年収安すぎ? SHIROBAKOの新人アニメーター安原絵麻ちゃんの現段階でのスキル(能力)と将来性とは?

 先日、TwitterSHIROBAKOキャラのポジションごとの年収一覧画像みたいなのが出まわってましたね。ちょっと真実味が怪しいところがあったので紹介はしませんが、その中でも恐らくは正しいと思われたのが「新人アニメーターが一番年収が安い」というところでした。

SHIROBAKO4話で半額弁当を買いに行った安原絵麻さんに見る新人アニメーターの懐事情
当ブログの過去記事より。

 4話後にこんな記事を書きましたが、5話で安原さんの四畳半風呂・トイレ無しのボロアパートが出てきましたし、相当生活費を切り詰めていることがわかります。そこから、やはり新人アニメーターだから枚数もこなせないし、そもそも使えるカットを描けるだけのスキルはあるのかどうか……のあたりまで気になってしまいました。要は原画じゃなくて動画なのではないかとか、原画は原画でもラフ原画を描き直すような第二原画くらいなのかとか、その辺がよくわからないのですよね。


※安原さんが住むアパート。築何十年なのか……。

 ただこれまでの話数で出てきた、上のスタッフによる安原さんへの評価というか反応から、彼女のポジションというか現段階でのスキルみたいなものが見えてくるように感じましたので、6話時点ですがまとめていきたいと思います。

  • 安原さんはどのくらいのレベルのアニメーターなのか?

 安原さんがどのくらいの原画マンか、なのかですが、彼女が思うようにカットを上げられないというか枚数をこなせないようなことを4話で言ってたかと思います。実際に、そんなに難しいシーンを任されることもないでしょうし、「原画 安原絵麻」とクレジットはされていましたが、その仕事が一原なのか二原なのか動画なのかもよくわかりませんでした。
 ただ1話で、いきなりえくそだすっ!3話の最重要カットを落としそうになり代わりの原画マンの名前をデスクの本田さんが挙げていったところで、「安原さんとか」と言ってるんですよね。

 演出の円さんに「新人原画にはまだ無理だろう。勝負カットだぞ?」と一蹴されてしまいます。まあ当たり前ですよね。とはいえ、作品に関わるスタッフの力量をある程度把握してるデスクから「安原さん」と名前が挙がるってことは、出来る能力があるかどうかはともかくとして、少なくとも二原や動画要員ではなくちゃんと原画を上げていることを示唆しているのではないでしょうか。演出の円さんも「新人原画だからまだ無理」という言い方をしているように、難しいシーンだからそこを描くスキルはまだないかもしれないけどそうじゃないシーンなら上げられる、という感じで観ているようにも思えます。
 次に3話のゴスロリ様こと小笠原さんに井口さんが徹夜で上げた原画をチェックしてもらうシーンです。ゴスロリ様の作監作業をこっそりと覗き見しようとしてた安原さんを、「安原絵麻さん」「ご覧になりたいのならお近くでどうぞ」と声をかけてくれます。

 こそこそされるのが気になるから……かとも思いましたが、そもそも新人原画マンの名前を社内のトップアニメーターがフルネームで覚えていて、かつ作監作業を近くで観ても良いと言ってくれているわけです。これが二原や動画の新人スタッフであれば見せる意味もあるのかどうかですし、ましてや作監というか総作監の作業ですから。原画マンであっても自分の実作業のスキルアップとはほとんど関係ないはずです。なのに見せている、あるいは安原さんの言葉にもならない驚きの声というか音に反応して、作監修正が輪郭線のわずかな修正のみで終わったことの理由を説明してくれてもいます。



ほとんど声にもなってない安原さんに反応するゴスロリ様。面倒見の良い先輩ではもちろんあると思うけど。。

 推測ですが、ゴスロリ様的にはこの新人アニメーターが結構有望株に見えているのではないか、と思います。新人に仕事ぶりを見せるのは先輩の仕事、といえばそれまでなのですが、それでも総作監の作業にもなると一生縁のないアニメーターさんもたくさんいるかと思いますが、そんな仕事を新人に近くで観ていいと言っているわけです。なので、現時点でゴスロリ様は安原さんを高く買っていて、あるいは将来性があると見込んでいるのかもしれません。仕事ぶりが褒められているわけではないのですが、普通の新人に対する接し方ではないようには見えるのですがどうでしょうか。

