ノア地上波放送終了も、プロレスは衰退ばかりじゃない

 あまりプロレスは見ない(大スポで記事を読むくらい)のですが、ちょっと衝撃的だったので。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081217-00000011-dal-fight

 日テレが経費節減の策として、地上波からのプロレスリング・ノアの中継を止めるらしいです。新日本プロレスも、テレビ朝日で放送している中継枠を半減させられましたが、ノアの地上波休止はかなりの衝撃です。なぜかといえば、プロレスのメジャー団体の中ではダントツに観客を集められるからだったりします。この流れだと、新日本も危ういですね。
 地上波がなくなると言うことは、ライトなファン層を失うと言うことでもあるので、ますますのファン離れが起きる可能性があります。
 
 ただ、プロレス界全体が総合格闘技などに押されているか?と言えば必ずしもそうではありません。K-1は徐々に日本国内での人気を落としていますし、DREAMや戦極もPRIDEほどの存在にまではなっていません。そう考えると、従来のプロレスファンが総合格闘技へと流れている、とは言い切れないと思います。見ればわかりますが、総合格闘技とプロレスは全く違うスポーツですからね。むしろK-1のほうが、プロレス的な要素を取り入れようとしている気がするんですけどね(失敗してると思いますけど)。
 ノアに限らず日本のメジャーと呼ばれるプロレス団体は、何処も似たような問題に直面していて、似たような方針を取らざるを得なくなっています。「客が呼べる選手の高齢化」と「世代交代の遅れ」、「フリー&他団体所属選手頼み」ということです。
 新日本や全日本は、相互の「抗争」という名の共闘状態ですし、ノアは小橋健太がいないということもあり、個人団体所属の佐々木健介に頼りきりの状態になってしまっています。そして、新世代への王座移動を何度か試みてますが、またベテランや他団体、フリーの選手への王座奪還というシナリオになってしまってます。似てるんですよね。
 
 それに比べると、インディーであるはずのドラゴンゲートは、自前の若い選手を育ててますし、次々に世代交代を進め、それでも観客を引き付け続けています。むしろ人気は拡大傾向でしょうか?
 ハッスルも人気がそれなりにありますよね。インリン様引退は痛かったと思いますが、まだまだ頑張ってます。ただ試合を見ると、正直食い足りなさ過ぎます…。レイザーラモンの特にRGなんかは、本当のプロレスラーのそこそこ本気技を食らって、なお立ち続けたり反撃の技を出したりしてるのを見ると「頑張ってるなあ」って思うんですが、曙の試合なんかは、勝ったときの説得力のある技がほとんど無くてあんまり面白くなかったり。プロレスラー同士の戦いも、何処か予定調和的な試合が多く見られます。まあ「ショー」なんでそこまでではあるんですが、それなら新日本とかのほうが説得力がありますからね。でも、試合に至るまでのストーリーや演出などは優れてますからね。観客を楽しませるという意味では成功していますし、大晦日に地上波でゴールデンで放送するなんて勝ち組以外の何物でも無いですから。
 
 メジャー団体は、ノアも含めて衰退気味ではありますが、何もプロレス界全体が縮小〜消滅へ向かっているわけじゃないってことを知っていただきたいと思います。特にドラゴンゲートの試合は、速すぎて、速さだけしか感じない試合もありますが、新鮮に映りますし面白いですよ。ノアの予定調和的な試合(小橋とかの長時間の試合とかはやはり凄いと思いますが)は、やはりそろそろ飽きられてきているだけじゃないかなあ、と思うのです。