話数単位で選ぶ、僕の2011年のアニメ十選

 2011年も終わろうとしてますが、そろそろ今年を振り返りたいのですが時間がありません……。
 ただ色んな方の話数単位での十選を観てると自分もやりたくなってきたのでやりたいと思います。偏りはあるでしょうけどまあそこは個性として観てください。

■冬

(脚本:上江洲誠 絵コンテ:金崎貴臣
 ベストオブ1話を選ぶなら「あの花」がこれかでしたが、あの花はその後の失速ぶりが個人的に凄かったのでこちらを選びました。出だしから強烈。日常モノかと思いきやいきなり轢かれてのゾンビ告白。そしてパンツ。エロ・グロ・カオス・ギャグ・バトル・ラブコメ・変身ヒロイン(?)……とりあえず詰め込むだけ詰め込んじゃえという、この作品が何でもありだということを示すだけではなく、この1話がそれでいて独立した1話として成立しているあたりがとにかく凄かったです。もちろんこの作品もピークは1話だったとは思いますが。いくら視聴を継続するか斬られるかが1話である程度決まるとはいえ、ここまでやるのは正直凄いなあと思いました。

(脚本:虚淵玄 絵コンテ:七嶋典子)
 まどかから選ぶなら、9話か10話か11話だったんですが、個人的にはこの9話を押したいです。9話の何が凄いかって、展開は完全に予想できたんです。杏子が死ぬという結末が。なのにボロボロ泣きましたね。音・映像などの演出の良さと、杏子のともすればカッコつけたようなセリフと、野中藍さんの声で完全にノックアウトでしたよ。いつの間にか杏子が主人公みたいになってるのに自然に受け入れてたのも不思議でした。

■春

(脚本:倉田英之 絵コンテ:出合小都美)
 正直微妙だったアニメ神のみでしたが、個人的にこのちひろの後編は、好きなキャラでもあるのですが凄く良かったと思いました。シリーズで一番じゃないかな? 特に取り柄のない彼女の日常を最低限の演出でとにかくありふれすぎてて退屈な様を描いていたように見えましたし、阿澄佳奈さんの平凡なキャラを演じてる感じの声がたまらなかったです。ちひろは可愛すぎないくらいが可愛いのですが完璧でした。

(脚本:綾奈ゆにこ 絵コンテ:橋本アキラ)
 難解そうなイメージとは裏腹に意外にゆるく観れた電波女でしたが、個人的には女々たんが素晴らしかったと思ってます。特にこの8話は、女々さんのキャラの良さやおばあちゃん孝行ぶりだったり、最後のロケット飛ばすところの演出といい非常に素晴らしかったと思ってます。よくあるラノベ原作アニメではなかなか考えられない、40歳女性がメインでおばあちゃんもあれだけ出てくるのも珍しかったですよね。野中藍さんはこの直前に女子中学生役をやってたとは思えないほど、可愛らしく強くて優しくてちょっと手のかかる大人の女性を見事に演じきっていてその辺も素晴らしいなあと思いました。

(脚本:後藤みどり 絵コンテ:岩崎太郎 作画監督中島千明
 今年一番笑ったんじゃないかと思ってるアザゼルさんからは、5話の泥酔佐隈さん回を押したいと思います。この5話は「よんでますよ、アザゼルさん。」の醍醐味が全て詰まっているんですよね。佐隈さんは泥酔すると性格は変わるしめちゃくちゃ面倒な人になりますし、アザゼル日和見的にコロコロ態度変えるし、モロクさんはテレビでは結局活躍することなく消されるし、小野坂さんと神谷さんによる迫真の泣き演技で強引にほろっとさせられたと思ったらオチが酷かったりとか、だいたいこの1話を観ればどんな作品かが理解できるような気がします。そして、作画監督のクレジットを載せてるのですが、中島千明さんといえばこの後に放送された「ゆるゆり」のキャラデザ・総作画監督なんですよね。泥酔してトイレを蹴る佐隈さんのなめらかな動きとか、酔って上気した佐隈さんの表情の良さだとか、作画のポテンシャルの高さをうかがい知ることが出来る回だったと思いますし、この話そのものが動画工房でほぼ作られたのだと考えると、「ゆるゆり」も期待して良かったんだと今更ながらに思いました。

