天使増殖の原因を推理してみた……黒幕は?〜Angel Beats! 第8話 考察

 さて、折り返しも過ぎて残すところあと5話となりました。佳境に入っている気はするものの、まだどういう帰着点を迎えるのか、エンディングはどうなるのか、あとはゆりっぺや音無はどうなるのかなど、わからないことだらけのままで、これらが全てどう解決していくのかが非常に不安にもなってくるくらいです(汗。
 さて今回は、赤目天使が増殖していたことから、その理由や、黒幕がいるのかなどを色々と推理してみようと思います。

  • 赤い目の天使はなぜ戦線メンバーを攻撃するのか?

 まず、7話の最後に出現した赤目天使は、ヌシを倒す際にハーモニクスで分身した時に出現したわけですが、8話でゆりがハーモニクスの項目をいじっていた時に上の方に飛ぶことから見てわかるように、若干の瞬間移動が出来ることから無意識のうちに使用した、と言うことだと思います。その時に、無意識で使ったために分身が消えずに残った理由はよくわかりません。もしかすると、瞬間移動する項目を奏が追加したことで分身が戻らないようになったのかもしれませんね。
 理由としては、そもそも天使は、あるいは天使役になったキャラは、世界の維持や秩序を守るために行動しなければならない、という原則があるとすれば、その原則から反した動きをした奏の反対の動きを極端にして世界のバランスを保とうとした、と考えられます。あの場面の奏は、世界の秩序を守るよりも、戦線の仲間を守る(あるいは音無の思いの通りにした)ほうを優先しました。個人的には、奏があそこで動かなければ、戦線メンバーたちはヌシに食われてゲームオーバーでそれで世界の維持が図られるはずだったのが、奏がメンバーを助けるためにヌシを切り刻むと言う行為をしてしまったがために、その反作用として、戦線をそれ以上に縮小しようと言う動きが攻撃的になって、分身した赤目天使の動きとして現れた、と見るのが普通だとは思います。
 そんな感じで出現して、ゆりっぺを攻撃し、奏が刺し違えた赤目天使1号ですが、あの後で死んだのか逃げたのかがハッキリしません。恐らくは死んだか、深手を負ったのだとは思いますが……。
 奏が分身を殺しに行ったのは、そうすることで分身が消えることを知っていたのか、あるいはゆりの言うようにそうするしか分身を消す方法がなかったのかはわかりませんが、どちらかでしょう。
 そういえば、何で奏はガードスキルを使って自身の傷を回復させないんでしょうかね? 出来ないのか……。

  • 天使の分身が増殖した理由とは?

