SHIROBAKO作中で作られる「第三飛行少女隊」のモデルが「艦これ」なのではないかという妄想

 「艦これ」原作はやってませんがアニメは1話観て、なかなか大変なアニメだなあと思いました。最低限クリアしてないといけないラインが想像以上に高く、その先で面白いアニメにしていかないと駄目となると正直大変な案件なんじゃないかと思いながら観てました。
 そんな艦これアニメですが、ふと似ているなと思うものがありました。それが、SHIROBAKO作中でムサニが作ろうとしている「第三飛行少女隊」です。戦闘機と軍艦(だけじゃないでしょうけど)、ゲーム原作と漫画原作(設定上は)という違いはあるようですが、どちらもミリタリ×女の子という大枠というのが同じです。さらに言えば第三飛行少女隊が連載されているのは「月刊トップス」という雑誌ですが……モデルは「月刊(少年)エース」なのかなあと思ったりします。となると、「夜鷹書房」は「角川書店」ということにもなりそうですが……。そして思い出すのが、恐らくは「庵野秀明」さんがモデルになっているであろう「菅野光明」という人物との繋がりです。これ、角川の少年エースの偉いさんであれば、エヴァンゲリオンの監督をやっていた庵野秀明さんとのパイプは当然あるわけですよね。となるとやはり夜鷹書房は角川なのかなとも思いますし、第三飛行少女隊と艦これが割と近い存在なのではないかとも思うわけです。
 妄想を深めていきます。そもそも、艦これアニメってほぼ間違いなく水島努監督のところへ話が行ってると思うんですよね。ミリタリーと美少女もののアニメで大ヒットを飛ばしたと言えば「ガールズ&パンツァー」を思い出しますし、艦これのアニメ化が発表されたのもガルパンのアニメが放送された後のタイミングでした。そもそも艦これが流行りだしたのとガルパンが放送されていた時期も近かったですし、ガルパンのヒットとの相乗効果で艦これユーザーが爆発的に増えたという話も当時ありましたから、結びつけて考える向きもあったんじゃないかと思うわけです。しかも艦これは角川が原作で制作がディオメディアということで、「Another」や「侵略!イカ娘」でどちらとも繋がりのある水島努監督というのは第一候補として挙がったのではないかとも思うわけです。もちろん、そこから「ウィッチクラフトワークス」と「SHIROBAKO」、ガルパン劇場版と予定はぎっしり埋まっていてOK出来るわけもなかったのですが、声くらいはかけているでしょうし、やりたくなくて断ったわけでもないとも思ってます。問題はスケジュールだったのではないかと思います。
 第三飛行少女隊と艦これが近そうなのが、企画からアニメのOAまでの納期の短さです。第三飛行少女隊のほうは1月頭に決まって10月スタート予定とありましたが、あれは夜鷹書房のほうが「10月にアニメの放送開始出来るならムサニでやる」という半ば無茶ぶりをナベPが「ぜひ!」と受けたのだろうと観ています。要は他のアニメ制作会社では10月スタートとかちょっと無理、と尻込みしてしまうところをスケジュール的に無茶を承知で受けた、というシチュエーションを想像しています。ムサニは7年ぶりの元請け作品の「えくそだすっ!」を一応は成功させたわけですが、それに続くアニメを受注できていない状況で、早めに次の仕事がほしいところでかつ、アニメ化に成功すれば大いに名前が上がるチャンスでもあるわけです。なので無茶は承知で引き受けたのだろうと思っています。ただ気になるのは、ムサニがえくそだすっ!最終話で描いていた飛行機描写です。

 Twitterで「SHIROBAKO12話の飛行機作画がしょぼい」、って言われてるのと、そのツイートを指して「あの飛行機描写は、メインが馬のシーンだから飛行機はしょぼくても大丈夫なんだ」というツイートを観ましたが、どちらも合っていると思うんですが個人的には前者が気になったわけです。ムサニには馬とか動物の作画であれば、杉江さんというレジェンド的なアニメーターがいるけど、飛行機とかになると描ける人材がいないということを示しているのかな、と思ったわけです。つまりは、木下誠一監督には得意な分野であっても、ムサニには少々荷が重い原作なのではないか? という感じです。色んな要素がムサニには重すぎる上に、準備期間不足が響きそうな気がするのが第三飛行少女隊のアニメ化なのかなあと観ています。
 艦これのアニメでも似たようなことが言えそうな気がするんですよね。ディオメディアのこれまでの作品を観ても、ここまでミリタリ的な要素が強いアニメをやってるわけではないですし、カロリーの高いアニメもそれほど手がけていないようにも思ってます。どちらかと言えばイカ娘や「ぎんぎつね」みたいな地味目でじっくりとしたアニメのほうが向いている制作会社なのかなとも観ています。なので艦これに挑戦するのはちょっと背伸びしすぎな挑戦ですし、取引先としてはパイプも太く大きな角川案件ですし、短納期とか言ってられませんから突っ込まざるを得ないし……という状況が少しムサニと似ているのかなと思いました。まあディオメディアは今期元請けアニメが4本くらいあるらしいのですけど、艦これはそこに無理やりねじ込んだ感もすごくするわけで、そういうギリギリさもムサニの現状と近いものがあるのかなあと思っています。
 なのでSHIROBAKO2クール目は、もしああいう短納期で艦これみたいな企画が決まったら、というifストーリーがメインで描かれるのかなあと想像しています。破綻を描くとは思えないので、1期で仕込んだ色んな人脈を駆使して何とか1話放送まで持っていくのでしょう。とはいえ、今のところ色んな部分が破たん寸前にも見えるので、どうなっていくのかがとても気になっています。と同時に、艦これアニメも完走出来るのかどうか、大変気になりながら過ごす今期となりそうな気がしています。