ライブドア恐慌

 ライブドアへの強制捜査の影響が、東京証券取引所にてモロに出てしまいました。午前の段階から個人投資家と見られる売り(でしょう)注文が殺到して、東証のシステムの取引数の上限に迫る勢いになったので、午後からの取引を中止してしまいました。それでも売り注文は大多数を占め、米同時多発テロ時以上の下げ幅を全体で記録してしまいました。ただ1社の不祥事発覚だと言うのに…です。株価はこのところ上昇していただけに、大きく水を差された格好になりました。
 でもよく考えると、ライブドアは株価に依存した会社で、株価が下がれば=拡大路線を続けられなくなる=会社が拡大しなくなる=株価下落で損失すら出る=会社が潰れる…と言う悪循環に陥りそうなんですが、他の多くの会社は、そのような不安定な経営をしていません。ので、ここで一旦株価が下がっても、それまで伸びていた企業なら必ず再浮上してきます。ですから、この大暴落は、利益を確定しておきたい個人投資家の過剰な行動が、銀行の取り付け騒ぎのようになってしまっただけ、といえます。中には、日々の株価の上下が生活に直結している人すらいるでしょうからね…。
 ただ、ライブドアに関しては、もう終わりと言えるかもしれません。今後の操作次第では、上場廃止もウワサされています。もしそうなれば、株価の時価総額を資産として経営してきた、これまでの手法は全く使えなくなります。それに、もう誰もそんな会社の株を買おうとは思わないでしょう。そもそも、それほど柱となる事業のある会社ではありませんし、阪神電鉄みたいに、資産に含み益を抱えているわけでもありません。堀江貴文社長のイメージも落ちます。
 しかし今さらながら、プロ野球の新規参入のとき、ライブドアではなく楽天を選んでおいてよかったですねw プロ野球機構は良い決断だったと思います(^-^; もっとも、楽天もどうなるかわかりませんけど…。


 それにしても、東証は災難続きですね。少し前にはシステム障害で取引を停止しましたし、今回も1企業の不祥事が発端で取引停止。証券取引所としての信用を失いつつあるという話もあります。
 そもそも、今回のライブドアショックでも、本来なら取引停止なんてことはしなくてもいいはずなんです。別にライブドアの株価がいくら下がろうとも、ライブドア株に関係の無い企業や投資家には関係の無い話ですしね。この問題は、少し前にあった東証のシステム不安に起因する問題なのです。
 東証の取引システムを構築しているのは、富士通です。その富士通のプログラムミスで、前回の東証名古屋証券取引所名証)のシステムが停止してしまいました。
 今回の問題も、株の取引数が極端に大きくなると、システムが停止してしまうと言うことが問題なわけですが、これは富士通のシステムが、取引数が増えた場合に対応できないような、極めて脆弱なシステムだったことがそもそもの原因です。東証も、そんなシステムしか作れない富士通みたいな会社に、国家の根幹システムを任せきりにした、と言う責任は確かにあるんですが、明らかに富士通に責任があります。
 富士通は、誤った「成果主義」とか言うシステムの導入により、社内やグループ企業を含めて内部が腐敗しました。その結果、SEなどの現場の人たちは、毎日2,3時間は当たり前…酷いときは月100時間前後のサービス残業を課せられ、そんな中で大切なシステムの構築や保守をやっているのです。そりゃ、色々と不備は出ますよね。企業として、完全に腐っていると思います。
 表向きは、業績が回復したと言っているみたいですが、どう考えても残しておく必要は全く無い会社です。まあどこも同じと言えばそれまでかもしれませんが、これだけ日本の根幹を揺るがす問題を起こしている会社は、無くなった方が良いような気がします。そうして有能な人間が、別の会社に移って活躍すれば、日本としてもいい方向に向かうように思うのですが…。