 その後、天使の分身がやたらとギルドまでの道のりで出てきます。恐らくは破壊された元ギルドの中で天使の分身が増殖されて、それが戦線メンバーの前に立ちはだかったんでしょうが、ではどうやって増殖させたのでしょうか?
 まず増殖していた期間は、ゆりがメンバーに授業を受けるフリをさせている間に奏のPCを触って、プログラムを書き換えるまでの間です。それまでに奏は拉致られて天使が増殖していなければ、例のプログラムで天使の分身は奏に時限的に戻るからです。
 そして、分身が分身を作った、と言うことは、8話のラストを見ればわかるように無さそうです。全ての分身天使が奏の元へ戻ろうとしていることを見ても、恐らくは奏自身のハーモニクスで作られた分身天使のようです。
 しかしちょっと待ってください。奏自身が作り出した……とするのも何か変です。というのも、そもそも7話で完全に音無に懐いたと言うか、音無の言うことを聞く、あるいは音無を主として従属したかのようなやりとりをしていました。なので音無の言うことであれば恐らくは何でも聞く状態です。……が、その音無が奏に分身を増殖しろ、とは命令しているはずもありませんし、音無に危害を加えようとする分身を自らが創りだそうとするわけがありません。
 ではどうやって奏はハーモニクスで分身を作り出したのでしょう? 例えば脅されて……と言う可能性もあります。が、これも線としては薄いでしょう。というのも、音無が奏のもとに辿り着いた時、奏は特にそのような素振りを見せていませんでした。ので、音無の命を盾に脅されていた、という線もほぼ消えたことになります。
 となると、残された可能性は何があるでしょうか? 奏が意識のない状態でハーモニクスを使い、自身の分身を多数創り出すことが出来る方法……そうやって考えていくと「催眠術」と言うのはどうなんでしょうか? 意識のない状態を作り出し、そして他人を操作する……。この方法なら奏が無意識のうちにハーモニクスを使いまくって分身をたくさん生み出すことが出来るわけです。そしてそれが出来るのは……直井しかいません。
 ただ直井は、旧ギルド潜入の際に同行してますし、分身天使に刺されて死んでいますし、その意味では何で自分が作り出したものに殺されてるの? と言うことになってしまいます。が、そもそも殺されても生き返ることを知っているのなら、別に何ともないのでは無いでしょうか?
 そういえば直井には怪しい部分があります。7話の炊き出しの際には姿がありませんでしたし、8話では冒頭のシーンや授業を受けるフリをしてるシーンでは登場していません。分身天使がいないのであれば、授業を受けるフリの場面で保健室の奏を連れ出し、ギルドの奥底に監禁して催眠術をかけ、分身を量産する……というのも可能でしょう。アリバイもあまり無かったりするわけです。
 それに、直井には動機もあります。戦線に入りながら、別にゆりへのリスペクトがあったわけではありません。むしろ音無への心酔のみが見て取れます。そして未だに「私は神だ」と言い張ります。これは戦線に牙をむいた頃から目指しているものが変わっていないことを示しているのではないでしょうか? そして心酔する音無が夢中なのが……天使ちゃんこと立華奏なわけです。その奏を消そうとしているのは、実は戦線に入る前の直井の行動と変わらないんですよね。以前の直井は、生徒会長である奏を追い落とし、自らが会長になることで戦線を一方的に抑制し、催眠術を使って自らが神となろうとしたわけです。それを今回もしようとしているだけなのでは無いでしょうか? しかも天使を利用して……。天使の分身をたくさん作ることにより、戦線の力を弱め、あるいは服従させることはひとつの目的でしょうが、それ以外にも奏自身を弱体化させる、あるいは消すことも目的だったのではないでしょうか?  そういえば8話の中で直井が、戦線メンバーが「分身を戦う方法を考えるのか?」と言ったときに「馬鹿か。消す方法だ」という場面がありました。これも言い方としておかしいような気がしますよね。もし分身天使を上手くやり過ごし、あるいはいくらか倒したとしても、戦線に対して憎しみを持ったままの分身が奏に戻ることで、そもそも消耗していた奏の力を更に弱めたり、あるいは消せたりすることまで考えているのかもしれません。よって、天使増殖の犯人は直井じゃないかと思います。
 もう1人怪しいなあと思っているのが、最近あまり出番のない竹山です。というのも、釣りのシーンで飛ばされて以来、一度も登場していないんですよね。(炊き出しにはいました。ただその後は登場してませんよね?)アリバイの無さは直井以上かもしれません。何せ怪しいのが、ゆりが天使PCを操作しているところで、授業を受けているフリをしているわけでもないですし、ゆりに従って天使のスキル解析をしているわけでもない。……とすると消えた? というのもあまりにもな話ですから、そうすると他で反模範的行動をしていたものと思われます。天使監禁に関わっていた可能性もあります。
 竹山には動機というか怪しい部分が他にもあるんですよね。実は、天使の生徒会からの追い落としには彼がかなり関わっています。例えば、3話で天使のPCからガードスキルのデータまで辿りつけたのは彼の功績ですし、5話で天使の答案をふざけたものを書き、すり替えて結果的に生徒会長から追い落としたのも彼の功績ですしね。
 そもそも直井は、副会長から会長に取って代わることをずっと狙っていたようなフシもありますよね。音無が来ることによりバランスが崩れた世界に、竹山というスパイを送り込んで天使を追い落とす作戦を進めることをしていても不思議ではありません。ゆりたち戦線も同じ動きをしているわけですが、アホすぎて竹山無しでは成功していないでしょう。竹山はこの2度の作戦はどちらも成功させているように、戦線メンバーにはないものを持っているようにも思います。それに竹山は、自らのことを「クライストとお呼びください」と言いますが、「私は神だ」と言っている直井と大差ないような気もします。クライスト=キリストですからね。直井が竹山に、やってくれたらそう呼んでやろう、と囁かれたりしたら寝返りそうな気もします。それとは別に、7話で奏に釣り糸で吹っ飛ばされるなど恨みもあるんじゃないかとも思いますが。
 

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 と言うわけで、分身天使を増殖させた黒幕は、直井、もしかするとそれと竹山なのでは無いのかと思います。竹山説はまあこじつけですが、直井が天使である奏を消そうとして、そしてまだ自分が神になろうとしているのでは無いかと考えています。そういえばゆりっぺは、直井の時と今回の分身天使の動きの時とに、同じく「完全なる服従」と言ってるんですよね……。それも何かの示唆じゃないかと思ってますが……果たして。


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