SHIROBAKO3話の打ち合わせの場面に観る、ゴスロリ様と作監補の関係性とゴスロリ様のワークスタイル

 SHIROBAKO3話のこの場面のやり取りを観ていてふと気になることがありました。

 監督と演出のスタッフが総作監補の井口さんと総作監ゴスロリ様こと小笠原さんと泣き顔シーンのところの作画修正(新規で描く)の打ち合わせの場面です。そこで急遽原画をやることになった井口さんが明日の朝イチまでに上がる(希望的観測とのこと)という見込みを話したところ、ゴスロリ様は作監修正するために「朝7時にまいります」と応えたところです。
 ここがどうして気になったかと言えば、演出や制作進行側からすると「昼くらいになる」と言うほどに大変な場面の原画なのに、井口さんの「希望的観測」で原画が完成しているということをゴスロリ様は信じてと言うか確信を持って「朝7時に」会社に来ると言っていることです。
 どうでしょうか? 7時にならないと出社しない(というかこの後家に帰る前提)ゴスロリ様ひどい! となる……人はたぶんいないですよね。井口さんの原画が間違いなく上がっているであろう7時に出社してくるということは、それまでの原画を彼女がやるわけではないですし、あくまでも作監作業が始められる時間に出社すればいいという考え方なので原画が上がる前からの早出は無駄、という効率的な考え方をしているように感じます。
 ただそれだけでもないような気がします。演出が昼までかかりそうと踏んでいたシーンの作画なのに井口さんの希望的観測をゴスロリ様は信じた、ということでもあると思います。つまり、それなりに付き合いも長く、井口さんの仕事ぶりやこう言った時は有言実行出来るかどうかとかそういうところをちゃんと観ていて、この井口さんの反応であれば翌朝までには原画を描き切ってくれる、というところまでをゴスロリ様は観ていて「7時」出社と言ったのだろうと思いますし、井口さんもそれに何も反応してないということは自信もあるということなのだろうと思います。つまり、この2人はパートナーとして場数を踏んできた間柄なのではないか、ということも鑑みれると思います。


Anotherなら……()

 そしてゴスロリ様は徹夜作業で死んだ井口さんを差し置き優雅に出社してお茶してるわけですが、ここは少しだけ早く出社したかあるいは原画が来るのを少し待ったかという感じなのかなと思いますがメイクや着付けはバッチリですよね。

 個人的に感じるのは、ゴスロリ様はこのメイクや着付けを毎日バッチリしてくるのだろうということです。このメイクや衣装のまま……ということは無さそうですし、ちゃんと毎日家に帰って着替えて寝て起きてまたメイクや着付けをしてくるのでしょう。それだけプライベートな時間をしっかり確保しているという意味なのか、仕事着というか勝負服みたいな感じで着ているのかはわかりませんが、飾りっけが無さすぎる主人公の宮森ちゃんとかとはずいぶんと違う感じがすると思います。このクソ忙しいアニメ業界において、ゴスロリ様はほぼ定時出社してまともな時間に退社しているような人なんだろうと思いますし、信頼も厚いことから時間内に仕事を完遂出来る能力も持ったクリエイターでもあるのだろうと推察出来ると思います。
 そんな彼女が「7時」出社と言った意味ですが……ある意味では余計な作業が発生したもののスケジュール通りにやらなければならない仕事には影響しないように、でもこの作監作業は必要だろうと言うことから追加で発生した作業を時間外にこなす、という意味なのではないかと考えました。定時は恐らく8時くらいですよね。ただ彼女は7時出社を明言したわけで、普段よりも早く来ると言うことを示したかったのだろうと思います。
 ただ、あくまでも若干早めな7時出社なわけです。そこは、徹夜で作画作業をして間に合わせる井口さんへの信頼感もあると思うのですが、井口さんの原画に対しての作監作業はさほど時間がかからない(ような高クオリティなものが上がってくる)ことへの信頼感もあるのではないかとも思うわけです。井口さんはラフ絵ではなく、しかも自身も総作監補もやっているということで、突貫で上げた原画もかなりのクオリティで上げてくれるという見立てから、本来の始業時間前に1時間くらい早出して作った時間で監修が出来るということでの7時出社なのだろうと観ています。だからこそ、新人アニメーターである安原絵麻さんへの作監修正作業を見せるという余裕へと繋がっているのだとも思いました。
 ただ、切羽詰まったところでのこの余裕の配慮からして、ゴスロリ様こと小笠原さんは相当に周囲を観れる人なのかなあとも思います。打ち合わせの時には特に口を挟むことはありませんし、井口さんにも何も言いませんし、新人アニメーターをフルネームで覚えていてかつ仕事を見せてあげるとか若手の底上げも考えているなど、外見の奇抜さから考えるとなかなか周りが見えているように感じます。孤高のアニメーターというよりは、それなりに人望も集める敏腕クリエイター的な感じも見受けられます。
 残業が当たり前な中でこういう仕事ぶりをする人もいるんだということも描いているのかなあと思いました。少しフィクションが過ぎますけど、あんな格好でアニメーターやってるって時点で既にそこそこファンタジーかなあとも思うのでフィクションとして割り切っていい部分なのかなと感じています。

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 ゴスロリ様のスピンオフ希望です。。。

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