Angel Beats! 第10話に散りばめられた麻枝テイストの数々〜Angel Beats! 考察

 AB!の10話が終わり、実質的にはあと2話で終わるという話もあることから、収拾がつくのかどうかが心配にもなってきました。ゆりっぺマジ空気ですし……w
 
 さて、10話でユイにゃんが消えてしまったわけですが、各所にKeyらしいと言うか、麻枝准らしい部分が見られましたね。置いてあったぬいぐるみがどうとかっていうのは他所に任せるとして、それ以外にも麻枝准っぽいなあという部分が非常に多かったですね。そういう部分を考えていきたいと思います。
 

  • いきなり結婚〜まこぴー?

 まず大きな部分から行けば、ユイが恋愛をすっ飛ばして結婚とか言う部分でしょうか。あれってもの凄く麻枝さんらしいですよね。
 一部には、恋愛もしてないのにいきなり結婚って唐突すぎじゃね? と言う声も上がっていますが、麻枝さんだから仕方ないんですよね。何せ前科がありますし……。Kanonの真琴ですよねw 端的に言うと。エロゲなのでHシーンはあるのに、恋愛の過程が描かれた形跡が一切なくて最後は結婚、ですから。まさにAB!の今回とも似ているわけです。CLANNADの風子にしても、リトバスの鈴にしても、恋愛的なものは描かずにくっついたりしてますしね。そもそもこの「真琴〜風子〜鈴〜ユイ」のラインは、麻枝さんがお得意としているウザロリキャラなんで、同じ路線になるのもわかるんですよね。

  • 現実世界で死んでいるも同然〜あゆシナリオを意識?

 ユイの、実は動けない設定も麻枝さんらしいですね。そもそも、この設定で思い出されるのはKanon月宮あゆなわけですが、これって今回に限らないんですよね。CLANNADの風子だってそうですし。ユイが生きているのか死んじゃったのかはひとまず置いておくとしても、現実世界では幸せではないわけで、それが奇跡が起こって回復する、という話にはなっていないわけです。風子だって復活はしてましたが、風子ルートで無ければ10年掛かっているわけですし、あまり描かれてはいないのですが、25歳ですし高校生活とか犠牲にはしているわけです。それほど期間を置かずに復活して幸せを得たあゆとの違いを殊更強調しているように見えるんですよね……。当時の、麻枝さんが「よく出来た」という真琴シナリオがあゆに人気で惨敗していたことは、今でもどこかに染み付いているのではないかと思ってます。現実世界では得られない幸せを別世界で手に入れる、と言う手法はまさにCLANNADの風子的ですよね。

  • 音無・ユイ・日向の関係性〜AIRっぽい?…家族になるための必要儀式

 そして、日向とユイ、そして音無の関係性が、個人的にはすごくAIRAIR編に見えたのですがどうでしょうか? ユイはもちろん観鈴ちんで、音無は往人、そして日向は晴子さんって感じですね。途中までは観鈴と往人の話だったはずが、最後には主人公が空気になってしまったりするあたりとか、最後の場面が「ごーるっ」にしか見えなかったり……(僕だけ?)。
 日向が晴子さんってところが無茶苦茶な気がしますが、麻枝准にとって性別の違いは些細なことだったりもします。彼の書く曲の詞は、AB!では「あたし」と「君」「あなた」ですが、それまではほとんどが「僕」と「君」でした。大体歌で歌われているのは少年と少女ではあるんですが、明らかに女の子が歌っていることを想定している歌でも一人称は「僕」だったりもしますし、同性か異性かという部分については、単純に「結婚出来るか否か?」の部分だけのような気がします。赤の他人同士であれば、結婚する以外に家族になる方法が無いので異性って設定にしている、という側面も見られるんですよね。なので、苗字が同じで既に母娘の関係が多少あったAIRの神尾家は同性で良かったわけですが、全くの他人だった日向とユイの場合、家族になるには結婚しか無かった、と言うわけです。10話後半部分の、現実世界でユイと日向、そしてユイの母親が家族になっていくような描写がありましたが、ゆくゆくは日向とユイの母親が家族になるためには、日向とユイは結婚するしかなかった、と言うようなこだわりのようなものがあったんじゃないかと考えています。CLANNADでは相当その辺にこだわった感じがありましたしね。麻枝准にとって、家族になるための必要な儀式として「結婚」があるわけで、それ以外の方法で家族になれるのであれば、別に同性でも構わないとさえ思っているのかと考えています。
 しかし、何故ここは日向でなければならなかったのか? については、言い切れるほどの材料がありませんね。ユイと日向が、ずっとお互いを意識しあっていたのは作品中に描写としてあったとおりですが、音無であっても良かったはずです。これはやはり、音無には誰か別のキャラとくっつくために身体を空けておく必要があるためなのかもしれません。

  • 60億分の1〜ソララドの「一万の軌跡」的な?

 日向のセリフで「60億分の1」という発言を受けて、いくらかの鍵っ子が反応したのが「60億分の思いが〜♪」というフレーズのある、クラナドアレンジボーカルアルバム「ソララド」に収録されている「一万の軌跡」です。
 でもこれはちと意味が違いますかね……。何せ「一万の軌跡」はこれから生まれでる現実世界に向かっているわけですが、AB!の今回の話はそこで出会えるかどうか、ですよね。まあニュアンス的には同じようなものですし、何より「60億分の……」というフレーズこそが、麻枝准の根幹となる現実世界での出会いの考え方なんでしょうね。そう何度も使うような表現ではないでしょうから。

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 こんな感じで、非常に麻枝准の色が濃いと言うか、麻枝准そのものな10話だったかと思います。あまり見返せてないのでもっと他にもあるのかもしれませんが、pixivでの反応を見る限りでは、そんな濃ゆい麻枝成分がかなり受けいれられているのかな? と思いました。否定的な意見も多いみたいですけどね。


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