女狩りには消極的ですし、同じ地域に住んでいる魔法少女がいながら転校してきたあたり、魔法少女同士にある「テリトリー(縄張り)」の意識も特に感じられません。キュゥべえの言うとおり「イレギュラー」な存在なんでしょうけど、なら、まどかを魔法少女にさせたくないのは何故か? という最初の疑問に辿り着くわけです。
 さやかが魔法少女になってしまったことを悔いるような発言をしていましたが、案外ショックは大きく無さそうな感じでした。これがもしまどかであれば、恐らくは違った反応をしていたでしょう。なので、魔法少女を増やしたくないというよりは、まどかから魔法少女という選択肢を遠ざけたい一心なのでしょうが、これが、まどか自身が不幸になるからなのか、世界の終わりにつながるからなのかがまだハッキリとはしていません。
 まどか自身が不幸になるとすれば、ほむらが何処かでまどかに思い入れが出来、大好きなまどかが自分と同じ因果を背負うなんてことがあってはならない、という理由になると思います。キュゥべえとまどかが出会ってしまってからは、ほむらはキュゥべえを殺そうとしなくなりますが、まどかがキュゥべえに思い入れが出来てしまい、殺すとまどかが悲しむから……という理由なら何となく繋がる気がします。それだと、一方的にほむらはまどかのことを知っているか、まどかがほむらのことを忘れている(記憶から消されている?)などの理由が考えられます。
 まどかが魔法少女になってしまうと世界が終わってしまう、という考えは致命的な欠点があります。ならば、魔法少女に勧誘するキュゥべえを殺せばいいじゃないか、と。でもそれが出来ないのは、まどかが悲しむからなのか、ほむら自身に何か影響があるのか、あるいはキュゥべえが死ぬことで魔法少女たちに何か起こるのか、という話に戻ってくるわけです。
 実は、ほむらとキュゥべえは一体だったとか。根拠がなさ過ぎますが……。ただ、やってることや考え方は正反対なんですよね。ほむらは魔法少女になることが罪深く、それは人間として終わってしまうかのようなことまで言ってますが、キュゥべえはそれに対して、魔法少女になることへのデメリットをほぼ言いません。黒と白というカラーからして正反対なんですよね。そしてまどかに見せた夢(?)には、ほむらとキュゥべえ(と魔女?)しかいませんでしたよね。
 ほむらに足りないものをキュゥべえが持っていて(馴れ馴れしさとか?)、キュゥべえに足りないものをほむらが持っている……という可能性もありそうですが、そうなると元々は1つだった、という考え方も出来そうです。が、いかんせん推測するにしても材料不足です。

                                  • -

 と、色々書いてみて何か思い浮かばないかと思いましたが……なーんにも思いつきませんでした(汗。誰かヒントとかあれば教えてくださいw

Web拍手送信