氷菓3話が安易にオープニングを飛ばしたように見える件について一言二言

 氷菓3話を観始めていきなりこう来たわけです。

 開始当初のカットではなく最後の方になってしまってますが、要はアバンとともにスタッフクレジットが出てきたわけで、やはりオープニングがありませんでした。
 もちろん、オープニングを飛ばすのは「尺の都合(描きたいことが多すぎて枠に収まり切らない)」や「演出上の都合(OP/EDなどを流さないほうがすんなり始まれる/終われる)」などの止むを得ない場合に限ると思ってます。OP/EDも作品の一部というか作品を構成している要素である以上、出来るだけ流して欲しいわけです。では今回の氷菓3話はそういう仕方のないパターンに当てはまるのでしょうか?
 個人的にはそうは思えません。相変わらずの過剰演出もありますし、セリフや会話自体も見せ方次第では削っても内容は伝わるはず。話の内容としては尺がギリギリとかいうような濃さでもありませんし、OPを削らないといけないようなものとはとても思えなかったのです(ここは賛否あるかと思いますが)。また、演出的にOPを飛ばしたほうが効果的かどうかですが、むしろあのアバンからOPが流れることで意図した演出が伝わらないようであれば主題歌として相応しくないと言っているようなものでしょう。もちろん、そんなゴリ押し的な主題歌ではありませんし、あそこで流しても何もイメージは変わらなかったはずなので、やはり尺の問題なのでしょうか。
 というのも、気になるのはその主題歌であるちょうちょ(ChouCho)さんの「優しさの理由」の売上が芳しくないことにもあります。初動が約3700枚と深夜アニメ主題歌としてはまずまずですが、京アニ作品として考えるとかなり低い水準になりました。あまり主題歌の評判が良くなかったような気がするヒャダイン氏による「日常」主題歌も1stが初動1万枚、2ndも初動6000枚程度売り上げているので、氷菓の主題歌がいかに売れていないかがわかると思います。またちょうしょさんの過去のシングルと比較しても、デビュー作となった神様のメモ帳主題歌が3600枚、ましろ色シンフォニー主題歌の2ndが3400枚ですから、京都アニメーション作品という最高に近いタイアップが全く生きていないことになっています。
 もちろんこれは、アニメの放送が遅かったことに由来しているわけです。アニメの主題歌は、パッと聴いてガツンとくるタイプのものもありますが、この曲のようにじわじわ来る感じの曲であれば、アニメとともに何度か聴いていて、あるいは本編の盛り上がりに合うような曲であれば作品とともに曲も高みに行き、そして曲の発売とともに売れていくわけですが、まだ2話が放送されたくらいで発売されたというスケジュールの悪さはもちろんありました。が、主題歌CD発売直後の3話でいきなりのOP飛ばしです。もちろん京アニランティスの間ではちゃんと話がされていてOPを飛ばすのは京アニの独断ではないと思いますが、アーティストさんが可哀想ですよね。まあこれは京アニだけじゃなくそれを許したランティス(その前に発売日の設定がおかしい)も悪いのですが。。
 で、話を最初に戻しますが、3話というかなり早い段階でOP飛ばしというのをやっているのが、非常に安直にやってるような気がしてしまいます。そういえば1話の時の記事で「シャフトの猿真似」って書いてしまいましたが、OPを飛ばしたりOPをEDにしてみたりというのは奇しくも新房シャフトの代表作となった「魔法少女まどか☆マギカ」でよく行われてましたよね。あちらは本当に尺の問題とか、EDを流すべき話数まで流さなかった演出上の意図があってのことですが。氷菓3話ではそこまでの意図が見えなかったことで、余計に1話あたりの構成にアクセントをつける意味合い以外が見出せなかったのです。

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 氷菓のOPは青春劇には相応しい非常に爽やかな曲になっていると思うので、氷菓という作品が好評なのであればじわじわ売れるんじゃないでしょうか。
 また、京アニはTBS枠でアニメを作る時にはOP/EDを流すことを強いられているので、U局の角川制作アニメだからこそ自由にやりたいのはわかるのですが……。それならもう少し話数を重ねた後にやったほうが効果的な気がしましたし、こんな変化球ばかりを序盤に使っていると、後半に「またかよ」って感じで演出的に飽きられてしまうような気がしますがどうなんでしょうか。

オリコン売上数参考】
DAIMONZI-X(CD売上カテゴリより)

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