  • 高校時代に既にこれだけやれていた安原さん

 SHIROBAKOのメインキャラ5人は高校時代にアニメーション同好会でオリジナルアニメを制作していました。


 DVDパッケージにして残してるんですね。


萌え絵からはかなり遠い感じですが、結構動いてますね。

 で、作画作業してる様子がありますが、一応3人で作画しているようですね。


高校時代(アマチュア)の貴重な安原絵麻原画……となるかどうか。

 ただ結局は絵心のある安原さんが1人で頑張ることになっていくようです。

 動画とかどうしたのかわからないんですが、結果的にはほとんどの原画と作監修正的な作業を彼女1人がやったことになるのだろうと思います。絵心的に考えると、キャラデザも安原さんがやったのではないかなと。学園祭まで間に合わない的な発言もあったことを考えると、結構な作業量を短期間にやらないといけなくなったような光景が目に浮かびますが、こうした修羅場経験と作りきった経験が後々仕事に活かされているようにも感じるわけです。
 彼女のセリフから、両親を説得して1年だけ仕送りしてもらえるようになった、というのがあったわけですが、高校卒業後すぐに上京してムサニに受かり、動画から2年でようやく原画にステップアップした(だから新人原画と呼ばれている)ということなのでしょう。早いのかどうかわかりませんが、ちゃんと原画が出来るまでには腕を上げたのだろうと思いますし、短期間で這い上がったとも言えるのだろうと思いますが、下地は高校時代にある程度出来ていたのかもしれません。 

  • 安原さんは貧乏なのか?

 彼女が本当にお金に困っているのかどうかですが、4話で「痩せた?」「やつれただけだよ」という会話からも食べるものにも困っているのか? と勘ぐってしまいます。半額弁当もそうです。が、本当にお金に困っているのでしょうか?
 四畳半風呂・トイレ無しのボロアパート住まいは、彼女が稼げないと言われているアニメーターという職業をしっかり下調べしていたからこそ、出来るだけ安い物件をと探してきたところでしょう。そして半額弁当とか中古感漂う家具ですが、これもどちらかと言えば「倹約」の側面が大きいように感じます。と言うか、この前書いた記事でも触れましたが、あおいがたびたび安原さんの部屋でご飯食べてる様子がうかがえるわけです。

SHIROBAKO 5話のオムライスに観る、みゃーもりことあおいと絵麻の友達以上の深い関係性
当ブログの過去記事より。

 となると、そこまでお金に困っているわけではない……のかなと思うわけです。少なくとも半額とは言え弁当や、友達が来ても食べさせられるようなまともなものを毎日食べている、わけですから。本当に困窮するとパンの耳とかそういうものに走るという話も聴いたりしますが、そんなことは無いわけですから、切り詰めてはいるもののお金に困っているほどではないのだろうと考えています。友達と遊ぶお金も捻出出来ているわけですからね。

  • 安原さんの「上昇志向」

 今回色々と彼女のことを調べていると、面白いことに気づきました。SHIROBAKOのキャラクターって、例えば演出の円さん(メガネの人)は声優さんのオーディションなんて面倒でやりたくないみたいなことを言ってたり、おっぱい作監こと瀬川さんなんかも「私も遠藤くんも30年これやっていかないと」って言ってたりと、今のポジションにそれなりに満足してるというか今より上に行こうという上昇志向が感じられないんですよね。その中では、この安原さんの上昇志向は結構見逃せないなあと思ってます。
 先ほど紹介したゴスロリ様による作監修正を覗き見しようとしたところですが、安原さん側からすると自分よりも上の立場の人の仕事がどんなかを観れるチャンス、でもあったのだろうと思います。なのでこっそりでも見たかったのかなとも思いますし、もしかしたら自分が将来やることになるかもしれない仕事、と考えると、彼女が上を目指していることが窺い知れるのではないでしょうか。
 そういえば4話の女子会のところでも、「なにわアニメーションの堀内さん」に憧れるというか目標みたいな話をしていたかと思います。が、実際に原画マンになって、それでもなお目標とする人物を挙げるってのは珍しいことではないのかもしれませんが、日々の仕事に忙殺されていくだけではなく、彼女はしっかりと目指すべき目標があるということを示しているように感じます。ちなみに「なにわアニメーションの堀内さん」のモデルは「京都アニメーション堀口悠紀子さん」ってことですから、割と若くしてその繊細な芝居で名を上げて一世を風靡したアニメーターさんが目標という、志は高いですけど野望みたいなものも垣間見えるようにも感じます。堀口悠紀子さんといえばもちろん原画家としても素晴らしい仕事をされてるわけですが、総作監やキャラデザでも人気の方なわけです。安原さんがそこまで考えているのかはわからないですが、キャラデザまでやれるような原画家を目指しているのだとするとかなり上昇志向の高い子なんだなあと思うわけです。

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 最後のは余分だったかもしれませんが、安原絵麻ちゃんは結構やる子なんだろうと思います。手が遅いとか自分の仕事に納得がいかないなどの発言は、自己評価であり他社の評価ではないですしその上昇志向ゆえの感じ方なのだろうと思います。
 恐らくですが、彼女が重要なシーンを任されるような回が今後出てくるんじゃないかとも考えていますが、その時の仕事ぶりが楽しみになってきました。

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