京アニはない?〜リトルバスターズ!アニメ化は実現するのか?・2011年夏版

 当ブログで長くワード検索でトップになっている「リトルバスターズ!アニメ化」ですが、無印版(PC全年齢版)が発売されてから既に4年が経過しました。その間にエクスタシーやクドわふたーなどの18禁展開やPSP版などコンシューマ展開もし、またコミカライズも複数で連載が続いています。ですが、未だにアニメ化の話が入ってきていません。
 今までのKey作品がそうだったように、既定路線としてアニメ化があるものと思っていた当時からは若干冷めてきてはいますが、それでもアニメオリジナルだったAngel Beats!も商業的に成功するなどKey作品のアニメ化は商業的には打率10割でもありますから、原作ユーザーが10万人以上いるリトルバスターズ!は非常に魅力的な作品ではないかという認識は変わっていません。でも特に話は出てきていません。以前にも書いたとおり、原作そのものがアニメにしにくい構造をしていることとか、全年齢→18禁展開をしたために18禁作品のイメージがついてしまったことなども原因かと思いますが、あとはそれらに加えてタイミング的なものもあるのかと思います。
 今回は、ではこれからアニメ化されるならどういう形態でアニメ化されるのか、可能性はどうなのかを考えてみたいと思います。

 多くの鍵っ子が既定路線と考えていた京アニこと京都アニメーションでのアニメ化ですが、個人的には更に遠のいた印象を持っています。京アニとしては、現在放送中の「日常」がセールス的に非常に苦しい推移をしていることから、これまで3作品が共にセールス的に好調だったKey作品であるリトバスは魅力的な存在でしょう。ただ、作品の構造的な問題はもちろんあるんですが、それ以上に京アニが企画するわけではないんですよね。基本的には、配給会社が企画してそれを制作会社に持っていくわけで、例えばこれまでのKey作品であればポニーキャニオンがTBSと企画して京アニに持って行って実現したわけです。Key作品の場合、特にTBSが強く働きかけて実現させたという経緯もあったかと思います。なので、TBSやポニーキャニオンがやりたいとならなければまず実現しないわけです。
 TBSとポニーキャニオンの関係性がやや微妙になっています。劇場版けいおん!があるから切れてはいないんですが、昨年は「けいおん!!」や「会長はメイド様!」「アマガミSS」「それでも町は廻っている」などほとんどのクールでTBSアニメ枠をポニーキャニオンが独占していたわけですが、今年は冬の「夢喰いメリー」を最後にTBSでの企画アニメがありません。秋も、「アイドルマスター」が2クールで、「僕は友達が少ない」がMF文庫の原作ということですから、今年は1作品だけという状態になっています。劇場版けいおん!だってテレビの枠でのものではありませんから、非常にTBSとポニーキャニオンとの距離を強く感じます。前述のアニメのうち、「けいおん!!」以外は期待していたほどのセールスが無かったのと、ポニーキャニオン以外の企画アニメで「インフィニット・ストラトス」が大ヒットしたことでより距離が開くような気がしています。昨年の「アマガミSS」と同じくTBSでのギャルゲー原作アニメである「アイドルマスター」がアニプレックス作品というあたりも気になるところです。
 他の配給会社で企画されればいいじゃないか、となりますが、ここで京アニの問題になります。というのも、京アニってTBS&ポニーキャニオン角川書店以外との企画アニメは手がけていないんですよね。京アニに頼みたいけどパイプがないところもたぶんあるはずですが、現時点ではこの2社以外からの企画はやっていません。ということは、いくらTBSがリトバスのアニメをやりたいとなっても、ポニーキャニオンとの関係が薄れてきているのであれば京アニとのパイプが無くなってしまうんですよね。今年TBSアニメを企画したのは、メディアファクトリーキングレコードアニプレックスなのですが、これらと京アニとのパイプがないのだとすれば、TBS&京アニでのリトバスアニメ化はない、と言えると思います。
 別にTBSにこだわる必要はないのでは? となりますが、そうなると角川書店京アニルートとなるんですけど、角川書店企画のアニメは原作の漫画やラノベを売りたいがためのものがほとんどですから、Key作品のアニメ化のためにわざわざ動くとは考えにくいですよね。そもそもKey/VAと角川書店にはさほど関係性は無いでしょうから。そもそもKey作品のアニメ化を強く進めていたのがTBSなわけですし、角川とは関係もないので、京アニとは相当遠くに離れてしまったような気がしています。

