村上ファンド、阪神株売却!

 村上ファンドの周辺が慌ただしくなってますね。
 阪神株は、阪急HDTOBに応じる形で売却。阪神電鉄阪急HDの傘下に入ることは確実になり、阪神と阪急の経営統合が行われることになりそうです。効果は大きくないと言われている、この経営統合ですが、村上ファンドにノド元を握られているような状態よりは遥かにイイとは思いますし、これが阪神タイガースへ良い効果をもたらすんじゃないかって思ってます。

 ただ問題は、当の村上ファンドです。東京地検の捜査を受け、ライブドア株インサイダー取引の嫌疑をかけられてもの凄い影響が出ています。
 村上ファンドが大株主の企業が、軒並み株価を暴落させているんですよね。村上ファンドの息がかかっている企業は軒並みヤバイ、と言うことで。このからくりについて説明を。
 要は、今までは、村上ファンドが目をつけた企業=皆が思っている以上に企業の価値が高い企業、と言うことで、株価が高騰したり、株主への配当を増やしてくれたりしてたので、それに釣られて一般投資家も飛びついたわけです。が、村上ファンド自体の信頼性が揺らいだということは、ライブドアだけではなく、他の企業でも同じようなことをやっていたのではないか?という疑惑も出てきます。そして何より、この疑惑で株価が暴落すれば、村上ファンド自体が持っている株も早めに売却しなければ、村上ファンド自体が大きな痛手を受けることになります。
 そもそも村上ファンドと言うのは、どこかの企業やお金持ちから、この金を運用して増やしてくれ、と言う要望に応えて、元手を増やすことが生業の会社です。それが村上氏の場合、株への投資なわけで、割安感のある会社の株を手に入れて、不動産資産に含み益があるだの、利益率の高い部門への集中投資を勧めるだとか、そういう株主提案を積極的にして、世間の人が「この会社って見所あったんだ」と思って株を買い、高くなったところで売り抜ける、という手法でこれまで、出資者に高い配当をしていました。村上氏には、その運用益の一部が手数料として入っていたと思われます。
 が、今回の問題で所有株が暴落してしまった場合、出資者からの信用も失いますし、出資者が資金を引き揚げる、と言った場合、株券と言う形に変えてしまった資金を、株の売却と言う形で捻出しなければなりません。しかし、暴落してしまった株を売却しても、買い値より安かったりほぼ同額ならば損をするわけです。ですから、阪神株は、相場によって値段に変動の無い、阪急のTOBに応じて売るわけです。阪急側は割と強気(安目)の価格設定をしましたが、村上ファンドはもう背に腹は替えられない状態なんでしょう。

 それにしても、株というものを食い物にする事件が後を絶ちませんね。ライブドアだってそうですから。株と言うものは怖いものだとは思いますが、1つのウワサや嘘を伴った行動で変化してしまうんですからね。