オタク界の地域格差は本当に広がったのか?

 少し前のエントリで、地上波アニメの地域格差の問題がコメント欄でありましたが、ならオタク界全体での地域格差はどうなっているのでしょうか?
 アニメに関しては、地上波で放送されている限りは、首都圏と地方との地域格差が埋まることは無さそうです。ただ、P2Pやらニコニコで上げられる現在の状態であれば、その格差はほとんど考えなくても良さそうです。もし規制されれば、以前のような格差が生じるでしょうけど。
 その他に関してはどうでしょう? 例えば書籍やゲーム、同人誌などについては…。
 以前と違うのが、Amazonなどの通販が当たり前になってきたことです。Amazonなら1500円以上が送料無料になるわけですから、普通に買いに行くのよりも安く済むわけで、そこに地域格差はありません。もちろん配送の時間差なんかは、Amazonの配送センターが千葉にある関係で差はあるかもしれませんが、そこは仕方ないですから。しかしながらDVDなんかだと、むしろ店頭販売よりも安かったりすることもありますからね。環境面などでは問題が多い密林ですが、地域格差を埋めることには一役買ったと見ています。
 また同人誌なども、とらのあなメロンブックスなどが地方都市にも進出しはじめていますし、通販も年々取り扱いが拡大していますので、委託さえされれば地方でも手に入れられる機会は増えたと考えています。僕も実際に、コミケで手に入れ損ねた作品とか、サンクリなど、間のイベントで出された本などは、通販で手に入れることが多いですし、かなり重宝しています。
 そうやって見ていくと、地域格差はかなりなくなってきたんじゃないか?と思います。しかしながら、どうしても地域格差を感じてしまうことがあるかと思いますが、それはどうしてでしょうか?
 思うのが、まずはメーカーや声優さんたちが都心に集中していることでしょうか。ギャルゲーのメーカーやらオタク系の企業やらのイベントが、どうしても東京に集中してしまうからじゃないかな?と考えています。
 そしてそれらの情報の格差が、逆に限りなく縮まっているからかもしれません。どういう事かと言えば、以前なら雑誌などの媒体から伝わる情報がすべてでしたが、今ではネット上から伝わる情報がメインになってます。ネットであれば、情報が伝わる地域格差はほぼゼロに等しいと言えるでしょう。2chなどのタレコミも、真否が不明なところもありますが、上手く情報をより分ければ、雑誌発売まで情報統制されているようなニュースまでも吸い上げられることが出来るわけです。
 しかしながら、ここで地域格差が生まれます。それは、ニュース・情報の伝わる速度や質は近いものになってきたのに、参加できる・出来ないという格差はどうしても埋まらないからです。
 そして決定的なのが、ゲームメーカーやらアニメなどのイベントが、東京、恵まれても大阪でしか開催されていないことです。コミケDream Partyなどの企業参加イベントでは、知っていればクリエイターさんが売り子してたりする姿を見ることができますw 見たい人はそう多くないかもしれませんけど…(ちなみに冬コミのVAのブースでは、折戸さんの姿を見ることが出来ます)。企業と参加者が直接触れ合える機会ともなっていたりもします。それに、KSL Liveなどの企業主催イベントも、ゲームメーカーによっては開催するところが多くなってきました。
 元々、企業が東京や大阪にあることもそうですが、声優さんなんかは東京在住のケースが多いわけですし、オタク人口も圧倒的に多い東京でのイベントが増えるのも頷けるわけです。
 で、そうしたイベントの情報やら参加レポートみたいなものは、地方在住でもネットを通じて受け取ることが可能ですが、実際に参加することは出来ません。出来る出来ないで言えば、出来ないことは無いのですが、例えば北海道から東京のイベントに参加するとなれば、一番便利な札幌に住んでいたとしても相当な交通費がかかりますし、宿泊代も必要になってくるでしょう。もっと地方に行けば、一度東京に出るだけでも大事になってくるわけで。そんな極端な例でなくとも、大阪や名古屋から東京に出るのも大変ですし。そうなれば、地域格差をより感じることに繋がるんじゃないかな?と思ったりしてます。
 つまり何が言いたいのかといえば、情報格差やモノ的な格差はほとんど無くなったのに、企業などと触れ合えるイベントが増えた結果、以前よりも地域格差を感じる人が増えたんじゃないかって考えています。情報の差がなくなってきたことが、逆に地域格差を強く感じるようになってきたのかもしれません。
 この問題を解決する方策は…無いでしょうね。これからも格差を感じることはどんどん増えていくような気がします。