Cocco「ザンサイアン」レビュー?

 今週発売の、Cocco5年ぶりのオリジナルアルバム「ザンサイアン」を買いに行きました。正直、期待4、不安・諦め6くらいの気持ちでしたが、その「6」の方が上回ってしまったようです…。
 全曲通して言えることなんですが、以前のCoccoの曲に共通していた「スケール感」と言うのが、全く感じられないんですよね。すべてこじんまりしていて、音に広がりを感じません。これは、SINGER SONGERで復帰したときから感じていたことですね。それは全く変わっていないようです。
 彼女の根底にあった「沖縄の空と海」と言うものが、歌からは喪失してしまっているんですよ。あるいは、沖縄の空と海を現実的に捕らえ過ぎていている(以前は幻想・空想のイメージで描いていた)のかもしれませんが、それが全く魅力的には聴こえないんですよ…。
 もちろん、Coccoの歌声自体は変わっていませんので、声が好きな人にはオススメできるわけですが、以前のCocco好きの人にオススメできるか?と言われたら、僕は「No」と言います。SINGER SONGERの「ばらいろポップ」よりはかなりマシではありますけれども、もう好きだった以前の彼女は戻ってこないようです…。
 個人的には、「風化風葬」や「もくまおう」、そして活動休止後に発表した「Heaven's hell」が、好きだったCoccoの最後だったようです。
 今後とも気にはなっていく存在ではありますが、音楽の方向性が変わってしまったので、徐々に離れていくものと思います。