核武装論議について

 自民党の中川政調会長が発言した、日本の核武装についての波紋が広がってます。今日の党首討論でも、民主党の小沢代表が激しく追及していました。しかしながら、この問題はもっと整理して考えるべきでは無いでしょうか?
 つまり、「核武装をする」と言う前提のもとに立った発言だったのかどうか?と言う点は、はっきりさせておきたいことです。
 実際に、地球上では核武装をした国が、宣戦布告された例はありません。対テロ戦争などは別ですが、アメリカやイギリスなどをはじめ、インドやパキスタンイスラエルなども核保有をした後は、大きな戦争を布告されたわけではありません。印パはその際たる例で、パキスタンの核実験成功後は、むしろインドとの関係が良化し、アメリカとも協力関係になりました。イスラエルは、他のアラブ諸国のほうが規模は大きいにも関わらず、むしろ地域内でのミリタリーバランスは、イスラエルが突出しているせいで、イスラエル優位で崩れているくらいです。
 つまり、核兵器保有がもたらす恩恵はかなりのものですし、国家の安全保障と地位向上に大きく寄与するものだと言えます。
 ただ、日本が核武装をするメリットは何があるでしょうか? 対北朝鮮であれば、あまり意味は無いように思います。何も、北はアメリカの核兵器が怖いわけではないでしょう。日本が核を持ったとしても、交渉の有利不利が変わるわけではありませんし、いざ北が攻めて来たとしても、抑止力には到底なりません。むしろ、費用や開発・設置場所などの問題が山積するだけだと思います。それに、中国などが強硬に反対するでしょう。
 僕が言いたいのは、核の論議をするのであれば、まず「開発・保有するのか否か」と言う点をハッキリした上で、保有しないとすれば、どう言う論点で議論するのか?と言うことを示してもらいたいのです。保有するかしないかと言うことであれば、全く保有すべきでは無いと思いますし、保有しない場合では、じゃあ核について何を議論するのかを教えてもらいたいと思います。
 中川政調会長はわかりませんが、擁護した麻生外相は元々タカ派ですし、安倍首相ももちろんそうです。核保有を前提とした考えも持っていても不思議はありません。なので、その辺を国民に対して説明してもらいたいと思います。