タロー、永眠

 このブログではお馴染みのタロー(犬)ですが、今朝早くに永眠しました。17歳まであと2週間くらい(満年齢で。数えなら18歳ってこと)でしたが、大往生だったと思いました。
 僕が一番気がかりだったのが、タローが誰も家にいないときに死んでしまうこと(誰にも看取られないで独りで逝くこと)でした。が、ウチの親父が気配を察知して起き、そして母親も起こしたところで逝ったそうで…。タローにとっては幸せな逝き方だったんじゃないかな?と思いました。と言うのも、タロー(犬)が欲しくて、「貰ってください」となっていたペットショップの無料の犬を家に連れて帰ったのが親父で、それからほぼ毎日、朝の散歩に連れて行っていたのも親父でした。そしてタローは、そんな親父に一番懐いていました。そんな親父に看取られたんですから、良い逝き方だったんでは無いかと思いました。
 しかし不思議なもので、タローは、その日夜勤だった上の妹には、少し元気な姿を見せて送り出して、僕や下の妹には、夜中に鳴いて(鳴いたかどうかはわからないのですが、何となく声が聴こえて)撫でたりすることが出来、最後に親父に何かを伝えて逝ったんですから、最後の瞬間まで生き抜いた、って感じがしました。僕も、締まりの無くなった尻から出た下痢便を処理して、お尻とか尻尾をちょっと丁寧に拭いてやったりしたんですが、タローが少し気持ちよさそうにしていたのを見て、安心して眠ることができました。朝起きて、お腹のあたりが動かないのを見て、その後に親父の言葉を聞いたときも、「そっか…」と言う感情しか湧きませんでした。
 が、やはり喪失感は相当なもので、朝ご飯を食べながら泣いて、仕事をしている間にも少し泣きました。家に帰ると、つい、タローが失明してからずっと棲み家にしていた玄関を見て、もういないんだよなあ、って思ってしまいました。
 ただ、そんな僕以上に堪えているのが、両親でしたね。親にとってタローは、まさに「子ども」だったと思います。母親も、今朝は朝食を食べながらずっと泣いてましたし、タローのいた玄関を掃除しながらも泣いていたそうです。今日は夜勤みたいですが、仕事になってないと思います。
 親父にとっても喪失感は大きかったみたいで、今日帰ってから見ましたが、かなり参っていると言うか、疲れているように見えました。何歳か老けそうな勢いでした…。会話はできるんですが、かなり引き摺っている感じがしましたね。ちなみに親父は、今日の仕事を休みました。そのくらいの存在だった、と言うことです。
 そしてもう1人(1匹)、落ち着きが無いのが、ネコのミチャ(通称ミー)です。実はミーは、タローの後肢が立たなくなった後、鳴き出したりすると、様子を見に来たりしてさかんに気にしていました。そしてタローがご飯を食べられなくなった1週間前くらいからは、毎日、自分がいつも寝ている妹の布団の上ではなく、タローが見える2階の廊下で寝るようになっていました。そして、タローが鳴いたり音を立てたり、人間がタローの世話をしたりすると、2階から顔をのぞかせてタローの方を見たり、1階に降りてきて見たりして、さかんに気にしていました。しかし、タローが亡くなる前の晩は、何故か妹の布団に来て寝ていました。一しきり僕らがタローにしてやった後だったんですが、ミーにはタローがもう生きられない、ってことがわかったのかな?と思ったくらい、すごいタイミングでした。
 そして、タローが亡くなったときにも降りてきて、タローの亡骸をずっと見ていたそうです。その後、親父と上の妹が火葬場へ連れて行ったそうですが、連れて行く直前まで、ミーと、末っ子のテツ(猫・オス)がタローを見ていたそうです。
 ただその後、ミーはさかんに玄関を見ています。今も廊下で寝ています。ただ、タローが亡くなったことはわかっている思うので、その亡骸が何処に行ったのかがわからなくて、心配しているんでしょう。何せミーは、ほぼ産み落とされた直後からウチで飼われていて、ずっとタローの存在を感じていました。タローは、ミーのためにお乳を出したくらいでしたし、凄く可愛がっていました。そんなタローを、ミーが叩いたりしたときもありました(反抗期?)が、やはりずっと気にはしていましたし、特別な存在だったんだろうと思いました。不思議なものですね。
 
 あと、タローに対しては、「ありがとう」と「おやすみ」と言ってやりたいです。色々と教えられましたし、下半身不随になってからはロクに寝ていませんでしたので。ありがとな、タロー。おやすみ。