SHIROBAKOの中に散見される、同じお仕事アニメ「サーバント×サービス」的な要素

SHIROBAKO2話まで観ましたが面白いですね。それと、このアニメでやりたいことは決して「リアル」なアニメ制作の話ばかりをやりたいわけではなく、ある程度大変さも描きつつも少しずつ作り上げていく楽しさみたいなものをやりたいんだろうなあというのも見えてきたような気がします。
さて今回は、そんな「P.A.WORKSお仕事アニメ第二弾」とも言われているSHIROBAKOで、過去にあったお仕事アニメで何か近いものがないものかと考えていたのですが、恐らくは色んなお仕事をするアニメから少しずつ取ったりもしているのでしょうけど、最も影響を受けていそうなのが「サーバント×サービス(以下サバサビ)なのではないかと思い当たりました。今回はSHIROBAKOがサバサビを参考にしたり影響を受けたのではないかと思われる部分を挙げていきたいと思います。

  • 同じデスクワーク的な職場が舞台のアニメ

 SHIROBAKOはアニメ制作会社、サバサビはお役所という違いはもちろんありますが、基本的には室内でデスクワークでの作業がメインになっています。ちょっとサバサビはお仕事描写そのものが少ない上に対人仕事が多いので似ているとまでは言えないかもしれませんが、それでも職場内がメインの舞台なアニメになっていると思います。SHIROBAKOは制作進行の主人公ですし外回りが多いのはあるのですが、基本的には地味な室内ばかりが描かれているというのは共通点ではないかと思います。「WORKING!!」みたいなレストラン、「花咲くいろは」みたいな旅館とは少し異なる華のない舞台ではないでしょうか。

  • 大人が主役のアニメ

 前述の花咲くいろはWORKING!!では働く大人はそれなりに出てきていても、一番メインで描写されているのは高校生くらいだったりします。お仕事アニメ……に入るかどうかわかりませんが「ヨルムンガンド」でも主人公は少年兵であるヨナだったりするわけで、お仕事アニメで子どもが働いていない作品ってもしかしたら少ないのかもしれません。
 そういう意味では、SHIROBAKOでもサバサビでも子どもが大人と働いているシーンは見かけませんでした。サバサビには怒筋の妹ちゃんが職場にちょくちょく来ていたのでそんな印象は薄いかもしれませんが、SHIROBAKOともども成人のみが働いている職場が描かれています。個人的にはここがポイントかつ一番やりたかったところで、やはり同じ成人同士で苦難を共にするだとか悩みを共有するということをSHIROBAKOでは描きたかったのだろうと見ています。サバサビはそうではないのかもしれませんが。今期だと「甘城ブリリアントパーク」とかはダメな大人たちを子どもが救おうとするという感じになっていますが、そういうアニメとは違うものを描きたいのかなとも考えています。

 SHIROBAKO作中で作られる魔法少女(?)アニメが「えくそだすっ!」ですが、そこに出演する声優さんが茅野愛衣さんと中原麻衣さんでサバサビの主要キャラ2人と全く同じという共通点があります。お二人の共演自体はなくもないはずですが、ここまでの主要キャラ同士の起用となるとたぶんサバサビくらいしか無かったかと思います。そんな二人がやはり同じく武蔵野アニメーションの社員として共に働いているのと同時に劇中アニメでの主役を同時に演じているのは、偶然にしてはなかなかに珍しいことなんじゃないかとも思います。
 茅野愛衣さんは直近の水島努監督アニメ5作中3作目の出演でかつP.A.WORKSアニメ3作連続出演と縁深いのですが、中原麻衣さんはPAだと「有頂天家族」に出演はされているものの水島努アニメにはこれが初めての出演のようでして、何かしら意図があっての起用なのではないのかと考えてしまいますがサバサビとの関連性が一番深いのかなと考えています。
 あと、サバサビでも「マジカルフラワーズ」という魔法少女ものがあって、それのコスプレを豊崎愛生さんが演じる恵がやっているというネタがありました。ドラマCDも作られたようで、そちらには茅野さんも中原さんも出演されているという縁?もあるようです。
 ちなみにえくそだすっ!に出演しているもう一人の声優さんである伊藤静さんはもっと謎で、PA作品は初、水島努作品でも「xxxHOLiC」以来という久々の起用でした。もちろんサバサビにも起用されてはいないのですが、原作が同じ高津カリノさんのアニメ「WORKING!!」で酔いどれのお姉さん役で出てた縁なのかなあと考えています。そういえばえくそだすっ!でも酒豪キャラがいるらしく、伊藤静さんご本人もWORKING!!の梢さんも酒飲みですからそういうことなのかなと。酒といえばSHIROBAKO主人公の宮森あおいも1話から缶ビール飲んでましたしね。

  • おっぱいは大変!

 SHIROBAKO1話で出てきたおっぱいの大きな作監さんが、そのおっぱいのせいか肩が凝るなどの症状を訴えていたのが非常に印象的でした。


 それってサバサビでも描かれているんですよね。ルーシー(仮)もおっぱいキャラでその重み故仕事に支障をきたしていそうでした。

 1話からおっぱいと疲れが直結する描写があるあたりも共通点になっているのかもしれません。

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 どうしてこんな記事を書いたのかというと、サバサビの監督が山本靖貴さんだからだったりします。山本靖貴さんといえば「侵略!イカ娘」2期の監督として水島努監督が推薦したことでも知られていますが、おお振りBLOOD-Cガルパンなど本当に多くの水島努監督作品で絵コンテなどとして参加されている盟友とも言える存在です。水島監督は割と縁深いスタッフが参加してるアニメを中心に観てるようなところがあり、当然サバサビも観ていたのではないかと考えています。もちろんお仕事アニメとして、あるいは成人が主役のアニメとして大いに参考にしたのではないでしょうか。
 もちろんパクリという意味ではなく、サバサビで良かった部分は取り入れて、不評っぽかった部分はバランスを調整して……という感じなのかなあと勝手に想像しています。もちろんただの妄想でしか無いのですが、そんな感じで少し前のお仕事アニメと比較しながらSHIROBAKOを楽しむのもアリ、なのかなあと考えながら見て行きたいと思います。

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