■夏

  • ゆるゆり 第6話「あーと☆あーたー☆あーちすと」

(脚本:子安秀明 絵コンテ:柳瀬雄之)
 原作ファン目線で観ていて非常に楽しめたアニメゆるゆりでしたが、その中から個人的にはこの6話を押したいと思います。オープニングからあかりお面の京子ですし、アバンではあかりだけ残念変顔ですし、本編でも京子がねんどであかりを作って鼻水をたらされたりとか、とにかくあかりの顔で遊んだ1話だったのではないでしょうか? 萌え系のアニメのヒロインがあんな変顔を何度もさせられるあたりからして凄いんですが、おまけにちなつの恐怖紙芝居もあるなどなかなかぶっ飛んだ回だったのではないでしょうか。ごらく部の部室でのごらく部メンバーだけの話というのは個人的に良かったのですが、こういう回が世間的にもウケてたのも印象的でした。

(脚本:岸本卓 絵コンテ・演出:満仲勧
 Aパートの帰り道での大吉とりん、コウキママたちとの目線の違いを生かしたアングルがまず凄くいいのと、中盤くらいにある大吉がりんの髪をといているシーンでの大吉の力加減が強すぎてりんの身体がめちゃくちゃ揺れてるんだけどりんは何も言わずされるがまま(でも楽しそう)なのが凄く良かったです。絵コンテ・演出の満仲勧さん担当回である7話もそうですが、大人と子どもの目線の違いや角度、アングルを非常に意識したカットが多く、身長差をより実感させてくれていると思います。このアニメがただの子育てアニメじゃないってことを実感し始めた回でもありました。満仲勧さんはイカ娘やアザゼルさんでも良いコンテを切る方ではあるのですが、改めてその意図的な描き方が個人的に凄くいいなあと思いました。

(脚本:幾原邦彦伊神貴世 絵コンテ・演出:山内重保
 個人的にはちょっとついていけない部分もあったピンドラですが、この18話はとにかく痺れました。夢喰いメリーを観ていたのでわかるのですが、他の話よりは幾分シャープになったラインやキャラを見せる角度、部分的なアップ、色合い……とにかくかっこよすぎでした。多蕗もかっこよかったですが、冠葉が最高に良かったですね。声もこのコンテで凄く生きた気がします。脚本は変わらないのにコンテや演出でこれだけ変わるのかというのを実感させられた1話でした。

(脚本:高橋龍也 絵コンテ・演出:伊藤祐毅)
 面白い回とつまらない回の差が激しく個人的にはシリーズとしてあまり評価が出来ないアニマスですが、この生放送回の面白さは際立ってましたね。765プロのアイドルたちが全員活躍していて、アイドルとしての彼女たちがどういう活躍の仕方をしているのかが垣間見えるのと、そんな彼女らを適材適所で配置したらこんなバラエティ番組が出来る、というのを見せてくれたような気がします。なにこれ観たい! と素直に思いましたね。この話だけじゃなく、貴音回や夏合宿回など高橋龍也さん脚本回のアベレージが高いような気がします。高橋龍也さんといえば、僕のような古いギャルゲーマーだと「To Heart」や「痕」を生み出した方という思い入れもありますが、そろそろ氏のメインライターなアニメも観てみたいと思いました。貴音さんのラーメンの食べっぷり良かったなあ。
 

(シナリオ:山田由香 絵コンテ・演出:池端隆史

 とにかく主人公の妹の紅羽のプロレス技のポーズと表情がたまらなかったのです。「にーさーんっ」って言いながらキめるのが……。

■秋

(脚本:花田十輝 絵コンテ:鎌倉由実
 この回はブログでも取り上げましたが、この話限りしか出てこないであろう女の子とメインキャラである双子の片方でもある悠太との偽装恋人回です。この、相手の置かれてる状況を知ってるからこその優しさと、でも不器用なので決して上手くやれているわけではないあたりのもどかしさも良かったですね。何せ甘酸っぱさ満開で泣かされちゃいましたし、このシナリオの流れが上手いなあと思いました。この辺はけいおん!やシュタゲで人間ドラマに定評のある花田先生だからこそ、といえるのかもしれませんね。

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 こんな感じになりました。十選といいながら数が多い気がしますが気にしないでください(削れませんでした)。後半になればなるほどに絵コンテなどの担当者さんに注目して観るようになってるのが変化として面白いなあと思ってます。
 来年はより名前で観るようになってるとは思いますが、ただ初見での衝撃も忘れないようにしたいと思います。

<参考>
「話数単位で選ぶ、2011年TVアニメ10選」参加サイト一覧(新米小僧の見習日記)
話数単位で選べ! 2011年、心に残ったアニメ10選(隠れてていいよ -ちゅんさん)
話数単位で選ぶ、2011年TVアニメ10 karimikarimi選(karimikarimi)

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