ガソリン高騰

 最近、ガソリンの値段が高いですね。まあ僕は人力のものしか乗らないので影響は無いんですが、車に乗っている人は大変だと思います。
 一番安かった頃なら、1Lで80円台だったのが、今は130円くらいですからね…。ぞっとする値段です。
 しかし、ここまで値段が高騰している理由は何でしょう?

 まずは、産油国の出し渋りです。が、これはあまり重要ではありません。今は目一杯の増産体制を取っているそうで、もう限界に来ているという事です。
 中国の高度成長が影響しているとも言われています。中国はじめ、ブラジルなどの旺盛な化石燃料消費により、世界的に石油の需要が高まっていて、取り合い状態になっているようです。
 あとは、アメリカによるイラクアフガニスタン侵略が大きな要因でしょう。今の石油高騰は、アメリカによるアフガニスタン侵攻がキッカケでもありました。その前の9.11テロが要因とも言えますが、その後のアメリカによる侵略戦争が、現在まで石油が高騰しつづけている根本的な原因となっています。
 アフガニスタンへは、オサマ・ビン・ラディンや支援組織タリバンの壊滅、と言う正当な理由がありましたし、産油国への直接の攻撃もありませんでしたから、まだ致し方ない、と言う言い方が出来ると思うんですが、イラク侵攻は正当な理由はなく、単なるアメリカの物欲のための侵略戦争ですので、非難されて然るべきでしょう。
 イラクの現状ですが、開戦前が天国みたいな悲惨な内戦状態ですし、フセインと9.11テロとの関係も全く無かったと言って不思議の無いくらい、証拠は挙がってきていません。そんなアメリカに手を貸すのが日本なのですが、正当性があるとは全く思えません。
 当初アメリカは、イラクでの石油権益を、自国の大企業に独占させる思惑があったようですが、それも今は藻屑と消えています。パイプラインは破壊され、産油施設もズタズタ。見込んでいた石油は全くアメリカには渡っておらず、そうした点では、イラク国民の意地すら感じられるわけですが…。
 要は、イラクが不安定で、さらに隣国イランも、核開発問題でアメリカと対立しています。この2国からの石油が無くなるのは、石油の産出量にも大きく関わってきて、結局石油高騰へと繋がる、と言うわけです。

 そしてアメリカの、石油先物市場がどんどん値を上げるわけです。先物市場というのは、現物が無いまま、将来的にこの物(石油とか金とか)は、価格が上がるか下がるか?というのを予測して、それで売り買いするものなんですが、様々な要因があって下がる見込みの無い石油は、際限なく上がってしまいます。それで余計に高騰が止まらないわけです。

 さらに、石油元売りの大手が値上げしてますが、これまでも値上げ自体はしていて、それを小売店が、価格競争で値を抑えて販売していたのですが、この一気の値上げに小売店は悲鳴を上げていて、それで一斉に値が上がった、と言うわけです。が、まだ完全に、元売りの値上げ分を小売側は転嫁していないと言われています。つまり、まだ値が上がる可能性は高い、と言うことです。下手したら、リッター150円くらい行くんじゃないかって思うのですが…。そうしないと、小売り業者は潰れますよ。
 ただ、このガソリン値上げで影響が出てきそうなのが、物流ですね。配送業者です。クロネコヤマトとか、そういう宅配業者はもちろん厳しいでしょうが、物流はそれだけではありません。様々な商品を配送している業者に、大きく影響してくると思います。と言うのも、配送業者はずっと苦しい経営が続いているからです。
 価格競争が厳しく、競争相手も多いことから、無理な価格や条件(時間的な制約など)を飲まざるを得ず、結果として無理な運転(スピード違反や仮眠の不足など)から事故も起こしてしまいます。今後はそうしたことが増える可能性もありますし、たまらず値上げに踏み切る業者も増え、一気に物価が上がる可能性もあります。また、配送業者が倒産するケースも増えるでしょう。

 具体的な影響が出る前に、何とか石油の値段が下がってもらいたいんですが…。ただ、歪んだ日本の構造を改革するためには、石油が高くなっても社会が上手く行くような、そんな構造を築いて行かないといけないのかもしれませんね。