安倍新総裁はどうなる?

 安倍晋三自民党総裁が誕生したようで。小泉政権から大きく変わることは無いとは思いますが、暴力団との黒い交際や、統一教会などとのウワサ、建築偽装問題の際に名前が出されたこと…など、周辺にはかなり問題が山積しているんですよね。
 それに、小泉さん以上に過激な思想を持っていることも見逃せません。とりわけ、防衛庁の省への昇格を目指すなど、「再軍備・軍拡」路線を志向しているのが問題です。防衛費は、今でも国家予算のかなりの部分を占めているのに、防衛省になればさらに拡大する可能性もあります。対北を理由に、いるものいらないものもひっくるめて購入しそうなのが恐ろしいですね。それを韓国・中国が脅威に映れば、外交政策は最初から行き詰まることになります。
 また、小泉さんほどのカリスマ性と実行力があるかどうかも気になります。カリスマ性はどうしようもありませんが、実行力は、派閥や族議員らの抵抗に負けないものがあるかどうか?と言うものです。これもやや乏しいと思います。
 
 選挙では、安倍さんが多くの得票を集めて圧勝したようですが、麻生さんや谷垣さんらも一定以上の票を集めて健闘しました。安倍さんに投票した議員たちは、おそらく安倍さんに取り入って重要なポストを貰おう、と企んでいる議員たちでしょう。また、発言力も確保したいとの意向もあると思います。
 逆に、麻生さんや谷垣さんにとっても、悪くない戦いでした。一定以上の支持を集められたわけで、要は、反安倍派も自民党内にはいる、と言うことです。それに、安倍政権がコケた際、二次勢力として台頭するためには、麻生・谷垣両氏に接近しておくのが得策、と考えたためでしょう。もちろん、対中韓政策や経済政策で、安倍さんよりも良い、と考えている人もいたと思われます。
 これで、まずは組閣が注目です。安倍さんは、多くの派閥から支持を集めて当選したわけですが、どちらかと言えば、この前の衆院選での自民党の圧勝劇のように、なし崩し的な勝利と言えると思います。ですので、組閣で派閥間のバランスを考えたものにしなければ、支持勢力が一枚岩で無くなる恐れがあります。逆に、あまり派閥間のバランスを取りすぎると、人物よりも派閥を優先したと批判されかねませんし、政策に派閥の意向を尊重しすぎて、個人の目指す政治が出来ない恐れもあります。
 安倍さんが、どれだけ自民党をまとめつつ、自身の政策を打ち出して実行していくのか、まあダメだろうなあ、と思いつつも注目していきたいと思います。