村上ファンドVSライブドア元役員

　ネタとしては古くなった感がありますが、村上ファンドの村上世彰氏が逮捕され、その手口や手法が色々と暴かれてきました。
　驚きだったのが、ライブドアによるニッポン放送株買い占めは、村上氏に持ちかけられてやったものらしいと言うことです。時間外取引と言う法の抜け道を指南したのも村上氏だったとか。インサイダー取引の釈明会見であった「聞いちゃったんですよ」は真っ赤な嘘だったことになります。
　何故そんな話をライブドア側に持ちかけたのか？　これも理由があって、要は自分もニッポン放送株を買って、ライブドアによる買収で株価を高騰させて、自分は高値圏に入ったときにニッポン放送株を売り抜けて、自ファンドに巨額の利益を入れた、と言うことのようです。実際に村上ファンドは、ライブドアによるニッポン放送買収劇がスタートするまでに大量の株を取得していて、フジVSライブドアによる攻防の最中に、フジテレビ側に自分の持つニッポン放送株を買わせた、と言う情報もあるくらいです。
　そして、この話が何故明るみに出たか？ですが、これは、ライブドアの宮内亮二被告（元取締役）らが自白（提供）した話だそうです。いわゆる「司法取引」みたいですね。自身の罪を軽くしてもらう代わりに、情報提供をするという。村上氏も「宮内から聞いたんだが」と言われれば、認めるしか無かったのかもしれませんね。
　宮内氏にとっては、ライブドア側から、村上ファンドへの報復、と言う向きもあると思います。ライブドアは元々、村上ファンドと共同でニッポン放送を買収しようとしていたようです。が、突如村上ファンドは買収合戦から手を引くばかりか、敵のフジテレビ側に株を売ってしまいます。その結果、ライブドアは途中で引き下がることが出来ず、闇雲なニッポン放送株買収を続けるしかありませんでした。結果的に、フジテレビ側からの申し出で決着はしましたが、フジテレビの買収と言う目標は達成されなかったばかりか、このときの資金調達で相当無理したことが、更なる粉飾決算などへ繋がったようですね。ライブドア崩壊の責任は、村上氏にあった、と言うことにもなりそうです。

　村上ファンドは風前の灯で、消えようとしています。そんなファンドに、現日銀総裁が出資していたことも明るみに出ました。日本の証券・金融部門は政財ともに腐っていると思います。それに、小泉政権による悪政が、徐々に炙り出されてきた感もあり、これからの捜査の進展にも要注目です。