「声素材」としてのPerfumeではVOCALOIDに太刀打ちできない
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090622-00000002-jct-ent
ちょっと気になったので。
Perfumeのアルバムは持ってるので何度か聴いてたんですが、テクノポップの曲調自体は好きだけどとある理由からすぐに飽きてしまいました。そしてその後でボーカロイドたちが歌う曲にのめりこんで行ったのですが。
そこでこの「あ〜ちゃん」発言があったので、僕も思っていたことがそうなんだろうな、と確信したわけです。
と言うのも、Perfumeの存在意義って何処にあるんだろう?ってことです。
このインタビューでもあるように、Perfumeってボーカル自体にエフェクトをかけて、なるべく人間が歌っているような抑揚を抑えるような作りになってます。このインタビューでもありますが、「誰が歌ってるか」という観点からしても、あまりそこは重要ではなく、むしろ「曲の一部」あるいは「楽器の一つ」くらいの感覚でボーカルを使っているに過ぎないと思うんです。個性はエフェクトとかアレンジの範囲なので、あまりボーカル個々人に個性を求める方向性でも無いのかと思います。
そこまで考えていて、「それってボーカロイドで出来るよね?」と思うのです。
つまり、こういうことです。
- 人間が歌っている必要性が無い
人間の歌声をわざわざ機械的な声になるようエフェクトをかけてるのなら、むしろ最初から機械が歌っててもいいんじゃないかと。それなら、ボーカロイドがやってますし、機械的に歌うことはむしろこっちのほうが得意分野ですからね。無理な高さや低さも難なくカバーできますし、コーラスやハモリだってより前衛的なものも挑戦していけますし。
- 曲の方向性の問題
Perfumeの曲は、最初のアルバムを聴いていると耳につくのが「繰り返しのフレーズ+歌詞」です。まあこれは聴くほうの個人差かもしれませんが、どうも同じ歌詞を何度も繰り返すあの感じが、個人的にはあまり好きではありませんでした。それに、曲を作っているのが基本的に一人ですから、曲の方向性や曲調もどうしても単一化しがちです。
それに比べると、ボーカロイドの曲は…多種多様です。それもそのはず。とても多くのPたちが、それぞれの音楽的な下地や個性をもって作曲しているんですから。まあその多くはプロではありませんし、中には水準に達していないものや、音楽的に破綻しているものもあるでしょう。ですが、数多ある曲から聴き手は選択できるんですよね。ボーカロイドたちの歌う曲で、一番しっくり来るのはやはりテクノポップだとは思います。が、ハードロックだってエレクトロニカだってバロックだって(この並列での書き方が合っているのかは知りません)、何でもありますしね。
もちろん、Perfumeの3人組は生身の女性ですし、一部アイドル的な要素も含んでいることから、3次元のビジュアル的な個性はもちろんあります。コスチュームや振り付けなども曲の一部と言うか、アーティストとしての表現の一部ですからね。その意味ではPerfumeと言う生身のユニットの存在意義はあるのですが…。
ただ、人間が歌っている、あるいはそれを含めて完成した楽曲と言う意味では、Perfumeが生身の人間のユニットである必然性はそれほど感じません。生身でもいいのかもしれませんが、彼女たちで無ければならない理由は、曲や歌声の面では感じませんよね。
だからこそ、「あ〜ちゃん」発言にも繋がったのかなあ?と思うのですが。
プロデューサーの中田ヤスタカさんは、つまり好みの声の人でボーカロイドを作れば、ほぼ事足りるんじゃないかって思ったりしましたが、どうなんでしょう(汗。Perfumeファンの皆さん、気を悪くしたらすいません。