ユイにゃんは天使の回し者か?!〜Angel Beats! 第四話考察

 前回のエントリでは、ユイが天使と敵対している? という内容になったわけですが、今回は全く逆の見方が出来てしまうということで書いていこうと思います。それは、天使のこの世界での目的がどうだったか? を検証すれば、ある程度の方向性が見えてくると言うことです。
 どういうことかと言えば、前回のエントリでは天使が、戦線メンバーの昇天がメンバーの幸せに繋がり、それを天使が望んでやってるのではないか? という推論からでした。これは第四話で、天使が精鋭メンバーとともに球技大会に参戦して、日向たちのチーム以外を潰して、日向昇天の場面を点差でも演出して、セカンドフライをわざと打った……と仮定すれば、天使が日向の昇天を狙っていたと考えられるからです。
 しかしながら、日向チームは戦力的にイマイチで、松下五段の参加があるまでは生徒会チームにボコボコにされかけていたわけで、本当に天使が日向昇天の方向で動いていたかが非常に怪しいわけです。それに岩沢昇天の瞬間も、天使は、教師を派遣してガルデモのライブを辞めさせたわけですが、教師がギターを触ろうとして岩沢らが反発して歌い出した……ところまでが筋書き通りだったとはとても思えません。

◆天使の目的とは?
 となると、天使の目的は……やはり、この世界の現状維持、規律を守る、という初期にした考察に戻ってくるわけです。
 第三話では、天使の介入で、本来ならガルデモライブが終わり、ゆりたちの天使のPC探索も中止になるはずでした。が、岩沢や他のメンバーのイレギュラーな動きで失敗しただけ……とも言えます。
 第四話でも、天使の目的が日向の昇天ではなく、球技大会を壊しに来た戦線チームを各個撃破して、一般生徒らの不満を吸収する役割も担っているようにも見えました。もちろんゆりっぺと対決する意味合いもあったかと思います。
 天使は世界の維持のために、ゆりたち戦線と戦っているようにも見えます。そして勝ったり負けたりを繰り返しながら、戦線メンバーのモチベーションを下げずに、でも世界の崩壊へとは繋がらないように調整しているように見えます。「まるで悪役ね」という第三話の天使のつぶやきも、悪役を演じているだけな様子が見て取れますよね。
 ゆりは、天使への反発こそがこの世界で生きる上でのモチベーションとなっています。よって天使は、ゆりを退出させないためにも敢えて敵役を演じているのではないでしょうか? そう考えると、敢えて天使は世界の維持のためにゆりたちの前に立ちはだかっている、とも取れるわけです。音無が来るまでは、ゆりたち戦線と戦ったとしても、ゆりたちは天使に近づけないし、天使も戦線の中枢メンバーを消すようなことは出来なかったししなかったはずなのです。それを変えてしまったのが音無なんですが……。

◆音無と天使の対立軸
 と言うわけで、音無と天使は利害が一致している、という僕のここ最近の記事内容からは一変します。
 天使も、戦線メンバーの昇天を望んでいるという前提でしたが、その前提は前項で記述したように崩れてしまったので、あくまで現状維持を望んでいる、と考えられます。
 そうなると、音無とは対立しますよね。音無は「音が無い=生きていない」という意味にも捉えられますが、「音を無くす=この世界から消す」と言う意味にも取れてしまいます。その意味とは……お分かりかと思いますが、戦線メンバーを昇天させる、という意味なんじゃないかな? と考えられるわけです。
 以前の記事でも書きましたが、音無は、岩沢が昇天するキッカケを作ってますし、日向に関しては積極的に昇天を演出しています。本人の意向とは関係ありませんが、そういう方向になるように動いているのが音無なのです。
 この世界にとって何が幸せなのかはわかりませんが、天使は現状維持を、音無はメンバー個々の想いを遂げさせて昇天させる方向に、それぞれ動いているわけで、天使と音無は完全に逆方向です。つまりは対立していくことになると思われます。そしてその一端が、第四話で既に現れてますよね。
 音無は日向チームになり、日向の想いを遂げさせる方向にすべて持っていこうとします。例えばそれは、トラウマのことを思い出させ、友達と野球で青春してたことを思い出させ、そしてピッチャーとしてチームに貢献し……と、かなりの活躍をして演出しています。そして更に、音無はある行動をしています。
 それは……松下五段です。生徒会チームと決勝を戦うにあたり、圧倒的な戦力差を前に敗色濃厚になりますが、先に負けていた松下五段を、日向ではなく音無自身が買収してチームに引き入れています。松下五段の加入のおかげで接戦になり、最後の日向昇天フラグの瞬間を演出出来た……とも取れると思います。
 最後にセカンドフライになりますが、あれも生徒会チームが「わざと打った」よりも、ピッチャーである音無が「わざと打たせた」と取れないでしょうか? そうすれば、日向昇天フラグを音無が完全に演出したことになります。音無は偶然みたいに言ってますし、更にいえば最後に、日向に「お前には消えて欲しくない」とか言って駆け寄ってますが、わざとらしいですよね……。ここまでお膳立てしてますし、駆け寄ったところで全然間に合ってないですしね。
 しかしながら、天使は現状維持を希望しています。音無がこうもホイホイと戦線メンバーを昇天させていくのは快く思わないでしょうし、何とか阻止しようとするはずです。岩沢昇天で、どういう時に消えてしまうのかも天使は学習しているはずです。それを思わせる節がいくつかありますよね。
 例えば、生徒会を使って野球部の精鋭メンバーを組織して戦線チームを各個撃破しています。これは、決勝で日向のチームと戦うため……ではなく、一番戦力で劣る日向のチームを最後に残しただけかもしれません。高松と竹山チームの方が戦力は整ってましたからね。圧倒的な戦力差を使って、日向昇天フラグなど立てさせない勝ち方をするはずだったのでは無いでしょうか? それを阻止したのは、高松五段を買収した音無だった、という図式は実に面白いんじゃないかと思います。
 しかし、忘れてはいけないキャラクターがいます。そうです。ユイにゃんです。

