戦線メンバーが消える条件とは？〜Angel Beats! 考察

　Angel Beats!も折り返し地点を過ぎました。未だにわからないことだらけですが、朧気ながらにわかるような部分も出てきたように思います。また、ちょっとゆりのことを悪く書きすぎたので、彼女の名誉を回復する意味でも考えてみたいと思います。
　さて今回は、メンバーが消えたり昇天したりする条件について考えてみようと思います。消える条件としては、１つは模範的な行動を取ることとゆりが言ってましたが、まあこれで消えるかどうかはよくわかりません。そしてもう１つの、岩沢のように消えること、については、未だにどういう条件の時に消えるのかがはっきりしていないように思います。
　岩沢が消えたのは、本人がやりたいことが全うできたからだ、と言うのは本編内での認識ですが、果たしてそれだけだったんでしょうか？　個人的には、戦線の中心メンバーだったからこそ、消えるための１つの条件を満たしていたのではないかと考えています。では、どうなれば消えるのでしょうか？　１つ思いついた考えを書いてみたいと思います。
　
　まず１つ考えたいのが、戦線内におけるゆりとメンバーとの関係です。例えば岩沢ですが、ゆりとの距離感はともかくとして、ゆりがリーダーで岩沢はそれに従う形の関係でした。T0読んでないのでそういうエピソードがあるのかわかりませんが、岩沢はどこかでゆりのことを心酔……まではいかないまでも何らかのリスペクトはしていたのでしょう。だからこそ、ガルデモを率いて陽動作戦に協力していたのだと思われます。本編中のゆりと岩沢の関係は、１話で新しい戦線の名称の時にアイデアを言ってたり、あと３話で新曲「My Song」をゆりの前で演奏して却下されたくらいの描写しかありませんでしたが、見返してみると関係が悪化していたわけではなく、他の戦線メンバーに比べるとゆりへの傾倒がやや弱いだけで、関係は良好だったと考えられます。
　つまり岩沢は、戦線の、そしてゆりのために行動していたことになるわけです。それが消える条件とどう合致してくるか？　なんですが、これから先は想像です。
　３話での岩沢の行動を振り返ってみると、陽動には使えないと却下された「My Song」をアコギで弾きはじめて昇天したわけですが、その時の他のメンバーやゆりはどうだったでしょうか？　他のメンバー……とりわけガルデモメンバーについては、皆が岩沢の演奏を否定するどころか、教師の動きを妨害したり演奏の音が聴こえるように音響を操作したり、サポートしていました。またゆりたちは、岩沢のこの行動により時間稼ぎとなり、天使の機密情報を盗みだすことに成功したわけです。
　整理すると、新曲が陽動に使えないというゆりの意向には逆らったものの、結果として他の戦線メンバーやゆり自身にとってはプラスとなっていたわけです。皆が岩沢の昇天を望んでいたわけではもちろんありませんが、ただ、結果的には岩沢の動きを援護して、そしてゆりにとってはいい結果をもたらしたわけです。
　つまり、ゆりの意向に逆らって、多くの戦線メンバーのため、あるいはゆりのためになるような行動を、そのキャラが自発的な意志を持って起こした時に消えるフラグが立つのかな？　と考えているのです。
　なぜそう考えているのかと言えば、逆パターンで日向のことがあるからです。日向は昇天フラグが立ちそうでしたが消えませんでした。ユイの突然のタックルのためではあるのですが、それ以外にも日向が昇天してはいけないような条件があったからじゃないかな？　と考えているからです。
　日向の場合、あのセカンドフライを捕れば、確かにゆりのためにはなったでしょうし、捕球失敗で逆転を許したときの野田の反応を見れば他の戦線メンバーのためにもなったでしょう。そう考えるとフラグは立ったと言えるのかもしれません。ただし、ゆりの意向に逆らったわけではありませんし、何よりそれを音無とユイがよしとしませんでした。
　ただここでは、ユイが敢えて日向の昇天フラグを潰したがために、日向が昇天出来なかったという色合いが濃いとは思います。音無がどう考えていても、日向の行動とゆりの意向が合っていたかどうかも関係なく、日向は昇天していたのかもしれません。なのでこの場合は、この場面では日向は昇天すべきではないという、ユイかあるいは世界の秩序を守ろうとする何かが働いていたとも考えられます。
　こうやって考えてみると、ゆりの意向に逆らうのかどうかはともかくとして、戦線メンバーが自発的意思を持って、ゆりや他の戦線メンバーのためにイレギュラーな行動をして、ゆりや戦線メンバーが助かり、その行動で自身も満たされた時が、そのキャラが昇天するためのフラグを立ててしまうのかもしれません。
　
　また、７話まで見て面白いな、と思っているのが、戦線内にはいくつかグループみたいなものが出来ているな、と言う事です。それが昇天フラグへとつながるのかどうかはわかりませんが、そちらも少し見ていきましょう。
