視聴率関東至上主義?

 予告どおりやります。
 皆さんは、視聴率についてどう見ていますか? テレビ番組の人気のバロメーターとして、重要と言うか、それ以外に数字でパッとわかるものが無いものではあります。
 ビデオリサーチ社が1社独占で、無作為(と言われている)に選んだ世帯に、専用の機械を置いて、一部のモニター世帯の見ている番組の割合を出したものが、俗に言う「視聴率」なわけですが、一般にスポーツ新聞や芸能ニュースなどで取り扱われる「視聴率」とは、もう1つ括りがあります。それは、

「関東地区」

と言うことです。
 ビデオリサーチ社のHPにある、週間高視聴率番組と言うのがありますが、「関東地区」と書かれています。その他のデータもそうですが、あくまで関東での視聴率を公表しているに過ぎません。もちろんビデオリサーチは、関西やその他地域の視聴率も調査しているのですが、それを公表しているのかどうか定かではありません。ですから、僕らが「視聴率」として見ているのは、自分たちとは全く関係の無い人が見ている割合、ってことも多いわけです。
 関東と関西の視聴率ですが、大きく異なります。関西では「定番系」のバラエティ番組が好まれる傾向にあるらしく、特に「行列のできる法律相談所」は、毎週20%を超えているようです(関東比+2〜5%)。逆に、亀田兄弟のこの前の試合は、関東が33%に対して関西は27.8%と、関西出身の彼らに対して、意外に冷たいこともわかったりして興味深いです。もちろん、プロ野球阪神戦は20%前後叩き出しますし、名探偵コナンなんかも、関東で7%台の時に17%くらいだったり、あとドラマの医龍が、関東で14%くらいのところ、関西では17〜18%を記録するなど、何が基準なのかわからないところもありますが…。

 しかし、もしテレビ局(関東のキー局)が、関東の視聴率しか気にしていないとしたらどうでしょうか? そう思えてしようが無い番組も見受けられるんです。それが、グルメ番組と旅番組です。

 グルメ番組で言えば、最近は紹介されませんが、「どっちの料理ショー!」で紹介されていた美味しい応援団のお店です。99.9%が東京都内の店でした。お好み焼きVS広島焼きみたいなときでも、あくまで「東京で食べられる名店」を紹介していて、地元はほぼ無視です。「チューボーですよ!」もそうですね。まるで、東京にしか美味しいお店はありませんよ、って言っているみたいで、たまに不快感を覚えて仕方ありません。
 旅番組…ほぼテレビ東京系に限定はされますが、東京から行ける場所がほとんどです。東北とか日光とか、あくまで東京発の観光地を巡る企画が圧倒的に多いように思います。正直、青森とか秋田はともかく、日光とか伊豆とかの旅を見せられても、僕ら関西人には全く縁の無い場所なんでしらけます。
 これらを総合して思うのは、こうしたテレビ番組って、
「関東人だけ見てくれれば良い=関東の視聴率さえ取れれば良い」
ってコンセプトで作っているんじゃないでしょうか? 関東以外を無視しているように思えてならないんですけどねえ。
 もちろん、関東圏は人口も多いですし、メディアの発信地でもあることから、美味しい店も多いでしょうし、関東さえ押さえていれば全国も、と考えているのでしょうが、地方軽視過ぎな番組が増加するのは、ちょっと見過ごせない問題でもあります。

 問題は、これがバラエティ番組だけでなく、ニュース番組に広がりやしないか? と言うことです。と言うのは、例の平成16年新潟県中越地震が起きたときのニュースの報道姿勢です。
 あの地震が発生する直前、関西の豊岡・舞鶴と言った日本海側の地域に、台風がもたらした集中豪雨による洪水や土砂崩れが遅い、都市機能がまひ状態に陥っていました。しかし、そうした豊岡市の現状には、全国ニュースは地震後は全く触れず、新潟のことばかり繰り返し放送していました。洪水と地震で、災害そのものは異なるものの、被害の大きさは変わることが無いばかりか、町の多くが水没した豊岡市の方が、新潟よりも被害が大きかったかもしれないのです。それなのに、報道の格差が生まれてしまった。
 それは何故?! と考えたところ、ある答えに辿り着きました。それは、
「新潟は東京にとって身近だから」
ってことです。
 新幹線一本で行ける新潟には、関東の人は関心を持つけれど、遠く離れた豊岡ってのには関心が無い=報道を少なくしても、関東の視聴率には影響は無い…と考えたからでは?と邪推したくなります。

 こういうことが広がらないためにも、ビデオリサーチ社の独占で、視聴率調査が行われている現状を変えるか、ビデオリサーチ社が「全国視聴率」と言うのを発表するか、どちらかをして欲しいです。そうでないと、ますますこれからテレビによる地域格差拡大が広がっていきますよ。