魔法少女まどか★マギカ キュゥべえは黒幕か否か? ほむらとの対立点とは?

 まどか☆マギカ4話観ました。全体的に言えば、まどかが何度も泣いていたり、未登場だった赤髪の女の子は物騒な発言をしていたりとめちゃくちゃ怖かったんですが、この作品の方向性ががっちり決まった感じがありましたね。
 その中でも注目はやはりキュゥべえでしょうか。まどかを諦める一方で、さやかが願い事を固めた場面でいきなり現れたり、別の魔法少女を連れてきたのはともかく、魔法少女同士で戦わせようとする(それを積極的に止めようとはしてない)など、やはり災厄を持ち込もうとしているようにしか見えないような気がします。先日の3話まで観た時点でも書きましたが、4話を観て判明した事実を元にもう一度整理してみようかと思います。

  • 何故さやかを一旦諦めたのにまた現れたのか

 一番の「えー」な場面は、一旦さやかを諦めた素振りだったのにまた現れたことでしょうか。まあこれは、目星を付けていた相手に対し「目がある」と思っていて実はマークし続けていたから、ってことなんでしょうね。それに重要なのが、屋上で別れを言ったのはあくまでもまどかに対してだけで、さやかには何も言ってないんですよね。もちろんキュゥべえがまどか狙いでずっと側にいたからではあるんですが、この場面でまどかに対してだけ別れを言っていたので、すぐに泣いちゃうし巻き込まれた感の強いまどかには謝って魔法少女勧誘を諦めましたが、さやかは割と気丈に振舞ってますし、魔法少女になるのと引き換えにした願いを持っていましたので、さやかには別れを言っていないということになるのではないかと思いました。

  • どうしても願い事を叶えたい場面で現れる都合の良さは?

 マミは交通事故で死にそうになったときに、でしたし、さやかにも上條君の件で詰んだときに現れましたし、どうも都合の良さが目立ちます。
 マミの時は事故なので本当によくわからないのですが、魔法少女の素質がある女の子をずっとマークしているのかもしれませんね。特にさやかは、キュゥべえの前で他の人のためになら叶えたい願いがあると明かしていたわけですし、それをキュゥべえがずっと覚えていたというのは納得出来ることではあります。不自然な点はありませんよね。
 また、マミが殺されてこの町を守っていた魔法少女が空席にもなったわけで、代わりを探すためにマークを外さなかったのは当たり前とも言えます。魔法少女に勧誘するのに必要な素質や基準が何処にあるのかはわかりませんが、そう簡単に候補者が見つからないのだとしたら、素質のありそうなさやかを簡単には諦めないんでしょうか。
 しかしながら、さやかには本当にキュゥべえの求める素質が本当にあったのかどうかかなり怪しい部分があります。何せまどかのついでみたいなものですしね。

 最後に現れたもう一人の魔法少女佐倉杏子の終わりがけのセリフで「ぶっ潰しちゃえばいいんでしょ、その子」と明らかに好戦的できな臭い匂いしかしないわけですが、魔法少女同士の潰し合いをさせることも厭わないというか、そういう魔法少女がいる、というのが明らかになったわけですが、この意味はどこにあるのでしょうか?
 テリトリーとか縄張りとかそういう発言が増えてきているので、ほむらに対するマミやキュゥべえの発言からしても、魔法少女同士が相入れない関係であることがわかるわけです。ほむらはキュゥべえとは関係なさそうなのですが、杏子はキュゥべえがスカウトした魔法少女のようなので、キュゥべえルートの魔法少女同士でも対立する可能性があるというのはちょっとビックリしましたけど……。
 しかし、実は杏子を連れてきたのはキュゥべえではないっぽいんですよね。キュゥべえはマミが死んだことは伝えた可能性がありますが、「まさか君が…」と言っているように、杏子を指名して連れてきたわけでは無さそうです。ただ、誰か代わりにこの町を守る魔法少女を探していたのは事実のようなので、逆に言えばさやかが魔法少女になってくれたのは予定調和的では無かった、ということでもあるわけです。
 魔法少女同士の潰し合いをキュゥべえがどう考えているのかは、今回の最後の杏子のセリフに対する返しがわからないので何とも言えませんが、恐らくは「そういうこともある」くらいに考えているのでしょう。これについては、より強い魔法少女に残ってもらえばいい、って感じなのかもしれませんね。まだ何も明らかになってないので、その辺がどう描かれていくかはまだまだわからないのですが……。

  • マミが生きている間からまどかやさやかを魔法少女に勧誘していた意味とは?

