東名高速復旧工事は自民党さまさまなのか?

 東名高速地震で路肩が崩壊し通行止めになってますが、下りは今日中に、上りも13日の午後には復旧するとの見通しになりました。突貫とは言え早い対応で、お盆中はほぼ絶望的かと思いましたが何とかなりそうです。
 この工事、もちろん民主党政権だったら難しかったかと思います。高速道路無料化によって道路工事に対する予算が大幅に減らされているでしょうからね。高速道路工事を受注している業者数も少なくなっていて、瞬時に動けるところもほとんど無かったでしょう。その意味では、道路に大幅にお金を使えている今の自民党政権のなせる業だったと言えると思います。
 しかしながら、踏み込んで見てみると手放しでは喜べない事情もあるようです。それは、この復旧工事の業者が何処から回ってきたか?ということです。
 この復旧工事は、第二東名高速建設のものを回してきたらしいですね。全部が全部では無いでしょうが、要は別の道路を建設していたわけです。これはどうでしょうか?
 もちろん、大動脈である東名高速の第二ルートを建設することに意義が無いわけではありません。しかし一方で、従来の道路が住宅の倒壊すらほとんど無かったような地震でズタズタになってしまったわけです。
 ん? 新しい道路を作る前に、旧来の道路の整備の方が先じゃないですか?
 高速道路の耐震性って、高架橋の部分はかなり補強されたと思うんですよね。阪神淡路大震災後に各地で補強工事をしましたし、少なくとも倒壊する危険性は無いと思うんです。ただ今回の場合、崩れたのは築堤のような、要は盛り土みたいなものです。そういう部分が、雨が多かったことを含めても、崩壊の危険性を予見して補修していくことのほうが、より建設的でより安上がりでしょう、ということです。
 自民党道路建設は、ほとんどが「新しい道路の建設」に重きが置かれてます。そりゃあお金がたくさん落ちますからね。もちろん、建設から相当年月が経っているので、そもそも補修で何とかなる部分ばかりではないのかもしれません。が、静岡県内は新道を建設しなければならないほど、渋滞が激しい場所ではないはずです。
 何が言いたいかと言えば、確かに自民党道路建設方針のおかげで、東名は早く補修できそうですが、それに伴う予算は膨大に要るわけですし、痛し痒しと言ったところじゃないでしょうか? まあ高速無料化は、色んな意味で論外なので語りませんけども、1000円も中途半端で良くないとは思ってます。
 あと、国交相ですか? 昨日の時点で「東名は明日0時から再開」なんて甘い見通しを早々に語るべきじゃないでしょう。あくまで下りだけ間に合ったに過ぎないわけで。高速1000円の政策の手前もあるし、ハッパをかける意味合いもあったんでしょうけどねえ。上りは明後日0時からに修正されたようで。工事関係者の皆さんは安全に気をつけて頑張ってほしいです。

※追記
 上りは開通しましたが、下りはまだ復旧工事に着手すら出来ていないとか…。明日0時開通は望むべくも無いみたいですね。地盤が脆弱すぎて、工事そのものの方法を見直さないといけない感じらしく(「とくダネ!」より)。まあ、仮復旧とはいえ崩落の危険性があるのなら絶対駄目ですから、安易な見通しを語るよりは、良い迂回路を周知して渋滞の分散を図るほうが賢いかもしれませんね。お盆中の復旧は…難しいかもしれませんので。