レドはパン屋をやればいいと思う〜翠星のガルガンティアとシャイニング・ハーツ〜幸せのパン〜の繋がりと展望
今期3本あるロボットアニメでもロボアニメっぽくないと評判の翠星のガルガンティアが面白いです。個人的に鳴子ハナハルさんのエロ漫画にはお世話になっていることもありますが、そんなハナハルさんらしいデザインのキャラがほとんどそのまんま動いているだけで妙な気分になってしまいます。作画とかキャラデザが素晴らしいだけではなく内容もなかなか面白いですね。
さてそんなガルガンティアなのですが、観ていてふと既視感を感じることがあるのです。虚淵玄氏がシナリオを担当しているから氏の作品が連想される……とかではなく、もっと別の作品を想起させるのです。その作品とは、昨年放送された「シャイニング・ハーツ〜幸せのパン〜」です。何となく想起させるのではネタにはならないのですが、色々と観ていくと繋がりがたくさん出て行くのでそれらを紹介して行きたいと思います。
- 人や枠組みの近さ
まず挙げられるのが制作会社でしょう。ガルガンティアもシャイニング・ハーツも共にProduction I.Gが制作しています。またガルガンティアはオリジナル、シャイニング・ハーツはゲーム原作という違いはありますがガルガンティアのシナリオは元々はエロゲのシナリオライターである虚淵玄氏が書いているということもあってどちらもゲーム畑のアニメという見方も出来るかと思います。それに、原作・キャラクター原案がガルガンティアはエロ漫画家でもある鳴子ハナハル氏で、シャイニング・ハーツはエロゲの原画家としても活躍しているTony氏という具合で共に成人向けの絵描きさんによるキャラクターデザインであるという共通点もあるでしょう。そして両方とも(異論はあるでしょうが)キャラ原案者の絵にできるだけ近づけたキャラデザでアニメにしているという点も見逃せないかと思います。
また、どちらの脚本にも谷村大四郎氏が参加しているのも両者の繋がりを考えさせられる要素となっています。谷村大四郎氏といえば現在も放送中の「よんでますよ、アザゼルさん。」でのシリーズ構成もされてますがProduction I.G作品で主に脚本を書かれているライターさんでもあります。ガルガンティアでは文芸設定とここまでの7話中3話の脚本を、シャイニング・ハーツでは全12話中6話(監督である川崎逸朗氏が担当した以外の回全て)の脚本を描かれていました。その間に担当した作品といえばアザゼルさんと黒子のバスケくらいしかありませんでしたから(アニメミライのわすれなぐももありますけど)、作品として近いのはシャイニング・ハーツとガルガンティアではないかなと思いました。
- 世界観や設定的な近さ
何となくイメージ的に近い気がするのはあったのですが、具体的な共通点みたいなものも見えてくると思います。
まずは主人公。シャイニング・ハーツでは何処かから流れ着きますが、ガルガンティアでは宇宙から落ちてくるような感じでした。ただどちらもメインとなる世界とは別の世界からやってくる「落ちもの主人公」ですし、記憶喪失か否かの違いはあるにしてもその世界の知識が全くないところも同じです。そこで3人の女の子に面倒見てもらうあたりも近いんですよね。主人公に出来る事が戦うことだけだったことも近いような気がします。
世界観的にも近いものがある気がします。シャイニング・ハーツは孤島のようなところで、ガルガンティアは船団というか巨大船なわけですが、どちらも海に囲まれた独立した世界であることに違いはないでしょうし、対外的には船でしかやり取り出来ないあたりもイメージ的に近いように感じます。海賊も出てきますしね。
また、チートなロボットが出てくることでも共通してますよね。ガルガンティアはもちろんチェインバーですが、シャイニング・ハーツにも機械人形が出てくるんですよね。そしてどちらもその世界では圧倒的な力を保持しているという……。
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- +
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このようにかなり多くの共通点や近似点が挙げられる両作品ですし、こうなるとシャイニング・ハーツではあってガルガンティアでは実現していない点がどうなるのかが気になります。
- 川崎逸朗氏による絵コンテ回
Production I.G作品といえば川崎逸朗氏というくらいには近いところにいる両者ですが、ここまでガルガンティアには特に関わり合いが無いのが逆に不自然な気がします。ちなみにシャイニング・ハーツは全話絵コンテというマジキチなことをされていたのですが。
Production I.G作品といえば虚淵氏が関わったPSYCHO-PASSでも川崎逸朗絵コンテ回が要所に入っていたりとそこでの繋がりもあるだけに出番が待たれます。まあここまでのガルガンティアは西村純二氏や岡村天斎氏、山内重保氏などアニメファンが大好きな演出家が並んでいる感じなので、そこに名を連ねるのかどうかという感じでしょうか。
シャイニング・ハーツではOP/EDともに前山田健一氏による曲でした。特にエンディングの「こねこねこねこね」は当時中毒曲として少し流行りましたよね。前山田健一氏とProduction I.Gでいえば黒子のバスケの前期EDがヒャダインでしたね。ガルガンティアでヒャダイン名義の曲が来たら大ブーイングものでしょうが、キャラソンや劇中歌に来る分には無いとは言い切れないでしょう。何せ音楽制作はヒャダインが所属しているランティスなのですから。すんごい曲が来ないかどうか期待しておきます。
- 主人公の職探し
シャイニング・ハーツでは主人公が記憶喪失かつ何をやれば良いのかについて苦悩する場面がそれなりに多くあったと記憶しています。結局のところパンを焼くわけですが。ガルガンティアのレドについても最初は戦うための兵器の一部くらいでしかなく戦い以外は何も知らないようなキャラクターでした。この辺は剣を握ることで戦いの使命を思い出すリックと近いものがあるように思います。そんなレドは船団での居場所や自分のやるべきことを模索しようとしています。
ならばレドもパンを焼けば良いのです。ちょうど慕ってくれる三人娘もいるわけですから。チェインバーをオーブンにしてだとか。
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Production I.Gの中ではシャイニング・ハーツがあって翠星のガルガンティアがあるというか、シャイニング・ハーツを踏まえてガルガンティアを作ったということはあるのではないかと考えています。虚淵氏がそんなことを考えていたとは到底思えませんが、ただかなり近いところで作っているので気になりました。Tonyさんのキャラデザを出来るだけ採用したシャイニング・ハーツの作りを鳴子ハナハル絵を生かすガルガンティアに流用したという考え方はありそうですが。
他にも「休暇アニメ」という共通項もあるようで(本来は戦い続けることが目的の主人公が異世界で戦いをしない日々を送る的なところ)、ガルガンティアをご覧の皆さん、たまにはシャイパンことシャイニング・ハーツを思い出してあげてください。
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