ガールズ&パンツァーでのゲストキャラに有名声優を起用している意図や意味とは?

 ガールズ&パンツァーアメリカチームの声優の豪華さにビックリしました。というか、あんこうチームでも他のアニメで頻繁に見かけるのは茅野愛衣井口裕香くらいですし、主人公のみほ役の渕上舞でもそれほどの知名度はありません。大洗女子の他のメンバーを観てると、中堅どころを揃えている感じの生徒会チームや渋い人選な気がする歴女チーム、女優として活動してたり吹き替えのほうが仕事が多かったりする声優さんなど玉石混交なバレー部チーム、ほとんど新人ばかりを揃えた1年生チーム……などキャッチーさはあまりないような人選な気がします。そんな中で、アメリカチームにはリーダーに川澄綾子さんを、作戦役(?)として平野綾、優秀な狙撃手として伊瀬茉莉也さんを起用するという豪華さですから目立つと思います。
 他にも、イギリスチームのリーダーにはキタエリこと喜多村英梨だったり、主人公の姉とチームメイトが田中理恵さんと生天目仁美さんだとか、教官が椎名へきるだとか、それほど出番の多くないキャラにネームバリューのある声優さんを起用しているような気さえしています。
 こうした、ゲストキャラやサブキャラに有名な声優さんを起用しているガルパンの采配の意味について考えてみようと思います。

  • 短時間でキャラを立てられる声優さんだから

 まず感じたのが、少ない登場時間・回数でキャラの持ち味を出すため、なのではないかと思いました。特に5,6話でのアメリカチームで無線傍受をしてた平野綾のキャラクターが良かったですよね。おそらく今後はほとんど出てこないでしょうけど、この5,6話では色々と大活躍でした。悪巧みをし、しかし逆に悟られてしまって逆襲を受け慌てたり喚いたり、味方が来るとまた強気になったりと、この短い時間の間に色んな面を見せていたと思います。個人的に、声優平野綾は好きですし上手いと思うんですがそれを存分に生かした起用だったのではないかと思いましたし、2012年は声優として深夜アニメに出演したのはリコーダーとランドセルくらいしかなかったという感じでものすごく敬遠されていた感がありました。そうした流れにも逆らっての起用だったような気もして良かったのではないかと思いました。典型的なアメリカ親父?的な豪快さと明るさは川澄綾んに演じてもらうことで出していたように感じました。まあ川澄さんなら何でも出来るといえば出来るんでしょうけど、ここも今後はあまり出て来ないであろうキャラに起用することで印象を強くさせる効果を狙っていたように思いました。
 同じようなことがキタエリをイギリスチームのリーダーに起用したことでも言えると思います。このチームと再び相まみえることがあるのかどうかわかりませんが、彼女を起用した意味はあの格言というかジョークでしょうね。あの、笑えるわけでもないし意味もよくわからないジョークをキタエリボイスで印象的に視聴者に伝えるそのことこそが起用の意図だったのではないかと思います。まあ解説もしてくれるので、そういう役目も担っているんでしょうけどね。

  • 若手声優のレベルアップのため?

 なくはないのですが、深夜アニメにおいて30代以上の中堅やベテランの女性声優さんと20代前半かそれ以下の若手女性声優さんとが共演することはそれほど多くないような気がします。言い換えると共演そのものは多くても、例えばメインキャラは全員若手で中堅以上の声優さんはお姉さんやお母さんキャラというケースはかなり多いと思います。もちろんガルパンでも、教官役として椎名へきるを起用するなどしてはいますのでそういう起用もされてはいるようですが、大半のキャラクターは一緒に戦車道をやっている仲間かあるいはライバル……というか同じ女子高生なんですよね。
 同じチーム内の声優さんは割と近い年齢の人を組み合わせているような感じではあってよりチームとしての一体感を増すように作られているような気がしますが、一方でチームの垣根を超えると全く違う年代だったりキャリアの声優さんがいたりするわけです。アフレコというのは基本的にはキャストが全員揃ってやるものらしいので声優さんの人数が多いガルパンではどんな感じなのか気になるところですが、要は若手声優さんが先輩声優さんの仕事ぶりを間近で見られるわけじゃないですか。しかもお母さん役としての演技ではなく、同じ女子高生役としての演技を、ですから結構貴重なのではないかと思うわけです。学ぶかどうか、レベルアップに繋がるかどうかはわかりませんが、少なくともそういう機会も出来るような現場を作っているのではないかと思っています。
 水島努監督といえばキャッチーさの無いキャスティングが特徴的ですが、若手声優さんを主人公とかメインどころで起用しても、全体として観るとバランス良く配置されていたりもするわけです。個人的には相当声優さんに対する知識は深い監督さんだとも思いますので、そこまで計算されているのではないかなあとか勝手に考えてます。
 監督が若手を起用したがるのかどうかはわからないのですが、金元寿子さんや高森奈津美さん、佐倉綾音さんあたりは監督作品に起用後、レベルアップしたかどうかはわからないまでも仕事が増えているようにも感じますので、事務所側からの推薦も結構あるんじゃないかなと思ってますがどうでしょうか。憶測の域を出ない部分ではありますが……。

  • 中堅・ベテラン声優の活躍の場を設ける意味

 先ほどの項目と被りますが、ある一定以上のキャリアや年齢に達した女性声優さんはお姉さん役とかお母さん役にシフトしてしまい、女子中学生や女子高生キャラを任されることが少なくなります。ただこのガルパンにおいてはそうした中堅以上の声優さんにも同じ女子高生役を複数任せていたりします。演技力的には申し分なく、ただ女子高生役ではあまり見なくなったような人たちを個性的なキャラに起用することで、再び少女の役もいかが? という提案みたいなことを兼ねているのではないかとも思ったりしています。まあ歴女チームとか女子高生設定なのに女子高生には見えなかったりもするんですが(汗。

                                        • -

 まあ他のアニメでも普通にやってることもありますが、特に最初の理由が一番だとは思ってますしその意図はあったと思います。
 次回はロシア(ソ連?)チームが相手ですが、そのチームのキャスティングがどんな感じなのかが楽しみですね(キャスト自体は既に発表されてはいますけども)。

プラッツ 1/35 ガールズ&パンツァー IV号戦車D型 あんこうチームver プラモデル

プラッツ 1/35 ガールズ&パンツァー IV号戦車D型 あんこうチームver プラモデル