幻想世界と朋也たちとの関係…CLANNAD AFTER STORY〜第9話感想

 遅ればせながら9話を見ました。実は、本編ベースで言えばようやくここからが「AFTER STORY」なんですよね。ボタン七変化とか幸村のエピソードとか、やや無理やり本編のネタをねじ込んだ感が強かったものの、AFTER独特の切ない感じが早くも出ていて良かったです。ゲーム未プレイの人なら
「え? 最終回?!」
 って感じもあったかもしれません(ない?。
 
 さて表題の件ですが、流石にゲーム本編をやって考察を一通り読んだりやられたりした方ならわかるかと思いますが、CLANNADの幻想世界と表世界の関係についてです。ある程度アニメでも、本編で為されていた意図どおりに挿入されているので書いてみます。
 幻想世界とは、朋也たちがいる世界の「裏世界」とも言える世界です。大まかに言えば、幻想世界の少女は渚、人形は朋也と言った具合です。で、本来であれば、意思を持った存在は幻想世界には少女しかいないということになっています。
 「裏世界」という表現をしましたが、これは表世界とは何もかもが「逆」という意味でもあります。例えば表世界の渚は、身体は弱いものの意思は強いですが、幻想世界の少女は、逆に自分から何かをしよう為そうという意思がありません。そして朋也に関しては、表世界では意思の弱い目標も何も無い存在ですが、幻想世界の人形は、自ら少女に対して「モノを作る」とか「元いた世界に行く」と言うことを言い出したりしていて確かな意思がある…といった具合です。そのほかにも色々とあるんですが、それは本題からずれるのでここでは言及しません。
 しかしながら、表裏一体の世界ですから共通点もあります。それは、「二つの世界で流れている時間」と「場所の概念」です。
 時間に関しては、アニメの今回でわかりやすかったと思いますが、全く同じ時間が流れていると言う事です。もちろん、季節や年などという括りではありませんで、単に同じ時系列になっている、と言う意味ですが。つまり、幻想世界の二人(?)が動いたとき=表世界の朋也と渚も動いている、という意味です。
 そして場所ですが…これもアニメではわかりやすいですよね。幻想世界の「小屋」とか小屋の周りと言うのは、表世界での「学校」とか学生であることと同一です。要は、帰るべき場所がある、あるいは所属しているものがあると言うことが学生時代で、それが無くなると言うことが社会に出る、という感じですね。
 ちなみに幻想世界では、そもそもは時間や場所の概念が存在しておらず、意思を持った存在が人形に宿ったからこそ、時間が流れて、場所(所属)が生まれたんじゃないかと思っているんですが。
 アニメ9話で、少女と人形が何かを作っているんですが、これが何を示唆しているのかはっきりしたことは言えません。あれは全く役に立たないものなんで、現実に置き換えると…社会という未知の世界に対して、学生の身分で、社会では役に立つかどうかもわからない勉強をしていたりという示唆なんでしょうかね。
 
 CLANNAD、とりわけAFTER STORYは、幻想世界という存在がわからないままでも十分面白いし泣ける話にはなってますが、幻想世界を理解しておけば、リアルタイムでは見ていても何とも思わないようなシーンでも、後で見返すと泣ける場面がどんどん増えるという2度3度お得なものになっているので、アニメでもその辺は期待して良さそうです。

 9話を見ていて思ったこと。この場面くらいから、朋也と渚の立場が逆転したんですね(汗。もう朋也はあんまり支えてないw
 あと、風子関連のイベントはどうなるのでしょうかね? 公子さんに風子の話を聞いて、光の玉を返すというイベントが渚ルートとは別にあったんですが、それは省略されたみたいで…。でもまあ、あのシーンは別に卒業前の場面でなくても入れられるものでしょうから、何処かで入るものと思われます。何でそんなシーンにこだわるのか? 麻枝信者な京アニが、一期であれだけこだわった風子のエピソードを省略するはずが無いということと、重層的なCLANNADの世界観や設定を語る上ではもの凄く重要なイベントの一つなので…。
 今後の展開ですが、しばらくは大きなイベントが無い展開が続くので、その辺を京アニがどう料理しているのかが注目です。この9話でも結構泣きかけましたので、最低でもあと4回は泣けそうですw