「夜明け前より瑠璃色な」フィーナ・ファム・アーシュライト クリア

 ようやく1人クリアしました。プレイ時間は7時間50分…。抜けていた50分を除いても7時間。長すぎです。
 まあ、共通ルートのキャラ紹介やら、置かれている状況説明の描写が長すぎましたね…。特にフィーナの「月の王女様」であることへの説明や、主人公と結ばれるまでの壁とかの描写がとにかくしつこくてしつこくて…。くっ付いては離れて、今度こそ大丈夫だろう?と思ったらまた障害が出来て…。明確な終わりの姿がなかなか見えず、かなりヤキモキしました。要は、エンディングを見せたいのであれば、もっと無駄な部分を削ぎ落とせて、短く出来たと思うんですが…。
 メインヒロインである(はずの)フィーナは、結構魅力はありました。が、ちょっと欲張りすぎてるかな?と言う感じもしました。完璧さと可愛らしさとモロさと、色々な面を見せてはくれるのですが、色んな要素を詰め込み過ぎていて、1点に集中することが出来なかったなあ、と。
 また、主人公のヘタレさが目に付いてしまいました。これは痛い。要は、鍵っ子なんで鍵の主人公が僕の中の理想にあるわけです。つまり、ヘタレな部分もありつつも、格好良い部分が良い所で目立つ、そんな都合のよいところが好きなわけです。が、このゲームの主人公はそれが無いんですよね…。気持ちにブレがすぐに出たり、逆上してみたり…。まあ人間臭いので間違っていないのですが、ちょっと気になりましたね。
 また、シナリオライターの技量の低さも目に付きました。比喩表現など、文章力が足りませんね。一杯比喩を使っているのですが、それがあまりイメージできないと言うか、効果的ではなかったです。それよりも、何度も同じことを比喩して使っているあたりの、センスの無さが気になりました。くどいんですよね。
 ここまでは酷評でした。が、ヒロイン視点の描き方がかなり良かったり、フィーナルートに入ってからの話はなかなか良かったです。フィーナ自身の苦悩とかも良かったですしね。砂利混じりのサンドイッチを食べるシーンなどは、ちょっとジーンと来ましたし。部分部分は非常に良かったですし、文章力の足りない面をキャラ描写で補っている気もしました。
 ただ、このフィーナシナリオは、フィーナではなく、カレンさんの独壇場だったような…。カレンさん格好良過ぎ! この人の行動は、どれも全く主人公たちを陥れるものじゃないんですよね。むしろ、こうこの2人の可能性に期待して、チャンスを与えるものだったり…。特に、水族館イベントの後の、フィーナを叱咤した時のカレンさんには、笑ってしまうくらいに格好良かったですw その後の、主人公を試したり、決闘をさせようとしたりした場面なども、むしろ愛情と言うか、この人の凄さを感じさせられたくらいですからね。
 まあでも、障害の多さを感じさせたかったフィーナシナリオよりも、他のキャラのシナリオの方が、よりラブラブに書かれているのかなあ?と思うと、他のキャラが楽しみですね。今のところなら、幼なじみだけど耐える菜月なんかが楽しみかも。属性的には、リースとか麻衣かなあ…。
 魅力も感じるゲームではありますが、万人に勧めるゲームでは無さそうだなあ?と言うのが、今の印象です。