何故リトルバスターズは主人公が「僕」なのか?…麻枝准作品から考える

 Key系のゲームをずっとプレイしている者としては、外せないのが主人公の設定です。
 初めて「僕」が一人称だったわけですが、まずはその理由から考えて見ましょう。

 それまでの作品の主人公と、リトバスの直枝理樹の違いとは…女装させられるか否か、…と言うよりも「男っぽい」か「中性的」かと言うことでしょう。
 それまでのKey作品の主人公って、男らしかったり乱暴だったりぶっきらぼうだったり、一見とっつきにくそうなキャラクターが多かったように思うんですが、理樹は全く違いますよね。男らしさを逆に排除したようなキャラで。
 個人的には、今までの主人公たちよりも、今回の理樹君のほうが、麻枝さん的には自然だったんじゃないかなあって思っているんです。
 と言うのも、麻枝さんの作る女性キャラに、中性的なキャラが多く出ている、ことがあります。
 Kanonの真琴なんかはまさにそうですし、舞も女性らしさを性格的には持ってません。CLANNADでも、風子とかはガキっぽいですしね。汐とか幻想世界の少女とか、朋也に絡むキャラたちも、女性的というには程遠いものだと思います。
 そもそも、今のKeyのチームの原型が出来て最初の作品「MOON.」では、主人公は女性でした。性格的には、とても女性らしさは無かったような…。女性ですが非常に中性的だったと言えるわけです。
 また、ONEの「えいえんのせかい」の少女だったり、CLANNADの幻想世界の少女だったり、特に女性らしさを持っていない女性キャラは多数登場しています。そこに出てくる主人公も、特に男らしさを持った状態にはなっていないように思います。特に幻想世界のガラクタ人形は、別に男でも女でも良かったんじゃ…って思うくらいに中性的じゃないかなって思うわけです。
 と言うわけで、麻枝キャラは結構中性的なキャラが多いってことがわかっていただけたと思います。
 
 逆に言えば、これまでの主人公たちが何故男っぽい感じだったのかが、ちょっと解せないわけなんですが、これは、麻枝さんが「恋愛の話が得意でない」と言うことと繋がると思うんですよ。
 つまり、主人公に男っぽいキャラを持ってこなければ、恋愛関係を描くのもままならないんじゃないのかなあ、と。
 そして今回のリトバスですが、麻枝さんが作った女性キャラは鈴のみ。その鈴は…今までの麻枝ヒロインの王道(聖母系。お母さんの匂いがする感じ)からは完全に外れた、でもある意味では麻枝ヒロインらしい中性的なキャラになっています。それと釣り合わせる、あるいは、同時に成長させるための、理樹の設定だったのかなあ、と思ってます。
 あとは、麻枝さんが書いた曲(詞)の「僕」と「君」ですが、どちらが男でも女でも、あるいはどっちも男でも女でも通用するような内容ですよね?
 ですから、時にBLだったりGLだったりするシチュでも自然に読めてしまうんだと思います。
 
 上手くまとめられていない気がするけど…。