快速夜行列車消滅で、主要交通手段から青春18きっぷが離れる日

http://netallica.yahoo.co.jp/news/58997
 来春にも、ムーンライト越後が廃止の方向らしいです。そしてムーンライトながらの定期運行も…。夜行特急(ブルートレイン)が廃止される流れに続き、夜行快速にもその流れが及んでいるようです。
 この夜行快速って、青春18きっぷでの旅行には欠かせないものなんですよね。例えば、臨時ですが博多〜京都にはムーンライト九州が、四国〜関西にはムーンライト高知・松山がありました。かつてはムーンライト高知も毎日運転していた気がするんですけどね。そして、廃止されてしまいましたが、出雲〜京都にムーンライト八重垣、広島〜京都にムーンライト山陽…etc。札幌〜函館にあったミッドナイトという列車もありましたね。青春18きっぷでは、全車両がグリーン車指定席の快速には乗れないんですが、普通車指定席であれば指定席券を買えば乗れますので、これらの列車は18きっぷ旅行者にとっては欠かせない手段だったのです。
 かつての18きっぷ旅行者ってのは、学生だったり流浪の旅行者だったりと、とにかく金は無く時間はある、時間は使っても金は節約したい、って層が中心で買っていたと思うんです。が、今の青春18きっぷの主要な層は、中高年層へと移りつつあるようです。そしてその流れが、快速夜行列車の消滅と無関係では無いと思うんです。と言うのも、中高年層はお金はあるわけですからね。時間も。ですから、時短+お金も安く済むけれど、身体的にはキツイ夜行快速列車の存在意義はかなり薄れるはずです。
 そしてメインの利用者であったはずの、大学生らお金を持たない旅行者の需要も、今の夜行快速列車では満たせていません。
 
 ぶっちゃけて言えば、新幹線の高速化…ではもちろん無くて、格安夜行バスの充実です。一時は原油高で危ぶまれましたが、価格優位性は夜行快速列車よりも上です。格安系の夜行バスでは、繁忙期には運賃を上げているケースが多く、年末年始などは5000円を超えるところがほとんどだったんですが、今年末の運賃を見ると、4000円を切るところもあるようです。
 夜行快速列車の場合、例えば関西〜東京で見ると、18きっぷを使っても2300円×2日分+指定席代ってことで、5000円を超えるんですよね。夜行バスの運賃が5000円を超える場合には有利ですが、現状では不利です。それに、指定席が取りにくいというイメージ(僕がよく利用していた8年位前には、指定席発売日の数日前から予約して、それでも取れるかどうかがわからないという状況だったので)も残っているのかもしれません。
 それに加えて、ムーンライトながらの到着時刻変更(東京駅着が遅くなって、京葉線の始発時刻に間に合わなくなった)や、関西に帰る時の遅さ(臨時ながらは早いけど、通常のながらは豊橋で1時間近く停車〜大垣まで各駅停車で、大阪には9時半くらいにしか着かない→これは以前から)、臨時ながらの運行日の減少(08-09なら、大垣発は12月31日-1月4日の運転にとどまる=コミケには全く利用できない)もあり、どんどん利用しにくい要素が増えましたし、夜行バスの優位性が高まるばかりになってきました。
 そうなれば、青春18きっぷコミケ遠征などで利用する人が減少するのは間違いないところですよね。夜行列車が利用しにくいのであれば、昼行列車を利用するしかありません。まあ昼行の高速バスはほとんどありませんから、ここでは列車のほうが優位ではあります。が、めちゃくちゃ時間がかかるんですよね…。京都〜東京だと9時間以上かかるわけで。東京を15時前後に出発して京都には午前1時くらいとかそんな感じです。昼行の列車には直通便があるわけじゃないので、京都〜東京なら、最低でも、米原豊橋・静岡・熱海と4ヶ所の乗換えが発生するわけで。しかも京都〜米原と岐阜〜豊橋くらいしか新快速はありませんので、他の区間はほぼ鈍行。スピードや快適さもあまりありません。
 それでも、昼行ならば1日分でいけるところまで行けるので、片道2300円分、往復でも4600円分と格安です。が、東京に前日入りしなければなりませんし、コミケ当日に帰ろうと思うと、京都や大阪までなら14時くらいまでに東海道線に乗れるようにしなければ間に合いません。日程的にはキツいんですよね。僕は学生時代にはよくやってましたけど、東京発京都までの終電(汗)となると、熱海〜米原までずっと同じようなコミケ客が座席に座り続ける=熱海から座れないようだとずっと立ちっぱなし、と言う悲劇も味わいます。が、途中駅で接続待ちとかがある場合は、その駅の駅そばを食べたりという楽しみもあったりするので、それはそれで楽しいんですけどね。あの頃が一番楽しかった…と今でも思いますしw
 話が逸れましたが、18きっぷ旅行者にとって利用しやすかった夜行快速列車の縮小・廃止は、ますますの列車離れを生むんじゃないかと思うわけです。それを食い止めるには、もっと細かいニーズに合わせた列車の運行をお願いしたいところなんですけどね。
 ちなみに言えば、青春18きっぷの利用期間外にムーンライトながらを利用すると、京都〜東京の場合は8000円以上かかります。そりゃあ誰も利用しませんわ。もちろん、高速バスがカバーしていない駅から、東京とかではなく小田原とかへの利用なら話は別でしょうが、そんな利用者はほとんどいないでしょうからね。18きっぷの利用期間をもう少し拡大するとか、あるいは夜行快速列車の運行日を18きっぷ利用期間やコミケ開催期間に合わせるとか、何かもっと良い方法があるんじゃないかって思います。
 僕は今は夜行高速バス→新幹線というヘタレ旅行者ですが、また時間さえ許せば、18きっぷで旅行したいなあって思ってますので、どうか廃止だけはしないでいただきたいです。