「大正野球娘。」から繋がるその後のアニメやキャラクターたち

 先日、お知り合いから「大正野球娘。」を見せていただく機会があって観ましたが凄く楽しかったです。それと、その後にBD/DVD売上もチェックしましたが1000枚前後というかなり苦戦した作品だということも少し意外な気がしました。
<参考>アニメDVD・BD売り上げまとめwikiより大正野球娘。の売上一覧
 さてそんな大正野球娘ですが、観ててふと既視感を覚えたり、見終わってから改めて考えると色んなアニメに繋がっているような気がしてきました。そんなところで気づいた点をいくつか挙げていきたいと思います。

 ポニーキャニオン伊藤かな恵さんが好きなようで、あそびにいくヨ!のエリスだとか現在放送中の織田信奈の野望の信奈など主人公というかメインヒロイン役での起用を積極的に行なっているような気がします。ただあそいくや信奈があくまでメインヒロインなのに対して、「女の子主人公」という位置づけでの起用になっているのが「花咲くいろは」の松前緒花ではないかと思うわけです。
 大正野球娘の小梅とのビジュアル的な繋がりも見逃せません。


 小梅と緒花の共通点と言えば、女の子主人公であること・背が低い・貧乳・和装が基本・花の髪飾り・何かパワーがある……など色々とあるような気がします。ちょっと抜けているところとか、やたらと人にモテるあたり、最後は一番近くにいた男性キャラとくっつくあたりなども似ているような気がします。
 花咲くいろはとは制作会社が違うわけですが、どうにも伊藤かな恵さんを主人公に起用することは固まっていたような印象もあるので、イメージ的には小梅があったような気がするのです。ビジュアル的にもキャラ的にも。制作した人たちが念頭にあったのかどうかはわからないのですが、ラインとしては大正野球娘からの流れで作られたとも言えるのが花咲くいろはだったのではないでしょうか。

 これは単なる主題歌として採用されたかどうかのラインでもありますけどね。
 伊藤かな恵さんのアーティストとしてのデビューが大正野球娘のエンディング「ユメ・ミル・ココロ」だったわけですが、その後の主題歌起用となると同じくポニーキャニオン×ランティスな作品だった侵略!イカ娘の「メタメリズム」まで待たなければならなかったわけです。この間にも声優としては活躍していましたしキャラソン名義であれば歌ってもいましたのでなかなかタイミングが無かっただけなのだろうとは思いますが、満を持してが長月早苗役で起用されたイカ娘ってのもちょっと変ではありますよね。
 そして、女の子主人公として起用されたのがポニキャ作品ではなかったのですが「そふてにっ」でした。そふてにっの場合は非常に伊藤かな恵さんのハマリ役だったと思っているのですが、更にはスポーツものということもありますし大正野球娘と繋がりやすい作品では無かったかと思います(思いっきりギャグアニメでしたけどそう違わないはず!)。「つまさきだち」は彼女の曲でも一番素晴らしい曲じゃないかとも思いますしね。
 どちらの作品も伊藤かな恵さんを起用することを前提にした作品のようにも見えますが、ハマっていたので良かったんじゃないかと思います。

つまさきだち 【通常盤】

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 剛毛おさげというのは重力に負けないようなおさげのことです(勝手に名づけました)。それと赤いフレームのメガネ少女な川島乃枝さんを観ててふと「ほむほむ……!」と声が出てしまいました。その証拠画像を載せておきます。


 まあほむほむというかメガほむですね。乃枝さんのほうは監督というかコーチみたいな存在ですしほむほむとは全く違うキャラではあるんですが、特に画面にドアップになったときの表情とか構図とかが凄くよく似ててビックリしました。まあほむほむが真似したとかそういうことを言いたいわけではなく、まどマギスタッフの誰かが乃枝さん好きだったというか大正野球娘観てたんじゃないか、という風には考えられなくも無いと思います。乃枝さんもこれがオリジナルなのかどうかはわからないわけですが、こういう髪型(厳密にはほむほむのほうが長い)で赤ぶちメガネのキャラってそんなにはいないと思うので、繋がっているんじゃないかなあと思ったりするわけです。

 大正野球娘を制作したのはJ.C.STAFFですが、J.C.STAFFで近代日本を舞台にした作品といえば、この後放送される「おとめ妖怪ざくろ」がありましたよね。大正野球娘は大正時代、ざくろは明治時代とやや時代は異なりますが、どちらも戦前の日本を舞台にしたという意味では共通していると思います。女の子主人公かつ女の子たちが戦うあたりも作品傾向として近いものがあるように感じます。
 J.C.STAFFとしても近代日本の背景やプロップデザインのノウハウを蓄積させたり利用したりするメリットがありそうですし、ざくろアニプレックスなのでアニプレとしてもその辺をJ.C.STAFFに期待していたのかもしれませんね。

 今秋にも始まるCLANNADAIRなどを送り出したKey原作のアニメ、リトルバスターズ!ですが、大正野球娘を見終わった後に色々と考えていたら、割とまんまリトバスじゃね? と思う箇所がたくさんありました。
<以下リトバスのネタバレがあるので注意してください>
 主人公にヒロイン候補みたいなキャラが突然「野球をしよう」と言ってきたり、主人公が捕手でメインヒロイン(女)が投手という部分、そして寄せ集めのチームが運動部のチームと対戦する……あたりは同じなんですよね。性別が違ったりとかメインはそこじゃないとか色々とありますけど、導入部分は凄く似ていると思います。
 ワーナーの川瀬Pはその辺を踏まえてJ.C.STAFFで行こうと決めたのではないかと思うわけです。大正野球娘の野球の部分は凄くしっかり動かしてて、選手の動きやボールの軌道なんかに違和感はありませんでした。女子野球でそこまでの戦術はどうか、とかそういう部分はありましたけど、野球な部分に手抜かりは全くなかったと思います。あの動きならリトバスも期待できるだろうとも思いました。まあリトバスのメインは野球ではありませんが……。

リトルバスターズ!Converted Edition - PSP

リトルバスターズ!Converted Edition - PSP

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 まあ、女の子たちがメインのアニメはこの頃からかなり増えていった感じですしその中の作品の一つではありましたが、1000本ちょっとしか売れず化物語と同じクールの中で埋没してしまったようにも見えるだけに、意外にアニメ業界関係者の中にはファンが多かった作品だったのかなとも思いました。また、伊藤かな恵さんとしてもこの後のクールに放送された「とある科学の超電磁砲」の佐天涙子役でブレイクするわけですがきっかけにはなったんじゃないかとも。
 売れなかったアニメだったとしても、こうやって色々と繋がっていくアニメならただ「失敗」「爆死」の一言では語れないんだろうなと思いました。大正野球娘。面白いので機会があればぜひ御覧ください。