「骨が折れる仕事=骨折する仕事?」日本人の日本語力の低下

http://www.sankei.co.jp/kyouiku/gakko/070430/gkk070430000.htm

 キノさんとこのサイトで紹介されていたんですが…。かなりショッキングですね。
 骨折する仕事って何?! 怠惰という言葉すらわからない…とか。本当に酷いみたいです。特に大学生に限った調査になっていますが、国立大生の6%、私立大生の20%、短大生の35%が「中学生レベル」と判断されるなど、日本語の基礎力が育っていないことがわかります。
 例えば、もし日本人が英語を正しく習得していて、英語を日本語に訳すことなく理解し使えるレベルになっているとしたら、それはグローバル化が進んでいる証拠なので仕方ありません。でも、TOEICで高得点が取れる日本人なんてほとんどいないわけです。
 また、別にTOEICで高得点が取れなくても、普通に日本語力が備わっていれば問題ないわけですが…。それすら無いわけで。つまり、こうなると「何語も不自由な」人間が多数生み出され続けている、と言うことにもなります。昔は「識字率(文字が読み書きできる人の割合)」が問題になっていましたが、今は正しい言語を使える人間が減っているという新たな局面に差し掛かっているようにも思えます。
 では、何故このような現象が起きているんでしょうか?
 個人的には、携帯電話とメールが生み出した弊害だと思ってます。少なくとも、僕らの世代くらいでは、敬語が正しく使えない、くらいの問題しかなかったと思いますし…。この数年で激変したとすれば、携帯電話を置いて他ありませんから。
 何故、携帯が諸悪の元凶かと言えば…、コミュニケーションツールとしての用途や表現方法の問題もあるでしょうが、何より会話を減らし、非常に狭い人間関係や、自分自身の世界を築けなくなったこともあるでしょう。
 今の若い人(こういう書き方が既にオッサン)の行動を見ていたらよくわかるんですが、常に携帯をいじってますよね。会話よりまず携帯なんです。メールをしているのか、ネットを見ているだけなのか、アプリでゲームをしているのかはわかりませんが、いずれにせよあまり良くありません。
 と言うのは、まず、携帯の画面上に表れる文字数や情報量は、所詮限られているわけです。PCをメインに、そのサブとして使うのであればまあ良いのですが、それがすべてみたいな状態になりつつあるんですよね。それに、メールでやり取りする文章なんて、会話すれば数秒で済むような内容を、1分以上かけて書いて送るわけで、細かい感情や意図などを込めて送信することは、事実上不可能です。つまり、メールのやり取りで必要な語彙力や日常でやり取りする会話力以外は身につかないわけです。しかも日常的に会話する相手ってのも、メール仲間だったりするわけですし、そんな相手ですら、会話ではなくメールなわけで、同じような語彙力しか持っていない人間しか関わりを持たないわけです。目上の人と話したりするときの言葉遣い(敬語うんぬんではなく、タメ口は慎むとかっていう程度のものでも)は全く身につきません。このまま、若い人のコミュニケーションツールとしてメールが定着してしまえば、今後も日本語力の低下には歯止めが掛からず、日本語は崩壊する可能性すらあります。TV局のアナウンサーでも無茶苦茶になってきているんですから、その辺から直していかないといけないわけなんですが。
 対策とすれば…やはり、メール機能を制限すべきでは無いかと。便利ですが、必須かと言えば、電話できる相手には別に不要なものです。思えば、ポケベルあたりからこの傾向が始まった感もありますし、そろそろ歯止めを掛けないといけない時期に来ているんだと思います。
 学校の国語の授業方法も変えないといけないかもしれませんね。テストは教科書を読んでればOKみたいな風潮を。