「My Soul,Your Beats!/Brave Song」は、なぜ初動8万枚を達成出来たのか?〜Angel Beats! 考察

 オリコンウイークリーランキングが公式で更新され、「My Soul,Your Beats!/Brave Song」の初週8万枚越えが確定しました。「けいおん!!」のED「Listen!!」を越え、OPにも迫る勢いだったという、当初「無謀だろww」と言われていたAngel Beats!けいおん二期への喧嘩を売る感じが、実は本当に対等に渡り合えるような状態にまでなっていたことに驚きを隠せません。
http://www.oricon.co.jp/rank/js/
 個人的には、けいおん!!CDの売り上げとの相乗効果も実は見逃せないような気がしますが、AB!の関連CDの売り上げはそれだけでは説明出来ない数字になってきています。あと2週もあれば確実に累計10万枚の大台も突破するでしょうし、勢いは留まることを知りません。その理由を考えてみることにします。

  • ガルデモCDの先行発売が好評だった

 主題歌よりも先に挿入歌が発売されると言う異例の流れだったわけですが、まあ順番がこうなった理由は、OPもEDもフルコーラスだとネタバレが酷すぎて……と言うのが一番だと思いますが、この発売順が功を奏した可能性は高いでしょう。
 つまりは、ガルデモCDとして出された2枚に収録されていた6曲の出来が良く、共に累計で5万枚前後まで売り上げを伸ばしています。その結果として、当初は取り扱いのなかったようなCDショップにもAB!関連CDが置かれるようになり、結果的に主題歌CDの取扱店も量も拡大したのかな? と思います。
 ガルデモCDのオリコンランクイン効果が大きく作用しているでしょう。ずっと20位以内に留まっていますし、週末になったり新しいCDが発売されると、同時購入者の効果か既存曲まで売り上げが上がるという良いサイクルになっていますよね。そのために主題歌CDもより押し上げられた可能性は高いでしょう。

  • 焦らし戦略・品薄戦略

 AB!主題歌は、本編スタートから2ヶ月が経とうと言う頃に発売と相当に遅かったです。EDは1話から、OPも2話から流れていたので待望論が大きかったはずです。が、ネタバレ回避のため(?)にここまでずれ込んだわけですが、その焦らした結果とも言えるでしょうね。おかげでAmazonの音楽ランキングでは長期間1位に入っているなどしましたし、露出効果は非常に大きかったですし、でもまだ発売していないもどかしさなども購買意欲へとつながったのかもしれません。
 品薄戦略は微妙ですが、ガルデモCDの品薄感だったり、主題歌CDでも発売初日に瞬殺するなどして、相当数の難民が発生していました。2日後から再び出回り始めましたが、まだ地方では入手困難なところもあると聞いています。なので余計に買いに走る人が増えたのは間違いないでしょう。
 何せ、1週間で8万枚売れるCDが、初日・2日目の合計で2万枚ちょっとしか売り上げがカウントされていなかったわけです。正確な数字では無かったでしょうが、確実に最初の出荷を絞ったのは間違いないでしょうからね。

  • 曲が、Liaが素晴らしかった

 あのイントロから始まり、そしてLiaの声が響く。Liaさんいわく、今までの麻枝曲からすれば難しくなかったとのことですが、アレンジも含めて唯一性の強い曲だと思います。個人的にはスルメ曲だと思ってますが、一般視聴者も何度も聴いているうちに良く聴こえてきていたことかと思います。そこに惹かれたのでしょう。
 EDも良いですよね。麻枝氏にしては珍しい曲調のような気がしますが、多田葵さんの素朴な歌声とのマッチングがたまりません。そうした曲の良さが生きてきたのでしょう。

  • OP/ED両方+OP/ED映像まで入っているお買い得感

 けいおん!!との大きな違いでしょうか。OPとED曲の両方が1枚のCDに入っているのは、比較してもお得でしょう。Key作品のアニメでは、CLANNAD(ASも)でもお馴染みの売り方ではあるんですが。
 それに加えて、ノンクレジットのOP+ED映像DVDまで入っている大盤振る舞いなわけです。ガルデモCDには食いつかなかった層にもこれは買っても良いかな……となったように思います。

  • 鍵っ子が下支えした?

 AB!の当初の人気は、鍵っ子が、麻枝信者が下支えしていたのは間違いないところだと思います。そうした層がガルデモCDを買い、そして主題歌CDも買った、と見るのは普通です。
 ただどうでしょう? 鍵っ子でかつAB!のCDも買っている人間がどのくらいいるのか? と言うことになります。CLANNAD ASの「時を刻む唄」は、オリコン初動で10563枚となったようです。ただ「時を刻む唄」はPCソフトとしての流通分を含んでませんので、実質は倍以上売れていたことになります。VA馬場社長か麻枝さんかどちらかは忘れましたが、実質の売り上げは記録的だったと言う話から見ると、3万枚は下らないのかなあという認識でいますがどうなんでしょうね?
 それから考えると、Keyだからとか、麻枝准×Liaだから、という理由でCDも買う層ってそこまで多くないんですよね。楽曲的には「時を刻む唄」のほうが良いんじゃないかとも思いますし、鍵っ子の下支え分だけでは8万枚はとてもあり得ない数字だったかと思います。

 書きましたが、これも無いですね(汗。AB!を後から知った人たちには、麻枝准という人が、原作も脚本もやりながら、作詞作曲もしていることなど知らないみたいなので……。

  • 天使ちゃんマジ天使

 これまでのAB!CDのジャケットは岩沢とユイだったわけですが、主題歌CDは天使ちゃんでした。Twitterやってる人やpixivでAB!絵を見てる人ならわかると思いますが、AB!の女性キャラで断トツの人気なんですよね。AB!は原作が無いこともあり、グッズが今のところほとんどありません。そんな中での天使ちゃん描き下ろし絵なわけですから、グッズ的な意味合いでも売り上げを押し上げたのかもしれません。天使ちゃんマジ天使。

  • 一般層にもAB!人気が浸透した?

 そもそもこの数字を考えると、固定層だけでは達成出来ない数字であることは間違いないところだと思います。とすれば、鍵っ子でも無い一般のアニメ好きが買っていることになるのでは無いでしょうか?
 アニメの内容については、相当数のアンチがいることは事実ですし、アンチがいても仕方の無い内容だとは思いますが、それだけ注目度が高いってことなんですよね。アンチの多さは人気のバロメータとも言えると思います。
 というのも、途中で視聴を切った人が、主題歌CDを買うのかという話です。見てるからこそ買うんですよね? それだけ、見てる人がいる、あるいは増えていることがこの売り上げに繋がっているのだと考えています。後から増えていると言うのは、最初から見ているはずの鍵っ子層以外からも注目されているから、ですよね。
 アニプレックスの鳥羽プロデューサーの尽力により、地上波で1週間と間を空けずに、中京・関東・関西……富山・福岡と放送があって、少し遅れてBSという強力な放送網があることも要因でしょうね。
 
 まあ色々と理由はあるでしょうが、これらの複合的な要因が重なって起こった結果だと思います。それにしても、麻枝准Liaさんがようやく、見逃せないと言うか放置出来ない存在になったかと思うと、胸熱な思いがします。もっと目立って欲しいですね!


Twitter「つぶやく」ボタン
Twitterです
http://twitter.com/rikio0505