実は重大な事件

 JR福知山線の列車脱線転覆事故ですが、運転士1人(&車掌)のみに責任を押し付けるのには待ってもらいたいです。
 というのも、JR社内の体質や方針にも問題があり、例えばオーバーラン(40m)の虚偽報告については、オーバーランが発覚することにより、約2週間以上の奉仕活動のようなもの(運転禁止+懲役みたいなことをさせられる)をさせられるため、車掌が庇って虚偽報告したのだと思います。
 運転士の資質などの問題もありますが、もし問題があるとしても、JR側はそんな運転士を乗務させ続けていたわけですから、会社自体に問題があると言わざるを得ません。

 また、ダイヤの遅れを取り戻そうとした「暴走」ですが、これもJR西日本(関西近郊区間)における構造上の問題があります。
 それが、「アーバンネットワーク」です。
 これは何かというと、JRの路線がすべて「相互乗り入れしている(連絡している)」というものです(たぶん)。
 今回事故が起きた福知山線であれば、乗り入れ先は、東西線学研都市線と、東海道本線の2つがあります。つまり、この事故を起こした列車が遅れることで、他の路線の列車にも順次遅れが波及していくのです。
 そのためJR西日本社内では、列車の遅延には神経を尖らせていたようで、そうした焦りから、速度超過の状態で運行していたのでは無いかと思います。

 ただ言いたいのは、これだけの大事故が、個人の過失だけで引き起こされるわけが無いと言う事です。あまり短絡的に考えるのは止めましょう。

 あと気になるのは、「けが人」のことです。
 命さえ助かればまだいい、と確かに考えるのは正しいのかもしれませんが、程度にもよると思います。
 詳しくは入ってきていませんが、救急救命センターなどに搬送された人は、かなりの重傷・重体だと言われていますし、命を例え取りとめても、身体の何処かに障害が残ったりなど、今後の人生を狂わせられた人も大勢いるはずです。
 何か、災害報道でも軽く扱われがちなものですが、忘れないでおきたいことです。