TBSアニメフェスタアマガミ二期が正式に発表されたようです。ポニーキャニオンの方が言っていたので関係も薄れてはいないようですね。ただ、このタイミングでアマガミの二期というのはよくわかりませんが。

 では、現時点でのリトバスアニメ化の可能性は潰えたのでしょうか? 個人的にはそうは思ってません。タイミング的にはどんどん厳しくなってますが、京アニでのアニメ化の可能性が低くなっているだけでアニメ作品の原作としての魅力がなくなっているわけではないと思ってます。
 アニプレックス企画でのリトバスアニメ化の可能性が現時点では最も高いと思います。アニプレックスと言えば「Angel Beats!」を企画したところですし、Key作品アニメ化のうま味を知っているところでもあります。Angel Beats!と1曲しか関係していない「Key+Lia Best」をアニプレックスの流通で流しているなどまだまだ関係性が薄れているわけでもなさそうですし、水面下では動いているのではないかと思います。ただ、前述のようにアニプレックス京アニにはパイプがないのでこのタッグは実現不可能ですが、アニプレックスには多くのアニメ制作会社とのパイプがありますし、アニメ化に際して著名なスタッフも集められることから最も有力だと思います。TBSともパイプがありますけど、テレビ局関係なく独自で企画することもできますしね。ただ、アニメ化するのに適した形になるかどうかで二の足を踏んでいる可能性もありそうです。
 メディアファクトリーはどうでしょうか。Keyとのパイプがあったようには思えませんが、可能性がないとは言えない気がしています。それは、TBSとのパイプがあるのと、ギャルゲー原作アニメでの実績が出来たからです。現在も放送中の「シュタインズ・ゲート」ですが、セールス的にも好調ですし、原作ファン的にもまずまず納得の出来みたいですし、原作を知らない自分が観てもかなり楽しめる内容なのでなかなかいいアニメ化だったのではないかと思います。このシュタインズ・ゲートは最初から2クールで枠を確保しているんですよね。リトバスをアニメ化するのであれば、多くの深夜アニメのような1クール企画では何も始まらないまま終わってしまいます。なので2クール必要なわけですが、メディアファクトリーはギャルゲー原作アニメのために2クール確保できるということになりますよね。またシュタインズ・ゲートのアニメの音楽は原作の5pbが手がけていますが、これは京アニのKey作品やAngel Beats!と同じ方式なんですよね。基本的にアニメの音楽は、アニメ制作会社とは別に音楽制作会社がついて、そこが提供してCD等も販売する(キャスティングにも影響する)わけですが、このシュタインズ・ゲートとか今までのKey作品では、そうしたアニメ音楽制作会社なしで原作元が音楽制作しています。要はこういう音楽制作会社が絡まないアニメを企画できるのが今のメディアファクトリー、ということになると、シュタゲ以上に原作ファンがいるリトバスで2匹目を狙うという考えもそれほど飛躍したものではないでしょう。ちなみに、シュタゲを制作しているWhite FoxはKeyの新作ゲームであるRewriteのOPムービーを制作したという間接的な繋がりはあったりします。
 この2社でのリトバスアニメ化の可能性はあると思ってます。むしろ現時点ではこちらルートでの期待度のほうが高いですね。

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 とまあ可能性についてだけ書いてみましたが、原作発売からやや時間が経ち過ぎた感は否めません。ゲーム原作としても、PSP版をアニメと同時に発売できたシュタゲみたいなことが、既にコンシューマ展開も一巡してしまったリトバスではしにくいのもあって、うま味に欠けるきらいはありますね。声優さんもいわゆるエロゲ声優さんなので、シュタゲのような一般のアニメファンでも「おお!」と飛びつくようなキャストではありませんし、アニメファンへの訴求力には欠けてしまいます。キャスト変更とかになると、Key作品のファンは原作主義的な人が多いので大ブーイングでしょうからしにくいでしょうしね。
 ハードルは高いと思いますが、何とか実現して欲しいと思ってます。その前にRewriteがアニメ化されるかもしれませんが……(汗。

【参考】『京アニ+ポニーキャニオンがリトルバスターズ!のアニメ化に踏み切らない理由とは?』(過去記事)

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