大阪や東京の近郊都市イベントが絶滅する日。追記〜低価格路線+画材販売の行き詰まり+グッズ販売から同人誌販売がメインになる流れ

<関連>
http://d.hatena.ne.jp/rikio0505/20081209/1228833651
 同種のイベントが衰退している理由は他にも、例えば低価格路線の行きすぎ(サークル参加費)でしょうか。以前ならその価格でも、コスプレや一般参加者の参加費などで持っていたんでしょうが、参加者が減少すればたちまち立ち行かなくなるように思います。
 また、イベント主催者が画材屋さんのことが企業イベントの場合は多いのですが、同人作家たちが画材をデジタル化しているケースも増えていて、特にスクリーントーンとかは需要が落ち込んでいるんじゃないでしょうか? コピックなどの色塗り用の画材も、CG化した作家さんには必要ないものですからね。アナログ原稿なら定期的に買い足さないといけなかったものが買わなくて済むわけですから、イベントでの画材販売が振るわなくなるでしょう。画材販売を目当てにイベントに行ったこともあるだけに、それなりに影響はあるように思います。
 あとは、グッズ販売するサークルさんが減ったことじゃないかなと。小中規模のイベントでは、本よりもグッズ販売するサークルさんがメインでした。グッズと言えば、ラミカ(ラミネートしたテレカくらいのサイズのカード。ラミネーターがあれば安価で量産が可能)・便せん(業者に頼むオフセット印刷とカラー・単色コピーがある)・色紙などがありました。ただ何時の頃からか、グッズは買う人がほとんどいなくなりました。
 要は、本を求める人が増えたんですよね。それに応えるようにか、サークル側も本を作るところがほとんどになりました。
 しかしながら、本を作ることは大変な労力がかかります。グッズならば、創作の労力でいえば絵を描くだけで良いのですが、マンガは内容を考えてそれを描かなければならないわけですし、絵も何枚も描かなければなりません。そうなると、そう頻繁にイベントで新しいものは出せませんよね。
 地方のイベントと言えば、毎月とか二ヶ月おきとかにあるのが通例です。が、そんなに本は出せませんよね。それに、小中規模のイベントで、自分の好きなジャンルを見に来てくれる人の数ってのはそう高くありませんし、手に取ってくれる確率すら高くありませんから。そうなれば、より手に取ってくれる数の多い、大阪や東京の大きなイベントや、オンリーイベントを選択する…ように思うのです。そうなると、年2回のコミケや、大阪なら長期休暇前後に開催されるComic City、あとはオンリーイベントなどに新刊を出すサークルが集中する、という流れが出来ているんだと思います。

 弊害としては、地方都市イベントに比べると、大阪や東京のイベントへの参加は敷居が高いってことかもしれません。何せ、サークル参加費だけでも2〜10倍くらい。地元開催と比較すると交通費もバカになりませんし、学生さんとかだと負担も大きいはずです。もちろん、学生さんでも、本が売れるサークルさんになると利益も出るでしょうから関係ないんですが、そうなる前だと、売れる見込みも無いのに多額の参加費を出すのは大変だと思いますし。地方イベントなら、参加費も安いですし、売れなくて元々と思えば、同人界に脚を突っ込むキッカケとしては敷居も低いはずなんですけどね。
 その意味では、低価格路線を途中で投げ出した+拠点都市のみに特化したCity=赤ブーブー社の戦略は見事でしたけどね。大阪では、こみっくトレジャーも含めて、完全に同人誌即売会を独占する位置にまでなったわけですし。