いじめ問題、校長の自殺起こる

 いじめ問題で、とうとう校長の自殺が起こりました。北九州で、小学生女児に対する「たかり」をいじめと報告せず隠蔽していた小学校の、校長が自殺をしたようです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061112-00000060-jij-soci
 もちろん、学校の現場、先生や校長たちの心労は相当なものになっていると思います。いじめ問題も、すべて抑えられなかった学校が悪い、とか言うことになっていて、非難の矢面に立たされていると言う情状もあります。が、死んでどうなるのか? と言いたいです。
 つまり、いじめを苦に自殺したり、自殺を図ったりする子どもが増えている中で、命の大切さを教えなければならない先生の側が、自殺なんてことをするのは、相当マイナスでは無いかと思うんです。先生が自殺で逃げたのに、子ども達には自殺するな、と言っていても全く説得力がありませんからね。
 いじめ問題ではありませんが、履修漏れの学校の校長が自殺した、と言うことも最近ありました。で、そこの学校の朝礼か何かで、「校長先生は乗り越えられない苦悩を抱え、自ら死を選んだ」と説明したと言ったらしいのですが、自殺は一番いけない、と言うことをまず先に伝えなければならなかったんではないかと思うわけです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061101-00000121-mailo-l08
 
 これでは、子ども達への影響も多く、自殺したい、あるいは自殺以外の選択肢を考えられなくなっている子ども達が、連鎖的に自殺してしまわないかが非常に心配です。
 ただ、履修問題などもあり、かなり揺れている学校現場では、もう対応しきれない問題があるように思います。政府からは、教育基本法の改正(改悪)やゆとり教育失敗の尻拭いをさせられ、学校単位では受験での成功率を高めるために動かされ、魅力ある学校作りに腐心させられています。保護者からは無理難題を言われて、ストレスは溜まる一方です。
 履修問題は、まさに「ゆとり教育」失敗のツケを、学校の奥の手みたいな形で穴埋めしていたように感じますし、いじめ問題は、学校で起きている問題とは言え、既に学校で対処できるレベルでは無いものも含まれているはずです。
 いじめの事実を生徒から明かされ、先生が放置しているのであれば、それは非難されるべきかもしれません。が、明確に事実を把握して何らかの対処をしている場合、それでもいじめが収まらないとすれば、それはいじめている生徒に問題があることになります。
 厳罰化の流れに沿ってしまうんですが、いじめる側に何らかのペナルティを与えるなどの措置が必要なんじゃないかと思うわけです。停学はともかく、いじめる側への再教育プログラムを施したり、あるいはそういう施設に入所させたり、再教育専門の人員を配置するなどの対策をしなければ、いじめ問題は無くならないでしょう。
 これまで、いじめられる側の対策は色々と考えられていましたが、そろそろ、いじめる側の問題を真剣に考えなければ、いつまで経っても、いじめられる子は減らないように思うんですけどね。
 あとは、自殺対策でしょうか。逃げ場所が無い、相談相手がいない、などが主な原因でしょうが、命の大切さを軽んじたり、そして死についての恐怖が現実を上回っている状態が問題です。
 死んだらどうもならないんですけどね。僕自身、死が怖くて仕方が無いので、自殺なんてことは考えられないんですが、自殺を考えたことが無いわけでは無いので、わからないではありません。
 でも、校長が自殺していては、手本にはなりません。疲弊しきっている学校現場を救済するまでは、何とか踏ん張ってもらいたいです。そして、学校の負担を軽減するような、いじめ対策プログラムを、国民全体で考える必要があると思います。いじめの原因の1つは、家庭での子どもの教育の問題、家庭環境があるはずなので。