amazonで偽物語とFate/ZeroのBDが突然値下げされた理由を考えてみた

 某やらおん!で偽物語のBDがずっと1位だというネタが掲載されていました。
<参考>『偽物語』BD1巻がamazonで登録日からずっと1位なんだが・・・

 その記事の中にもありますが、偽物語BD/DVD1巻が33%OFFという、未発売の新作アニメとしてはかなりの値引き率になっていました。そして全く同じタイミングで、Fate/Zeroの1stシーズンのBD-BOXも同じく33%OFFの設定になりました。
 しかしながら、そんな値引きをしなくとも偽物語Fate/Zeroなら売れるんじゃないの? と思っているので凄く引っかかりました。今期アニメから値下げを始めたのかと思いきや、同じくアニプレックス妖狐×僕SSは通常通りの値引き率(26%)なのでこの2タイトルだけ特別扱いのようです。ちなみにFate/ZeroのBD-BOXは登録当初から31%OFFだったんですが、更に値下げしたということになります。
 しかし、どうしてこのタイミングなのでしょうか? 発売まで日もありますし、ランキング的にも偽物語は1位ですし、Fate/Zeroも放送終了後も高い位置で維持されていました。なのでテコ入れとはなかなか考えにくいとは思うのですが……。
 というわけで今回は、amazonでこの2タイトルが突如値下げした理由を考えてみたいと思います。

  • amazonがショップへ流れるのを引き留めるために値下げではない

 これはあり得ないと思います。何せ、amazonの値引き率は元々からかなりの幅ですし、まだどれだけ入荷するかも決まってないでしょうからね。偽物語なら1巻だけ買わせてショップへの流出を食い止めるような策とも考えられますが、Fate/ZeroはBOXですからね。値引きで自分の利益率を下げてまで買わせようとすることをamazonがやるとは思えません。アニプレックス側が卸値を下げたために、自動的にamazon側の値段が下がったと観るのが妥当だろうと思います。

  • 思ったほどには予約が入っていない?

 偽物語化物語の続編ですし、Fate/Zero劇場版空の境界と作品世界や制作スタッフが共通していると言えると思いますが、共に以前に出した作品はアニメBD/DVD史上でも屈指の売り上げを叩き出した作品でした。故に偽物語にしてもFate/Zeroにしても、作品のクオリティそのものは変わらない(上がってる?)ようであれば、前作並みの数字くらいは欲しいと思うのが制作側じゃないかと思います。が、その数字ってどちらも魔法少女まどか☆マギカを上回る数字なんですよね。
 いくらamazonのランキングでずっと1位だとか上位にいると言っても、まどマギがそうだったように当たり前のことなんですよね。例えこれが4万くらいの売り上げでも同じように1位キープの状態が続くんでしょうが、同じ1位でもそこまでの予約数は入っていない可能性があります。
 そこで、危機感を覚えたアニプレックス側が値下げしたのではないのかなと思うのです。この時期に値下げしたのは、放送開始からしばらく経ったというタイミングや、放送終了して人行き着いたタイミングと言えますし、発売までまだ間があるので生産数を調整も出来ますからね。最近のアニメはあまりワゴンセールをしないような気もしますし、欠品や難民もあまりないような気がしてますが、これは何処かで予約や売れそうな兆候を実際にどれだけ売れるかに繋げられる指標みたいなものができたからじゃないかと思ってます。それがamazonのランキングや予約状況ではないかと。あそこからデータを取って実際の生産数を決定してるのではと思ってます。ので、そこから算出出来る数字が満足行くものではない、のかもしれませんね。