◆ユイは天使の回し者?
 そこで、この記事のエントリに戻ってくるわけです。前回のエントリでは、天使とユイは対立する、と書いてしまいましたが、それは天使と音無の項と同じで、逆ですね。天使が世界の現状維持を目指しているとしたら、ユイとの利害は一致するんですよね。しかし、それだけではありません。利害が一致していると考えると、天使とユイが繋がってると思われる部分がいくつも見つかるわけです。

<戦線に、ユイを岩沢の替わりに入れた>
 元々二軍メンバー(陽動部隊)だったユイですが、岩沢が離脱したことにより晴れて昇格したわけです。が、そもそも岩沢の代わりになるのは、数的なものと、ボーカル力だけですよね、現状。ゆりたちがとりあえず抜擢したと見るのが普通ですが、天使がそう仕向けたと言うのはどうでしょうか?
 天使は、戦線が音無の加入で天使の予測の範囲を越えた動きをするようになり、戦線の力を削ぐ意味でユイを送り込んだ、という考えです。というのも、ユイでは岩沢ほどのカリスマ性も人望もありませんからね。
 それに、日向チームに入るように仕向けたとも考えられます。試合では四三振と全く役に立っていませんし、単純に足を引っ張って敗れるように仕向けたように思いますが……。
 あと、自分の親衛隊という一般の女子生徒をチームに数合わせで入れてますが、これも足を引っ張ってますよね。これらを考えると、ユイが日向チームにいる限りは、天使は日向チームがああいう場面にまで到達するとは考えていなかったんじゃないかと思うのです。

<ユイはなぜ個人的な親衛隊を持っていたのか?>
 そして気になるのは、ユイを個人的に応援していた親衛隊の件です。そもそも戦線メンバーでも下っ端のユイが、学校のどこかでゲリラライブを出来るような身分だったのでしょうか? 目立ちすぎますし、戦線からしても迷惑な話です。また、それを応援する一般生徒と繋がっているのも、戦線メンバーとしてやや疑問に思える行動です。
 しかしながら、ユイが天使の息がかかったキャラだとしたら……? 生徒会からも目をつけられないでしょうし、多少の無茶な行動でも見逃されるでしょう。そう考えると、ユイが単なる戦線の陽動部隊としてだけのキャラだったのかどうかは怪しいと思えるのです。

<ユイが日向昇天の邪魔をした裏に天使の影?>
 と言うことは、ユイが日向のセカンドフライの捕球を邪魔したのも、天使の意向通りと言えると思います。それが意図的だったかどうかはわかりませんが、少なくとも、音無が延々と積み重ねてきた日向昇天のフラグをぶっ壊したのは間違いないでしょう。
 ユイの天使寄りな存在意義を見ていると、セカンドフライを阻止したこの動きは、天使が置いていた最後のセーフティーネットではないのかな? とも思うわけです。単なるユイにゃんの残念な行動ではなく、天使が意図的にそうさせたのでは無いのかと。というのも、そこまではちゃんと、天使は生徒会や野球部を使って野球で勝負して撃破してきていたわけです。が、ここに来て野球とは関係ない部分で、日向チームの勝利を邪魔しているわけです。もちろん戦線チームを全部倒すという目標も、ユイの行動によって達成されており、ユイの行動は天使にとって両得でした。
 ここまで来れば、ユイが単なる気まぐれとその残念な行動で起こした出来事とはとても思えなくなります。

◆ユイは何者なのか?
 これについてはよくわかりません。ただ、「ゆり」と「ユイ」とこれだけ名前が近いってのには何か意図があるんじゃないかと思います。
 ユイ個人については、何も実証は出来ませんが、もしかするとですが、天使がゆりたち戦線に入った時のキャラクターと言うか化身みたいなものかも……? と言う仮説を立てています。
 その根拠は一つだけ。なぜ第四話のオープニングで、ユイが「My Soul,Your Beats!」を歌ったのか? と言うことです。この曲はガルデモの曲では無いでしょう。後半にガルデモの曲として歌う場面があるのかもしれませんが、この曲はそもそも天使の歌のはずです。それをユイが歌ったと言うことは……やはり天使と密接に関わっていることの証左ではないでしょうか?

                                • -

 と言うわけで考察終わりです。個人的には、かなり繋がってきて、AB!を見る上でもわかりやすくなったんじゃないかな? と思うのですがどうでしょうか? どこまで当たっているのかはわかりませんが。
 ユイにゃんはこれからが本当に楽しみですね。


Twitter「つぶやく」ボタン
Twitterです
http://twitter.com/rikio0505