「さんかれあ」1話の兄妹が寄り添うシーンが素晴らしい

 今期アニメで複数あるオカルト枠の中でも「さんかれあ」がなかなか良さ気じゃないかと思ってます。まだ1話しか観てませんが、太ももとおっぱいをあざとく見せる演出だったり、明暗を際立たせた作画や色の塗り、明確に死生観にも踏み込んできているあたり、ただのコメディものではない奥の深さを感じました。先が楽しみです。
 そんなさんかれあ1話でしたが、個人的にはこのシーンが目に焼き付いて離れませんので紹介しておきます。

 飼い猫が死んで、妹の萌路が「お寺の子どもはこう言う時もしっかりしていなければいかんのか」と呟いた後主人公が「そんなことねえだろ」と返し「そうか」と萌路が返した後、主人公の横にしゃがんだ後の場面ですね。
 この場面の素晴らしいのは、この後主人公に寄り添い抱かれながら、わずかに萌路の嗚咽が聴こえるんですよね。それも一言二言だけ。ここ、あまり泣いているところに尺を割いていないところが素晴らしいと思ってます。萌路のその直前のセリフから、お寺の子どもであるからわずか12歳でも飼い猫の死に対して泣くことを我慢してることがわかりますし、住職である父親がそこから去ってからというのも凄く意味の有ることだと思います。つまりは、萌路は兄である千紘にのみ頼り、弱さを見せることが出来た、あるいはこの兄妹の信頼関係の深さだとか特別な仲の良さ(別にLoveとかじゃないですよ)をこの1シーンで凝縮して見せることが出来ているのではないかと思いました。それが、洗濯物干し以外には何もない庭の中央でぽつんと二人だけが寄り添い、飼い猫の死を悲しむ絵を置くことで、先ほどまでお祈りしていた父親とは違う、この兄妹だけの共通の思いがあることも示しているように感じました。
 まだ1話しか観てませんが、非常におっぱいや太もものエロさだけじゃなく絵作りとしても素晴らしい作品だと思うので(まどか☆マギカなどで絵コンテをされていた小俣真一さんが監督)、これからも楽しみな作品になりそうです。