Angel Beats!はKeyゲームたちと同列の創作物なのか?

 AB関連の動きが活発ですね。G'sのSSも連載が始まりましたし、そのタイミングで麻枝准のWebラジオ(大長編)も公開されるなど、ファンのほうがついていくのに必死にならないといけないくらいにホットになってきています(←ついていけて無い人)。
 ところで「Angel Beats!」(以下AB)は、原作・脚本が麻枝准、原画がNa-GaということでKey作品の一連の流れと同じではあるんですが、当たり前ながら、Key内(VA内)ですべてを作っているわけではありませんよね? あくまで、アニメ作品の一部を手がけているだけに過ぎません。そうなると、これってKeyのほかの作品と同列に並べていいものか?とかKeyの一次創作物なのか?とか考えてしまいます。以下は、色々と比較してそれを考えてみた内容です。

  • ゲームじゃなくアニメ

 言わずもがなですね。麻枝准という人は今のところ、シナリオライターであり、企画者であり演出家であるんですが、あくまで「ゲーム」限定ですよね。マンガ原作はやりましたが、この前のエントリでもあったようにあまり上手くは行かなかった(主に演出面で)。じゃあアニメは?ってなると…未知数としかいえません。
 もちろん、これまでのKey作品は、コミカライズよりもアニメとしての評価が高いようには思います。ただそれは、京アニの映像美に拠る部分が多いわけで、むしろアニメ化しずらい内容の作品が多かったように思います。未だアニメ化の話が無いリトルバスターズ!にしても、アニメには向く作品ですが構成面が無理すぎるわけで。そんなシナリオばかりを描いてきた麻枝さんが、いざ一本道のアニメ作品を描くとなると話が全然違ってくるように思います。ゲームでは、多層的な世界観やパラレルなシナリオ配置がほとんどでしたからね。
 ですから、最初からアニメとして世に出るAB!と言うのは、今までのゲームとは全然位置づけが違う気がするんですよ。
 近いと言えば、智代アフターなのかもしれません。あれは割と一本道でしたし、シナリオのボリューム的にも意識的に抑えた作りになっていましたから。

  • スタッフのほとんどがKey(VA)以外

 言わずもがなですね。いくら原作・脚本が麻枝さん、原画がNa-Gaさんだからと言って、それだけでKeyゲームと同列ってのは難しいですよね。何せ、ゲームはほぼKey内(VA内)で作っているわけですし、スタッフも、外注さんとはいえ自分たちで選んで参加しているスタッフなわけですから。アニメになると、逆に麻枝さんとNa-Gaさん以外のKeyスタッフの関与はほとんどなくなりそうです。一応、CLANNADを世に出せた神様であるw藤井さんが麻枝さんと同行しているとのことなので、名前が出るスタッフで参加しているのはこの三名ってことで、関与の度合いがゲームとは桁違いに少ないわけです。
 まあ、神たる麻枝さんが原作と演出、ボーカル曲や一部音楽(未確認)を手がけていることで公式化…なんですが、Keyゲームってもの凄く細部にまで麻枝さんらの演出上の注文が反映されていることはご存知のとおりで、それが納期の決まっているアニメで可能なのかどうか…(CLANNAD以前のKey作品に納期など存在してないはずw)。そしてそんな麻枝さんの要求を、アニメ製作会社側が反映し切れるのかどうか? それが出来たのであれば、Key公式作品という位置づけでいいと思いますけども。
 ただ逆に、Keyスタッフの凄さが見える可能性もありますね…。

  • Na-Gaさんの絵がほとんど露出しない

 これが一番気になったことです。今のところはNa-Gaさんの絵の露出は多いです。が、それはあくまでアニメが始まっていないし動く絵が出てきていない段階だからこその話であって、今後はアニメスタッフによるアニメベースの絵がどんどん出てくることでしょう。
 それにもうひとつ気になるのが、麻枝さんがG'sに連載するSSの挿絵がごとPさんになりましたよね。もちろんCLANNADの「光坂」のコンビですし、麻枝さんが作詞作曲したLiaの「karma」のイメージ絵はばっちりハマってましたから、違和感と言うよりは当たり前のコンビなんですが…。
 ただ、Na-Gaさんが挿絵を描いても良かったんじゃ…と思うのですがどうでしょうか? AB!が公開される前から、既に原画のNa-Ga絵、アニメ絵、そしてごとP絵と3種類の絵が同居しているような状態なわけです。どれが公式? もちろんNa-Ga絵が公式なんでしょうけども、実際に動くアニメ絵、麻枝准のストーリーに直接関連付けられてるごとP絵のほうが、Na-Ga絵よりも圧倒的にAB!の作品そのものに近い位置づけですよね? Key公式絵師にして原画なのに、作品内の順位的には一番下、露出度としても低いものにとどまりそうじゃないでしょうか?
 
 絵ですが、例えばplanetarianはこつえ〜さん、智アフはフミオさんと、世に出る絵がKey内の絵師ではなかったことは今までにもありました。が、シナリオや演出、音楽はすべてorほとんどがKeyスタッフによるものだったんですよね。もちろんCGも。だから余計にAB!がKeyゲームと同列なのかと考えてしまうのです。

 最後になりましたが、もちろんもの凄く期待はしているんですが、AB!が最終的にはどういう方向に進むのかが気になります。例えば逆ゲーム化があるのか?とか、その時に版権はどこが持つのかとか、KeyやVAはAB!でどういう商売が出来るのかとか…。僕ごときが考えていてもしようの無いことばかりですけども。もしその辺が自由にならないのであれば、この作品はKeyゲームと同列にはならないんだろうなあ、と思います。
 とまあそんなことを考えつつ、リトバスアニメ化の情報を待っているのでした(何それ。


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