「あの夏で待ってる」10話のおっぱい押し付け演出が見せた意味と意図とは

 今期アニメの中でも作画や色彩感的に抜けた存在だと感じるのがオリジナルアニメである「あの夏で待ってる」です。話としては恋愛模様+宇宙人がどうこうという感じでさほど凄いってわけではありませんが、柑菜ちゃんは可愛いしおっぱいは凄いわで毎週楽しんでいます。
 さてそんなあの夏(一般的には夏待ちですかね?)の10話で見せたこのシーンが素晴らしかったので紹介したいと思います。

 この場面は観てわかる通りですが、哲朗が柑菜にフラれた後に美桜が後ろから抱きついたシーンですが、ここの抱きついた美桜のおっぱいが哲朗の背中に押し付けられる「むにゅっ」とかそんな擬音が聞こえてきそうなおっぱい演出に目を奪われたのです。哲朗羨ましいとか美桜のおっぱいが柔らかそうだとか色々と思い浮かぶシーンではありますが、とにかくこのシーンにおけるおっぱい演出の素晴らしさはその見た目だけではなく、ストーリー上の演出としても意味があるのではないかと感じました。そこでこの美桜のおっぱい押し付け演出が語るものとは何か、について観ていきたいと思います。

  • 美桜の最終兵器としての柔らかおっぱい演出と設定

 美桜が哲朗を落とすための最終兵器的な意味合いがあるんじゃないかと思ってます。まず沖縄旅行の時にハプニング的ではありましたが美桜が裸族であることがカミングアウトされてしまいました。ただこの件で哲朗が裸族な美桜を嫌悪しないどころかドン引きすることもなく受け入れたことで、美桜の哲朗へのアタックが始まるわけです。哲朗が柑菜のことを好きなのはもちろん、柑菜が海人のことが好きで哲朗のことを異性としては観ていないことまでたぶんわかっていたことでしょう。なので、沖縄旅行の一件で目があると考えてアタックすることになるのでしょう。その後、旅行から帰ってからの髪切りはまさにその一連の流れにあるかと思ってます。髪を切ることにより、イメージを変えたことで哲朗に観てもらうことができますし、哲朗に雰囲気が変わったことをアピールする狙いもあるのでしょう。それに、ショートにしたことで柑菜に近い属性にもなったと言えるかもしれません。更には裸エプロンという勝負装備で作った手作りのお菓子を食べさせて、お菓子ですが料理アピールと裸族カミングアウトから裸エプロンで料理を作るんじゃないかという想像をさせることもしています。そして、他にもあったかもしれませんが、おっぱい押し付けに繋がるわけです。ここでは完全におっぱいアピールですよね。哲朗が貧乳属性だったらある意味ではダメなんじゃないかとも思うわけですが、それをあの演出で説得力を持たせているんじゃないかと思うわけです。あの柔らかさが伝わる演出なら、男子高校生が傷心の状態であれをやられたとしたら、少し気になってる女の子にコロッと行ってしまうのにも納得してしまうのですが……(僕だけ?。
 また、美桜のおっぱいって同じおっぱい要員のイチカとは違って、ちょっとタレ気味な気がしているんですよね。ライダースーツすら押し返すようなイチカのおっぱいとは違い、極上の柔らかさを持ったのが美桜のおっぱいではないかと思います。日頃から裸族なので家ではブラつけてないはずですし、パンツを忘れるくらいですからブラだって忘れることもあるでしょう。なので余計に少しタレ気味なのだろうとは思うのですが、そのことでよりその柔らかさを表現できているようにも感じるわけです。だからこそこのシーンであれだけおっぱいが変形して身体全体が密着出来るのだろうとも思います。イチカのおっぱいでは反発しそうな気がしますしね。
 なのでこのシーンは、美桜が自分のやれることをやって、更に最終兵器を投入したという感じで観ました。逆に言えば、これで堕ちなければ諦めるくらいの覚悟の押し付けシーンだったと思ってます。

  • 美桜が第二のおっぱいキャラとしての存在感を高めた意味

 あの夏を最初観た時によくわからなかったのが、メインヒロインであるイチカがおっぱいキャラだったのにサブキャラである美桜もおっぱいキャラだったことです。おかげで慎ましいおっぱいな柑菜が引き立ったとは思うのですが、メインヒロインと被りかつ主人公の海人とも距離のあるポジションだったので非常に存在感が薄かったんですよね。ただ裸族カミングアウトや髪切りなどでどんどん印象としては高めて行って、このシーンが来るわけです。自己主張しなかったキャラが色仕掛けで、かつおっぱいキャラとしてはイチカの陰に隠れるような存在だったのが他ヒロインを食うくらいの見せ場で主役やってるわけです。そこまで高めてくれたのがこのシーンだと思うわけです。

