「侵略!イカ娘」二期に望むこと

 先日、発売日が延期になっていた「侵略!イカ娘」のBD3巻が届きました。全巻収納ケースの神々しくも無邪気なイカちゃんは可愛かったですし、混入されていたミニイカ娘フィギュアもなかなかの出来栄えでした(延期の理由はこれ?)。音声特典のキャラクターコメンタリーは奇数回だけなのですが、1,2話目はイカ娘のキャラコメで、3話目はミニイカ娘回の「飼わなイカ?」だったんですがそこはイカ娘役の金元寿子さんと栄子役の藤村歩さんのコメンタリーになっていて、なかなか細かくいい作りをしていました。買って良かったと思ってます。
 そんなイカ娘アニメ二期ですが、個人的には同じように作った二期であれば、期間も空きますし前作以上の成功は得にくいと思っています。今度は原作の秋田書店もそこそこバックアップする気がありそうなので良いのですし、ポニーキャニオンももっと熱を入れて宣伝してくれると思うのですが、ややもすればブーム的な人気だったことを考えると、やはり二期ならではの味付けが必要でしょう。1回が3話構成という深夜アニメとしては特殊な作りだったり、毒のないストーリーだったり、オチを敢えて大きくは作らないコメディ路線を外さなかったりというアニメならではの良さは活かしつつ、別の方向性を模索しなければならない気がします。そうした中で、どういう方向性で描くのが良いのかってのを考えてみました。
 原作エピソードはそれなりには使ってしまったようにも思いますし、もちろんオリジナル要素多めの作りになるとは思いますが。

  • ストーリーを付ける?

 「侵略!イカ娘」という作品自体にストーリーはほとんどありません。登場人物が増えていったり、その中で関係性が変わったりという流れはありますが、ストーリーの無いのがイカ娘である、という気もしないでもありません。
 ただ、小さなエピソードの連続な構成だったとしても、そこに細かくストーリー要素的なものを入れていくことは可能だと思っています。例えば、原作でもほとんど触れられていないままですが、イカ娘のルーツについて少しずつ明らかになっていく流れだとか、アニメの最終回にも出ていたタコ娘こと田辺梢とのエピソードを描いていくとか、長月早苗とイカちゃんが徐々に親密になっていく流れだとか……(それはないか)。
 特に、イカ娘が何者であるかと、田辺梢がなぜイカ娘のことを知っているのか、あたりは原作読者も単行本ベースではまだまだわからないのですよね。特に「イカ娘が何者であるか?」は聞いてはならない禁則事項みたいにもなってはいますが、三期四期とアニメ化するつもりがないのであれば、ここに踏み込んできてもいいんじゃないかと思ったりもします。思いっきりシリアスな話も入れられそうですしね。

  • 季節感を出す?

 夏限定、しかも海の家が舞台という、非常に特殊かつ縛りの多いイカ娘ですが、そこに季節感を出してみるというのはどうでしょうか? 例えば、海開き前のエピソードから始めて海水浴シーズンが終わる頃に作品そのものも終わるとか、大胆に春や秋・冬という季節を出してみるとか、でしょうか。夏じゃなければイカ娘じゃない!とおっしゃる方もいるかもしれませんが、イカ娘原作単行本を読まれた方ならわかるとおり、単行本の冒頭には他の季節でのイカちゃんや海の家れもんのエピソードが掲載されているんですよね。どういう時間軸なのかとかは一切不明ですが……。そういえば、アニメのミニイカ娘回でも季節感を出してましたね。
 個人的には、海の家が例え無くともイカちゃん単体のキャラクター性さえあれば「イカ娘」という作品そのものにブレは無いと思いますし、イカ娘に違いないと思っています。なので、夏や海から多少離れたところで話を描いていてもやはりそれは「イカ娘」じゃなイカ? と思います。
 どうしても海の家を舞台にするのであれば、夏の始まりから終わりに向かっての物語にするのが良いのかもしれません。原作では記憶にないのですが、海の家開店準備で「始まった」感が出せますし、海の家店じまいで「終わってしまう」感が強く出せると思うからです。そこにどうイカちゃんを絡ませていくかがポイントになってしまいますが、緩やかにストーリーも付けられますしね。

  • 相沢家や千鶴の謎を描く?

 たまーに出てくる相沢家の両親の話ですが、そういえばこの家って何で両親がいないんでしょうか? とか、あまり生活に困窮している様子は無いにしても、夏以外の季節は何をやって生計を立てているんだろう? とか、千鶴の人外じみた能力とか、イカ娘並みに謎な相沢家ですが、そんな相沢家とイカちゃんの謎を上手く絡ませたりして描いていくというのはどうでしょう? 割に重たい話になってしまい、イカ娘一期の軽さと安心感からは離れてしまいますが、避けては通れないというか、凄く気になっているんですよね、その辺は。たけるがあの歳であれだけしっかりしている理由ももしかしたら生い立ちから来ているのかもしれませんし、千鶴の桁外れた能力から本来なら目指していた夢を諦めたのかもしれませんしね。この部分だけでもそれなりに話は作れるような気がします。

                    • -

 とまあ、僕が勝手に妄想したイカ娘二期への期待というか願望ですが、あまり一期から変わりすぎると一期のファンが去ってしまう可能性もあるかもしれません。が、「イカちゃん可愛い」を貫き通している限り、そこで大きく批判されることはないでしょう。軽薄なコメディ路線こそがイカ娘一期を支えたのだとは思っていませんから、いい意味で一期のファンを裏切り、かつ知名度が上がり二期序盤から観るであろう新規ファンにもアピールになるような、そんな新しいイカ娘を描いてほしいな、と思っています。

Web拍手送信