　戦線内には、そもそもゆりっぺを慕うメンバーしかいませんでした。ゆりっぺの命令に盲目的に従うメンバー以外は。そこに、ゆりに反発してばかりの音無が入ってきたわけですが……６〜７話の音無は、ようやく戦線メンバーとしての自覚が生まれ、戦線のために動こうと言う意志が出てきました。
　そして直井と奏の登場です。彼（彼女）らは決してゆりを慕って戦線に入ってきたわけではありません。むしろゆりとは関係なく、音無が自身の行動や魅力？で戦線に引き入れたメンバーです。ですから彼らの主従関係でいえば、戦線内におけるリーダーはゆりではなく音無になるのかもしれません。なので、もしこの２人が昇天するフラグが立つとしたら、音無の意向に逆らって、音無や戦線メンバーのために自発的に何かをしたりした時ではないか……？　と考えています。
　しかし直井はよくわからないんですよね。そもそも「神だ」ですし、一時は生徒会長として自発的に行動もしていましたからね。何かを成し遂げようともしてませんし、戦線のために、あるいは生徒会のために行動していたわけでもありませんが……。
　その意味では、奏は非常に他の戦線メンバーと近いポジションにいると思います。というのも、自分の意思が全く感じられませんよね。６話で学食に行ったのは自分の意思もありそうですが、監禁されて脱出しようと言う時には音無の意志に従っただけでしたし、７話で戦線メンバーと行動するようになったのは音無に無理やり引っ張られたからですし、その後の炊き出しのシーンでも、「あなたがそうしたいのなら」などと意志が感じられません。唯一、ヌシに喰われそうになる戦線メンバーを切り刻んだ時には「助けなきゃ」と言っているように、奏自身の意志が感じられます。
　今のところ、まだ奏は音無の意志や意向に従っているだけの存在で、自発的には動いていないと言い切れると思います。なので今後、おそらくリーダーを音無からゆりに変えるようなことは無いでしょうから、音無の意向に背いて、音無や戦線メンバーを助けて自身が犠牲になるような場面でもあれば……昇天してしまう可能性がありますね……。
　
　そして不明なのが、日向とユイです。日向は昇天できなかったわけですが、おそらくは野球のトラウマが解消出来る以外の条件でも、条件を満たせば昇天フラグは立ってしまうんじゃないかと推測しています。
　しかしながら、日向にとって今一番大切なのは誰でしょうか？　もはやゆりではなく音無なんじゃないでしょうか？ｗ　と言うことは、奏同様に音無関係で昇天フラグが立ってしまう可能性があります。
　そしてもう一人……ユイがよくわかりません。ユイにとって今一番大切な存在は誰でしょうか？　かつては確実に岩沢だったと思います。岩沢に憧れて……というのは、３話でもそうですし４話でも語られています。まあ４話では既に悲しみの色がなかったのは違和感があったわけですが。そうなると４話以降のユイにとっての一番は誰でしょうか？　ゆり……では無いはずなんですよね。接触すらほとんどありませんし。ゆりは岩沢の代わりとしてある程度は評価していると思いますが、肝心のユイのゆりへの感情が登場したことがありません。そして……音無でも無いでしょう。３話で若干の接触があった以外には、直接二人が話したりしたことはありません。
　となると……日向じゃないでしょうか？　ユイが日向に従っている……とはにわかに考え難いですが、事実としてユイは日向の昇天フラグを直接潰していますからね。それだけではありません、同じく４話で日向はメンバー集めをしますが、悲しいことにメンバーのほとんどは、音無がキッカケで集まっているんですよね。椎名と野田は、音無へのライバル心を利用して引っ張ってきただけですし、松下五段も、音無が余った食券を渡して引っ張ってきたに過ぎませんし。更に言えば、モブで使い物にはならないものの、人数稼ぎのための女子生徒３人も、日向は関係なくユイにゃん親衛隊と言う事で、ユイが引っ張ってきたんですよね。つまり……日向自身で集めたメンバーは、実はユイだけだったり……。
　逆に言えば、ユイは日向だったからこそ野球のメンバーに直訴して加わったとも考えられるわけです。今のところ、全く恋愛感情などは感じることが出来ない二人ではありますが、日向のためにユイが存在している……とすれば、ユイも日向関係で昇天フラグが立つかもしれない、と考えています。
　
　もちろん、昇天するためにはおそらく、世界の秩序を守り維持している（はずの）天使の意向が関わってくるのだとは思ってます。が、とりあえずメンバー内で考えられる可能性は、こんな感じではないでしょうか？　自分の意思で自発的な行動をしてこなかったSSSメンバーたちを見ていると、そんなイレギュラーな行動こそが昇天フラグへと繋がるように思っています。