日常を守るため非日常と独り戦い続ける少女を描いた「BLOOD-C」

 BLOODシリーズながらCLAMP原作・脚本のオリジナルアニメとなっている今作ですが、2話まで観た感じでは……まだまだこれから感が強いです。色々と仕込んでいる途中って気がしてます。
 割と驚いたのが、OPではチートっぽい強さを見せていた小夜が本編では毎回ギリギリの戦いをしていることです。1話ではまださほど怪我をしていませんでしたが、2話では既にかなりの深手を負っていましたから。
 どういう話になっていくのかはあまり見えてませんが、基本的には日常と非日常がせめぎ合いをするようなお話なんじゃないかと思っています。例えば、学校など「神社の外=日常」で、「神社の中・古きものとの戦い=非日常」なのかなと。あるいは「この世=日常や学校・町」で、「神社の裏の池や森や山=地獄、死者の世界」とか。神社が町外れ、しかも学校からかなり離れた場所にあることも気になりますし、その近くにある喫茶店のマスターも小夜の父親と親交があることを考えると何か重要なことを知っている可能性があります。小夜の母親はその古きものと戦って命を落としたようなのですが、小夜もこの調子では勝ち続けることは出来ないんじゃないかと思ってます。となると小夜が死ぬ……のはたぶんあり得ませんが、小夜が抗しきれず、あるいは仕留められなかった古き者が神社の外に出てしまって、喫茶店の主人とかクラスメイトらを襲撃するような展開になっていくのかな……と。そのために、小夜が守りたいと思っている学校の仲間との時間や町を走る描写を多めに入れているような気がしています。父親や喫茶店のマスターらとのふれあいも多めですよね。戦いの場面に多めに時間を取ってしまうと、どうしてもゆるやかな日常パートが弱くなってしまうがための配分なんだと思います。
 また、そんな小夜の戦いをクラスメイトたちは知らないのもポイントでしょうか。小夜も口外出来ないというかしないようにしている気がしますが(怪我のことを言わないとか、明るく振舞うところとか)、怪我を指摘されたりと小夜が人知れず危険と戦っていることを隠し通そうとしているようにも見えますし、それが徐々に隠しきれなくなっていくような感じにも見えます。町に迫る危機をひとりで封じ込め続けているようなものですから、それをやり切れるのか、バレて友人たちを巻き込んでしまうことになるのか、そんな感じになっていくのではないでしょうか。
 なので、展開が動くまではずっと仕込みでしょうね。まあ面白くはなると思ってますので期待は持ち続けてます。小夜の天然っぽくスタイルがいいのは、今後の戦いやシリアスな展開を想像すると凄く映えそうにも思えますし、精神的に追い詰められていくような展開にもなりそうなので、どれだけタメを作れるかも勝負かもしれません。しかし地蔵はシュールだったぜ水島監督……。ああいうのもまたあればいいですね。和風伝奇ものは好きなので楽しみにしています。

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