原作から外れつつあるアニメ「けいおん!」第8話の示す意味とは?

 けいおん!は楽しく見させてもらってます。どんどん百合アニメになりつつありますね。
 しかし気になったのは、ちょっとずつなんですが、原作のマンガとアニメの内容が離れてきていることです。
 今までの「けいおん!」アニメは、あの内容をここまで膨らませたか…と驚愕の内容だった1話をはじめとして、マンガの内容を最大限に生かしつつ、そこから更に膨らませたりオリジナル要素を追加したり、という内容でした。
 ただ、今回の08話を見た後にマンガの該当する部分を読んでみたらビックリ! マンガにはあったエピソードがかなり端折られていました。例えば、新歓ライブの前に期末テストがマンガではあるんですが、アニメでは丸ごと飛ばされてます。その後に、学校に泊まりで特訓、ってくだりも入りませんでしたね。和が部活動申請書が出ていないと言うくだりもほとんどアニメには入らなかった…など、とにかくこの8話は原作無視っぷりが凄いです。
 それと、新歓ライブの曲目です。まあ曲目とタイトルは同じなんですが、マンガで歌ったのは「ふわふわ時間」のほうで、アニメではご存知「わたしの恋はホッチキス」でしたね。これはまたシングルカットするために、アニメスタッフが独自に選択したものでしょうし、かなり「アニメであること」を意識した作りにもなってます。
 あと気になったのが、梓の性格です。明らかにアニメと原作の該当箇所では性格がまるで違っていたような…。憂に対して軽音部のことを聞く部分が…アニメではありませんでしたね。
 どうしてこういう作りになったんでしょうか? 端折ったって部分については、今までの話の歩みが遅すぎたと言うのもあるでしょうが、これは「一期で終わらせる」と言う明確な方針では無いかと。でも無ければ、こんないきなり先を急ぐような作りにはしないでしょうし。特に原作が大人気!というわけでもないので、一期で終わらせるのは既定路線ではあると思うんです。らきすたのように、原作とは別にオリジナルの話を作って二期、と言う可能性は無きにしもあらずですが。それと考えられるのは、中野梓を早くアニメで登場させたかったのかな?と言うことです。原作では人気があるらしいですし、一期の内に少しでも描きたかったのかな、と。ならそれまでの部分をもう少し圧縮する…べきだったのかどうなのか。構成力に定評の無い京アニなので気になるところです。
 原作からの改変箇所ですが、これは今後の展開に生かすってことなんでしょうかね? この後の描かれ方にもよるんでしょうが。
 
 京アニは決して原作軽視をするようなところではありませんが、原作よりも面白くなるのであれば、改変はしていっても良いような気がします。こういう作りが今後も続くのか、今回だけのものなのか、次回を楽しみにしたいと思います。