信者でも思う、麻枝准の弱点
この前は「神」とか言っていたのに、手のひらを返します(汗)。まあ半分嘘ですが。
僕の中でも、あるいは他の信者たちの中でも、彼や彼の生み出すものは圧倒的で、かつ唯一無二のものであることは間違いないところです。が、様々なマイナス面や、妄信的な信者でもたぶん気付いていることを挙げていきたいと思います。
-家族、あるいはそれに準ずる存在が必ず出てくる
リトバスでは、あえて「家族」を描かないことにする、と麻枝さんは宣言したようですが、実はしっかり「家族」は要素として出てきています。理樹の設定なんてそう。既に「家族がいない」っていう設定は、理樹が家族的な暖かさに飢えている、と言う設定とも取れるわけで。また、恭介と鈴の兄妹も、この2人の結びつきや、恭介から見た妹への愛情の深さと保護者としての思いがかなり出てきてしまっていますしね。全然「家族」と言うテーマから離れていっていない、と。
それに、結局は「家族」が「友情」に置き換わっただけで、結局は同じようなことを描いているに過ぎないってことです。
智代アフターまでの作品はもちろん、家族は凄い大きなテーマでしたからね。それはずっと変わらないのだと思います。
-恋愛要素が薄い。あるいは描写が苦手
麻枝さんは、ギャルゲのライターとしては珍しいと言うか、ある意味変人だと思うくらいにラブストーリーが苦手なライターさんだと思います。それはみなさんわかっていることだと思いますけどね。
CLANNAD智代シナリオで恋愛の話を書けた!って言ってましたけれど、そうでも無いですしね。個人的には、ONEの七瀬シナリオくらいが一番恋愛っぽかった感じがするんですけど…。恋愛をすっとばして「結婚」というキーワードを持ってきてしまうあたりが、この人のシナリオの特徴なんじゃないかなあと思います。
ライター引退をほのめかしていますが(たぶんまたシナリオを描くことになると思ってますが)、自分のシナリオパターンの少なさや、ギャルゲライターとしての限界を感じてのことなのかなあ、と思ったりしています。
-ストーリー、名シーンのパターン化
CLANNADの「幻想世界」を語るときに、真っ先に思いつくのは、ONEの「えいえんのせかい」だと思います。両者は凄く似ていて、「えいえんのせかい」を描いたときに描き足りなかった部分を、CLANNADで再現したんじゃないかって思うくらいで。リトバスも、理樹や鈴が成長したり、状況を認識しなければ、延々と夢の世界が繰り返されるという状態なので、ベースとしては「えいえんのせかい」に近いものがあるように思います。
そう考えると、CLANNADもリトルバスターズ!も、「えいえんのせかい」をベースとした世界観を持っていることになるわけで。
また、「記憶喪失」を多用したり、放っておけば消える存在や、死んでしまう存在を登場させることも多いです。
-キャラのストック・パターンの少なさ
麻枝キャラと言えば、ほとんどが3つくらいの属性に分類されるくらいに、キャラパターンが限られているのはご存知の通りです。
☆正統派ヒロイン…怒ったりすることがまず無い聖母系のヒロイン。
ONE〜輝く季節へ〜の長森瑞佳なんてのはその原型とも言えるでしょう。この流れは、Kanonの倉田佐祐理(ヒロインじゃないけどw)、AIRの神尾観鈴、CLANNADの古河渚と続いていきます。観鈴だけはちょっと異色な感じはしますが…。ほぼ怒ることは無い(あるいは考えられない)=聖母的なキャラかなあ?と思いました。
母性に飢えている主人公に対して、お母さん的なヒロインをわざと配置しているのかもしれませんね。
☆小動物(猫)系ツンデレロリキャラ…そのまんま。
Kanonの沢渡真琴なんかは典型例で、CLANNADの伊吹風子、そしてリトバスの棗鈴へと繋がる系譜です。作成者が不明ですが、AIRのみちるも麻枝さんっぽいキャラですね。小動物というだけならONEの椎名繭、ツンデレというだけならONEの七瀬留美もそうです。この小動物系ヒロインは、麻枝さんが一番描きやすいんじゃないかって思うくらいに、毎回力が入りまくってますよね。ただどちらかと言うと、恋愛がもの凄く描きにくいヒロインになってしまいがちで(七瀬除く)、ゆえにこれらのキャラではまともな恋愛話にはなってません。でもまあ、この系統大好きなんでw 真琴も風子も鈴もめちゃくちゃ好きですから。って、個人的な嗜好はどうでも良いですね(汗。
この2系統でかなりの数がカバーできてしまいます。カバーできないヒロインもいるので、この2パターンが全てというわけではもちろんありませんが、この2系統のヒロインがほぼ毎回必ず出てきているので、キャラパターンはかな少ないと言えると思います。あとあるとすれば、「めちゃくちゃ強い」ヒロインかな? 舞とか智代とか美佐枝さんとか。まあ、強いだけじゃなく、弱さも併せ持っているのですが。
-「強さ」(=成長?)への強いこだわり
リトルバスターズ!は、家族愛を禁止された(した?)と言われているらしく、麻枝さんのシナリオではメインとしては出てきていません。その代わり、もう1つのこだわりである「強さ」は、ほぼゲームを通してのテーマとして出てきています。
これは、麻枝さん自身がCLANNAD発売前後に漏らしていたことでもあるんですが、自身の歌詞には「強さ」ばっか出てくるな、と。そう思って思い返すと、あの「小さなてのひら」でも出てきていますし、KEY+LIAでも頻繁に登場していたりします。
過去のゲームでも振り返りましょう。
CLANNADは、渚が強くなっていく話でもありました。有紀寧もそんな感じでしたね。智代アフターでも、最後は智代が強く生きると言うメッセージ性を残した終わり方をしていました。AIRは、家族愛に重きを置いたためにあまり「強さ」は感じなかったんですが、晴子が観鈴と向き合うようになったりするなどは、そういうことなのかもしれません。
ただ、Kanon以前ではそれほど「強さ」へのこだわりは感じられないんですよね。AIRも含めると、それまでは。CLANNADの完成が見えない中で、強さ、そして対照にある「弱さ」が自身のテーマとして浮上してきたのか…。
まあ、「強さ」へのこだわりはCLANNAD以降としても、キャラ(ヒロイン)の成長を描いているのは、ONEの繭あたりからそうですよね。ただ、今回のリトバスは異常にそこにこだわってましたが…。
-歌曲のメロディーラインに無理がある(気がする)
麻枝さんの作る曲は、回を重ねるごとに進化しているとは思うんですが、逆に思うのが、歌曲に関しては、歌い手に厳しいメロディーラインになっているような気がします。リトバスのテーマ曲も、いきなりキーがもの凄く上がったりしていて、歌い手の技量があるからこそ可能な、そんな感じの曲を作っている気がします。
CLANNADの「小さなてのひら」だって、実際に歌ってみると厳しいメロディーですしね。
こんなものでしょうか? まだありそうですが、思いついた箇所だけ挙げてみました。まだ何かあればコメントで挙げてください。
まあでも、そういう部分も含めて好きなんで、改善点などはわかりません。