 今期スタートで話題を集めてるのが、オリジナルアニメの「あの夏で待ってる」です。あの花やおねティのスタッフが集まって作る青春+ファンタジーなお話ですが非常に丁寧で綺麗なアニメーションとストーリーでなかなか面白く観させてもらってます。
 この作品、amazonに登録されるやいなや、いきなり全巻でamazonのアニメカテゴリで2〜7位を独占したんですよね。割と周辺での評判もいいですし、非常にわかりやすいキャラ立ちとか展開から人気になるのも頷けますが、まだ2話が放送されるかどうかという段階でこのランキングはあり得ません。たまに、1日だけ急上昇してあとは下降していく工作員による操作が感じられる作品とかもあるのですが、あの夏はBD全巻がそんな状態なので全巻いきなりポチったりお気に入りに入れたという人が多かったということになります。
http://www.amazon.co.jp/gp/bestsellers/dvd/562020/ref=zg_bs_tabamazonのアニメDVDランキング)
 偽物語は原作もありますし化物語もありましたし、既に放送された話数しかamazonには登録されていないのでランキングが高いのはわかるのですが、あの夏はオリジナルアニメであることや、まだ放送されていない話数までもう何らかのアクションを起こしていることから、相当な期待値の高さがわかると思います。まあこの後で失速する可能性もあるのですが、あの花がそうだったようにここまで高いランクになった作品が急落するとも思えませんし、今後の展開次第では更に人気を獲得する可能性だってあるわけです。
 偽物語が今期の覇権(アニプレのゆまさんが使っていたのでアニプレ作品を語るときには積極的に「覇権」は使いたいと思います)を取るのは、出来レース気味ですが予定調和な展開でした。が、いきなりジェネオン・ユニバーサルの作品であるあの夏がその座を脅かす存在になってきたわけです。
 正直なところ、化を買っていた人たちが偽を買わずにあの夏を買うとは思えないんですが、3月末のアニメBD激戦区で視聴者というかファンが買える本数は限られているわけですので、選択肢を消す意味ではこの値下げは戦略的と言えるのかもしれません。なぜそう言えるのかと言うと、あの夏のBDの価格設定がそもそも安かったんですよね。26%OFFで2巻以降は5000円切るという。定価(参考価格)は6300円ですから、偽物語などアニプレックスの標準の価格の7350円を大幅に下回るので、比較するとめちゃくちゃ差があるように思うんですよね。なので対抗する意味で下げたのでは……? と思ってるわけです。おかげで偽1巻は4911円と5000円を切る設定になってますし、価格差という意味ではあの夏とそう変わらないようになってます。そう考えると、かなり意識してるんだろうなあと思うわけです。
 ちなみに、偽物語とかが値段下げた後、あの夏も26%→28%OFFになったのでお互いに意識してるのかもしれませんね。

  • 見栄えの問題

 偽物語は今期の覇権を取らないといけないアニメでしょうし、そのつもりでアニプレックスとしてはお金を出しているでしょう。Fate/Zeroに関しても、あれだけの作画や演出で深夜アニメではなく劇場版クラスのクオリティでもありますし、普通のアニメとは違い制作費は相当かかってるでしょうし、2ndシーズンもありますから1期のBOXの数字がどうなるかがこのFate/Zeroアニメ化プロジェクトの成否を決めることにもなると思います。そうなると、やはり数字が欲しいんじゃないかと。
 そうした数字的な見栄えと、amazonランキング的な見栄えとの両方を取るための値下げだったのかなと思ってます。実際に、Fate/ZeroのBOXは他に特に情報も無かったのに値下げしたタイミングでランキングは上昇しましたしね。偽の1位も変わりませんし、値下げでそういう見栄えにもこだわったのかもしれません。

                                  • -

 偽物語は、複数の方から「化物語ほどには面白くならないのでは?」という話を聴いてますし、Fate/Zeroは盛り上がる前に終わっちゃった感が凄いので、共に前作にあたる作品ほど売れそうな内容ではないのかな……? と考えてます。元々続編モノは1作目より下がるという傾向はありますし、以前がブーム的な売れ方をしている場合だとどうしても下がる可能性はありそうです。
 アニプレックスはBD/DVDの定価を低く設定するような売り方はあまりしないので、恐らく戦略的に下げていくことで定価自体が下がることを恐れているのだろうと思いますが、こういう値下げのやり方は小手先の戦法だなあと思ってしまいます。もっと作品の力を信じてやればいいんじゃないの、と。
 しかしながら、最終的に判断するのは視聴者ですからね。どういう結果になるのかは非常に興味深いです。

※1月20日夜にamazon覗いたら、偽やFate/Zeroが31%OFFに、あの夏が27%OFFにそれぞれ微妙に戻りました。連動しているかのようですね。

『Fate/Zero』 Blu-ray Disc Box ?

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