  • 哲朗のポジショニングを明確にさせた意味

 哲朗の存在も面白いですよね。この作品、海人とイチカが主役のはずなんですが、当初からキャラ人気としては柑菜が一番だったと思いますし、柑菜に興味を示さない海人ってちょっと……と感じる部分が少しありました。そこは設定ですし出会いが強烈だったことで納得はしているんですが、一方で柑菜に魅力があることも示しておかないと視聴者の受け方とのズレが出てしまう。それを埋めるのが哲朗の存在だったと思ってます。哲朗は特に理由を明かされることもなかったのですが最初から柑菜が好きですし、イチカには対象としては興味もなく、美桜はあまり意識していません。これって割と多くの視聴者のスタンスに近いんじゃないかと思うんですよね。そして最終的には美桜の押しに負ける。それをこのおっぱい押し付けシーンで説得力を持たせたんじゃないかと思うわけです。哲朗がフラれたからって柑菜を諦めて美桜に流れるというのはちょっと軽い気がしないでもないんですが、一方で美桜のこれまでのアピールで美桜への意識は高まっていたはずですし、柑菜が海人のことが好き、だという感情がブレないのもわかってましたし、自分になびかないのも髪をくしゃくしゃした場面での反応が変わっていないことからも理解できていたはずで、半分諦めの境地でもあったと思ってます。そこでおっぱいですよ。そしてそのおっぱいの感触から裸族であることまで思い出したかどうかはわかりませんが、このシーンで美桜がノーブラとかだとすると……さすがに哲朗でなくとも男性視聴者にとっては惹かれる場面にもなったんじゃないかと思うわけです。そんな哲朗のポジションや感情の動きを示したのがこのシーンだった、とも言えると思います。

  • おっぱい演出とストーリーが直結した意味と意図

 これまでに描いたことで、このおっぱい演出がもたらした数々の意味があることはわかっていただけたかと思いますが、同じくおっぱい演出が素晴らしいアニメがありました。それが同じ長井龍雪監督のオリジナルアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」でした。あの作品の2話か3話か4話か忘れましたが、あなるが自室のベッドでごろごろしているシーンに衝撃を受けたのです。上を向いている時には重力のみでやや変形したおっぱいだったのが、うつぶせになると自分の体重とベッドに挟まれてその形が潰れていくんですが、そこの動き方と変形の仕方がまさに「スライム乳」と言わんばかりの素晴らしいおっぱい演出だったわけです。ただ、あなるのおっぱい演出はここだけの意味になってしまい、ストーリー的にはさほどあなるのおっぱいや巨乳設定は生かされてもいなかったように記憶しています。要はおっぱい演出をやりたいだけのシーンになってしまったというわけです。
 あの夏のこのおっぱい演出が誰のアイデアなのかはわかりませんが、これだけ印象的なおっぱいによる演出をストーリー上の演出やキャラ立ちにも利用してきたことは実に素晴らしいと思ってます。長井監督が連続しておっぱいにこだわった作品を作っている意図はわからないんですが、ただ属性として付いているだけじゃなく、シーンの印象をシリーズを通してのものとして意味のあるものにしたのは今回素晴らしかったなあと思ってます。あの夏も今回だけじゃなく、もちろん序盤からずっとおっぱい演出は素晴らしかったからこそ引き立つものがあったという意味でもです。

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 とまあこれだけで色々と考えすぎだろと言われそうですが、そのくらいこの美桜のおっぱい演出は素晴らしかったと思ってます。ただ大きいだけじゃない、エロいだけじゃないおっぱいというのを描いてくれたことで、これから先のアニメに更におっぱいを効果的に使った作品が出てくるのだと思うと楽しみが広がりますね。もはや揺れるだけの、付いてるだけのおっぱいの時代は終わったんじゃないかと思ってます。
 ただちょっと思うのが、勝ち組の女キャラがどちらもおっぱいキャラだということでしょうか。柑菜ちゃんは壮絶な負け方でしたし、檸檬先輩に至っては恋愛関係からは完全に離れた位置にいますから、おっぱいの大きいキャラこそ強キャラになっちゃってる気がしてます。なので次はおっぱいの控えめなキャラの効果的なおっぱいの演出を観てみたい気がしていますがどうでしょうか?

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