 どうにも腑に落ちないのはこの部分です。マミが死んだ後に別の魔法少女を勧誘するのはわかるんですが、キュゥべえはマミが死ぬ前からまどかを勧誘していました。これについてはどう説明がつくのでしょうか?
 1つは、マミが他の魔法少女に対してあまり好戦的ではない、協力しようとしている性格的なところがあるのかもしれません。とは言えほむらとは対立していましたが……。
 ただ、魔法少女はグリーフシードを求めて魔女狩りをしている面があり、例えばキュゥべえの画策通りにまどかもさやかも魔法少女になってしまえば、それこそ必要な分の魔女とグリーフシードが得られなくなり誰かが脱落することになるんですよね……。
 ここからは憶測になりますが、1つはマミが学年1つ上というところにあるのかな? と思っています。魔法少女に年齢制限があるとしたら……ですけど、実は「女子中学生」の間しか魔法少女になれないのだとしたら、1つ下のまどかたちを勧誘する意味も分かるし、マミ自身も協力的だったことに不自然な点はありませんよね。ただ、それをマミが知っていたような素振りがないのも事実なんです。要は、あと少しで魔法少女としての役目を終えるってことが……です。それを知らずして後輩魔法少女が増えることを歓迎するのかな? と思ったりするのです。
 もう1つは、この見滝原市の魔女の発生頻度が上がってきていて、マミ1人では追いつかなくなってきている可能性もありそうです。この説でいけば、キュゥべえの勧誘が積極的だった理由も、マミが歓迎していた理由も頷けるような気がします。が、そうなると今度は、なぜほむらとは共闘しないのか? という疑問にぶち当たるんですよね……。3話でマミがほむらの協力を拒み拘束してしまうわけですが、つまりは魔女狩りを他の魔法少女にさせたくない、という意思の表れでもあると思うのです。

 マミとほむらの関係についてはあまり描かれていないので何とも言えないわけですが、ほむらとの間にかつて何か良くないことがあったのか、あるいはキュゥべえ以外と契約した魔法少女を敵とみなしているのか……。
 個人的には、魔女狩りに対する姿勢の違いが一番大きいのかもと思ってます。キュゥべえ魔女狩りをしてもらうために魔法少女を勧誘していますし、マミや杏子らも魔女狩りには積極的な感じでしたが、ほむらはその辺が消極的なんですよね。これは、ほむらが「魔女狩りをしてグリーフシードを得る」という行為を忌むべきものと考えているからではないでしょうか? それ以前に、願い事を叶えてもらうことと引き換えにして魔法少女になる、ということ自体も良くないことだと考えているのかもしれません。マミが殺された時も、拘束が解けて「まさか」と言ってましたし、マミから生まれたグリーフシードを得たときにも嬉しそうではありませんでしたし、マミのことを悪く言うことは決してしてませんでしたよね。
 これから考えると、マイナス面をあまり伝えず魔法少女を増やそうとしているキュゥべえの姿勢に対して賛成していないのであって、同じく魔法少女稼業を華やかなものだとして憧れを抱かせようとしているマミにも賛同できなかったのかと思ってます。結果的には、マミの惨殺シーンを観たことでまどかは魔法少女への憧れが消えたわけですが、さやかは逆に、それでも叶えたい願い事が上回ったということで、今後はほむらとも対立していくのかもしれません。
 キュゥべえ魔法少女にさせるやり方も問題なのかもしれません。さやかもマミも、契約せざるを得ない状態で選択肢のないまま魔法少女にさせてますからね。
 魔法少女の行く末が幸せなものではない、のかもしれません。魔女に殺される以外の結末ももしかしたら悲惨なのかな、とも考えています。魔法少女がどうなったら魔法少女でなくなるのかとかは全く描かれていませんが、「卒業」なんて生やさしい最後とはちょっと思えなくなってきたので……。そもそも願い事を叶えてもらったことと引き替えにした代償みたいなものですからね。

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 とまあ、色々と考えてみましたが、ほむらがどうやって魔法少女になったかが明らかになれば、まどか☆マギカの全貌が明らかになりそうな気がします。ここまでマイナスに「魔法少女」を描いているとは全く想像もしていませんでしたが……。この先どんな過酷が待っているんでしょうね……。

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