(元ガルデモ)LiSAとのお泊りイベントを企画しないといけない理由とは?

 Angel Beats!Girls Dead Monsterことガルデモのボーカルの1人として一世を風靡して、今年からソロアーティストとして活動を始めたLiSAの、お泊りツアーなるものが企画されていてビックリしました。
http://entame.knt.co.jp/lisa1029/
 ソロデビューのミニアルバムをノンタイアップで出して、次はアニメとタイアップのシングルだ! とか考えていたんですが、次の手がこういう企画ってのはどうなの……と感じています。売り方としてはLiSAをアイドルシンガー的にと考えているんでしょうが、これでは思いっきりアイドル寄りで歌手という感じがあまりしません。何か方向性を見誤っている気がしてしまいます。
 そもそもLiSAは、数々のアニメを企画しているアニプレックス所属でもあるので、アニプレックス制作のアニメの曲を歌うんだろうと考えてました。Angel Beats!がそもそもアニプレックスでしたし、アニプレックス自体もアニメの音楽制作を担当することもありますし時間の問題と考えていました。が、ソロデビューから2クールが経過しましたがそんな話もなく、来期ラインナップを観てもあまり可能性がありそうには感じられません。
 しかし、なぜアニメとのタイアップが企画できないんでしょうか? アニプレックス自体は毎クール5本前後のアニメを制作していますし、どこかに入り込む余地はあるように思いますが、それが実現しないのはなぜでしょうか? 考えてみたいと思います。

 アニプレックス制作のアニメ自体は毎クール安定した数がありますが、音楽制作もアニプレックスが手がける作品となると1,2作品とかなり減少します。アニプレ作品では音楽は基本的に、親会社であるソニー系列のSMEだったり、出資してる場合はランティスキングレコードなどが制作を行ったりします。「魔法少女まどか☆マギカ」だとSMEでしたし、「みつどもえ」や「おとめ妖怪ざくろ」などはランティス、「DOGDAYS」や「BLOOD-C」などはキングレコードといった感じですが、それぞれ主題歌を担当するアーティストもその音楽レーベル所属のアーティストになっているんですよね。なので、アニプレックスが音楽制作まで手がけるような作品でなければ、アニプレックスの所属アーティストを主題歌に起用することはかなり難しいということになってしまいます。
 アニプレックスが音楽制作まで手がけたアニメといえば前期に「Aチャンネル」がありましたが、こちらの主題歌は全日本アニソングランプリで優勝した河野マリナのデビュー曲となり、アニメの作中でもモブキャラとして登場しました。曲そのものも非常に爽やかかつアニメAチャンネルの主題歌として相応しい朝の歌でしたので、所属アーティストのデビュー曲としてもアニメのための曲としても良かったんじゃないかと思いました。
 ただし、音楽制作までアニプレックスという作品は、今のところクールごとに1作品くらいなんですよね。しかも主題歌にアニプレックス所属のアーティストを起用したケースとなると非常に限定的で、深夜アニメでは「夏目友人帳」1期で主題歌を歌った喜多修平(現在は移籍?)くらいしかいないんじゃないかというくらいです。

 アニプレックスの音楽レーベルは、所属アーティストや声優さんの数が少なくまだまだこれからな印象が強いです。しかも若い歌い手といえばLiSAと河野マリナ、現役高校生の井上ひかり(ただしデビューシングル以来リリースなし)くらいしかいませんし、今のアニソン界から観てもかなり弱いと言ってもおかしくないと思います。所属アーティストを育てようという気があるのか、プロデビューのきっかけだけを与えて後は移籍待ちのためのワンクッション的な扱いなのかもはっきりしませんし、育ったような形跡もありません。何せソニー系列のレーベルなどたくさんあるわけですし、その中でアニプレックスレーベルの意味合いがどれだけあるのかという感じではあります。
 LiSAのソロデビュー時のミニアルバムはニコニコ等では著名な作曲者さんたちによるものでしたが、これもどうだったんだろう? と思います。もちろん悪い曲ではないものの、Angel Beats!でそれなりに知名度を得たLiSAのメジャーデビューにしてはやや物足りない気がします。もっとビッグネームを用意できなかったのかとか、これからこういう方向で行くというものを示すためのしっかりとしたプロデューサーを付けられなかったのかとか考えると、現状のアニプレックスレーベルでの限界みたいなものが見えてくるような気がします。

  • 先々への布石?

 そもそもアニプレックスがLiSAであり河野マリナをデビューさせたのは、これからは自社で音楽制作までやってしまおう、という試みだとも思いますし、ある意味ではレコード会社の影響を排除してアニメ作品のための音楽を作れる体制を築きたいと考えているのですが。ただアニプレックスレーベルでデビューして3作以上CDをリリースしたアーティストもいませんし、ことアーティストを育てるLiSAと合う作品が巡ってこないという感じなのかもしれませんね。意図はそれほどないように思えます。また、河野マリナらがアニソングランプリ優勝者特典での所属→デビューのようなので、LiSAとはまた違うようにも感じます。もしかしたらAngel Beats!2期とかがあるのかもしれませんしそれへの布石とも考えられますが……。
 ただ、それまでのつなぎのイベントと考えてもこの企画はどうなんだろう……? と思います。もちろんこの企画は「新たなLiSAファンを取り込む」ためのイベントではなく、「既存のLiSAファンの」ためのイベントではあります。にしても……という気がしています。

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 Angel Beats!麻枝准の曲を歌っているからこそのLiSAだと考えている自分みたいな人間にとっては、誰がプロデュースしようがそれほど気にはならないのですが、でもせっかく出会った縁もありますし今後が気にはなっています。Angel Beats!効果もソロデビューのミニアルバムでは初動7600枚という数字を観るとあまり継続していないように見えますので、早く次の音楽活動を観たいものです。

【参考】DAIMONZI-Xさんのサイトより
http://www.daimonzi.com/log/000483.php

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